一人暮らしをしている大学生の娘に、私の父が毎月3万円を振り込んでくれています。これって“贈与”とみなされて、贈与税がかかる可能性はありますか?

配信日: 2025.11.30
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一人暮らしをしている大学生の娘に、私の父が毎月3万円を振り込んでくれています。これって“贈与”とみなされて、贈与税がかかる可能性はありますか?
一人暮らしをしている大学生の娘さんに、祖父が毎月3万円を仕送りしている場合、税務上は「贈与」とみなされるのでしょうか。年間36万円であれば基礎控除110万円の範囲内に収まるため、問題はなさそうに見えます。
 
しかし、税務では金額だけではなく、送金の目的や使い方といった実態が重視されます。そのため、生活費や教育費の援助であっても条件によっては贈与と判断されることがあります。そこで本記事では、仕送りと贈与の違いと注意すべきポイントを解説します。
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年間110万円以内なら非課税? 基礎控除の仕組み

贈与税は、1年間に受け取った財産の金額が110万円を超える場合に課税されます。祖父から毎月3万円を受け取る場合は年間36万円となり、基礎控除の範囲であるため贈与税はかかりません。
 
さらに、直系尊属(両親・祖父母)から子・孫への仕送りが、生活費や教育費として通常必要な範囲の支援であれば、110万円を超えても贈与税の対象外になります。
 
したがって、「110万円以内だから非課税」と単純に考えるのではなく、支援の名目と実際の使用実態が生活費・教育費として適切であるかを確認することが重要です。
 

生活費・教育費なら非課税だが、使用実態が問われる

税法では、親族からの生活費や教育費として通常必要と認められる支出であれば、贈与税の対象外とされています。大学生の場合は家賃や食費、水道光熱費、教科書代などが該当します。
 
ただし、送られたお金が実際にこれらの費用に充てられていない場合は注意が必要です。例えば、「仕送りを貯金している」「名目と異なる支出に回している」「支出の実態が確認できない」といったケースでは、生活費の援助ではないと判断される可能性があります。
 
税務署は名目よりも実際の使用実態を重視するため、仕送りが生活を支えるためのものであることが証明できるように管理することが重要です。
 
さらに、名義預金にも注意が必要です。たとえ子ども名義の口座であっても、通帳やキャッシュカードを親や祖父母が管理していると、実質的に受贈者が自由に使用できないとみなされることがあります。こうした場合は、贈与未成立として親や祖父母が亡くなったときに相続財産とされるリスクがあります。
 

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贈与とみなされず安全に援助を続けるポイント

仕送りを非課税の生活費として扱ってもらうためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。特に、次の点を意識しておくとすると安心でしょう。
 

1. 使い道を明確にすること

生活費や学費に充てていることを、領収書などで説明できるようにしておくと安心です。
 

2. 口座は子ども自身が管理すること

名義預金とみなされないよう、通帳やカードは本人が管理しましょう。
 

3. 記録を残すこと

送金の目的や振込明細・領収書など支払いの記録を残しておくことで、後から説明しやすくなります。
 

4. まとまった金額を送る場合は事前相談をすること

必要に応じて税理士などの専門家に確認することで、仕送りが贈与と判断されてしまう事態を防ぐことができます。
 

非課税となる条件を正しく理解し、安心して援助を続けよう

祖父が孫へ毎月3万円を仕送りし、年間36万円であれば、基礎控除110万円以内であるため贈与税がかかることはありません。また、基礎控除の110万円を超える場合でも、生活費や教育費として通常必要な範囲で実際に使われていれば、そもそも贈与税の対象外として扱われます。
 
こうした仕組みを踏まえると、安心して援助を続けるためには、仕送りが実際に生活費や教育費に充てられていることや、資金を受け取る側が自分で口座管理を行っていることを確認しておくことが大切です。日頃から送金の目的や使い道が分かるよう記録を残しておけば、後で税務の扱いが不明確になる心配も抑えられます。
 
仕送りの実態を整えておくことで、将来的なトラブルを避けながら、家族間の支援を無理なく続けていくことができるでしょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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