祖父から教育資金400万円の贈与を受けましたが、学費を振り込んだ通帳に学校名が印字されていません。税務調査に入られる可能性はありますか?
しかし、その際に「通帳の振込明細に学校名が印字されていない」「教育資金として問題なく扱われるのか」と不安になる人も多いでしょう。ここでは、教育資金の贈与における税務上の扱いと、学校名の記載がない場合に税務調査のリスクがあるのかを詳しく解説します。
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目次
教育資金の贈与は、日常的な学費負担の範囲であれば非課税
まず大前提として、祖父母が孫の教育費を負担すること自体は、基本的に贈与税の課税対象とはなりません。
国税庁によると、贈与税がかからない財産として「直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの」と記載されています。ここでいう扶養義務者は直系血族を含むため、祖父母から孫への教育費も対象です。
つまり、400万円という金額が学費や入学金など、実際に教育のために必要な費用に充てられているのであれば、それ自体は課税されません。
通帳に学校名が印字されていないことは珍しくない
近年では、ネットバンキングやATM振込の仕様により、振込明細に学校名が印字されないケースは非常に多くあります。「振込名義人」「振込先名」が文字数制限などで省略され、学校名が表示されないのはよくあることです。
税務署側もこの事情は理解しているため、通帳に学校名が載っていないこと自体が「不自然」と判断される可能性は低いといえます。
重要なのは「教育費として使われたことを示せる証拠」
税務調査が行われるかどうかは、「明らかに不自然な資金移動がある」「所得に比べ生活水準が高すぎる」など、税務署が必要と判断する要素がある場合です。教育資金の振込だからといって、通帳の記載がきっかけで即調査に入ることは通常ありません。
ただし、念のため以下の書類は保管しておくと安心です。
・学費の請求書・振込用紙の控え
・合格通知や入学手続書類
・学校からの領収書
・授業料の案内など教育に関する支払い証拠
これらの書類があれば、400万円が確かに教育費に使われたことを説明できるため、問題視される可能性はほぼありません。
税務調査が入る可能性は高い?結論、通常はほぼゼロに近い
今回のケースでは、
・教育目的で使用している
・祖父母からの贈与である
・通帳の表記が学校名でないだけ
という状況から、税務調査に入られるリスクは極めて低いと考えて差し支えないでしょう。税務署が教育費の使途を細かく追及するのは、よほどの不自然さがある場合に限られます。
学校名の印字がなくても教育資金として問題になる可能性は極めて低い
祖父から教育資金として400万円を受け取り、それを学費に充てた場合、通帳に学校名が印字されていなくても大きな問題になることはありません。重要なのは「教育費に使ったことを証明できる資料の保管」であり、それさえそろっていれば税務調査の可能性はほぼゼロと言えるでしょう。
心配であれば、今後の支払いは「学校指定の振込用紙を使う」「学校名を入力して振り込む」などの工夫をすれば、さらに安心して手続きを進められます。教育資金の受け渡しは多くの家庭で行われている一般的な行為ですので、過度に心配する必要はないでしょう。
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
