父の遺品整理で、仏壇の引き出しから“封をしている遺言書”が。友人に「勝手に開けると5万円の罰金かも」と言われたけど、本当?

配信日: 2025.12.18
この記事は約 3 分で読めます。
父の遺品整理で、仏壇の引き出しから“封をしている遺言書”が。友人に「勝手に開けると5万円の罰金かも」と言われたけど、本当?
家族や親族が亡くなった後で遺言書が見つかった場合、何も知らずに開封してしまう人もいるかもしれません。
 
実は、遺言書は開封前にやらなければならない手続きがあります。そのことを知らずに開封してしまった場合はどうなるのか、確認しておいたほうがよいでしょう。
 
本記事では、検認手続きを申し立てる際の手順についてもご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

遺言書は勝手に開封してはいけない?

民法第千四条では、遺言書の検認の必要性について定められています。
 
検認とは、裁判所が遺言の状態や内容を記録する手続きのことです。遺言書の変造や隠ぺいを防ぐことを目的としています。
 
遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。そのうち、法務局の保管制度を利用した場合の自筆証書遺言と、公証役場で保管する公正証書遺言に限り、変造や隠ぺいの心配がないため、検認手続きは不要です。
 
そのほかの遺言書は裁判官立ち会いのもと、検認手続きをしたうえで開封する必要があるため、勝手に開封してはいけません。たとえ封がされていない遺言書であっても検認手続きが必要になるため、注意しましょう。
 

遺言書を勝手に開封してしまうとどうなる?

検認手続きが必要な遺言書を開封してしまった場合は、過料の対象になります。民法第千五条には「前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する」と記載されています。
 
過料は罰金とは異なり、違反者に制裁として科す金銭的負担のことです。そのため、前科にはなりません。
 
これは、検認が必要なことを知らずに遺言書を開封してしまった場合でも、知っていたうえでつい開封してしまった場合でも同様です。
 

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

封を開けてしまったときの対処法

誤って遺言書を開封してしまった場合、遺言書の内容が無効になったり、相続人でなくなったりすることはありません。開封後であっても検認手続きは必要なため、申し立てをしましょう。
 
ただし、民法第八百九十一条により、遺言書を見つけたことをほかの相続人に隠したり、破棄や改ざんをしたりした場合は、相続人としての権利を失うことになります。
 

検認手続きの手順

遺言書の保管者、または遺言書を見つけた相続人は、家庭裁判所に検認の申し立てを行います。
 
申し立てには遺言書1通につき800円分の収入印紙が必要になるため、印紙料を用意しておきましょう。そのほか、連絡用の郵便切手も必要です。郵便料は裁判所によって異なるので、事前に確認しておくと安心です。
 
また、遺言者や相続人の戸籍謄本などを提出する必要があるため、事前に何が必要なのかを調べ、必要書類をそろえておいてください。
 
検認の申し立てをすると、裁判所から相続人へ検認を行う日の通知がきます。当日は申立人が遺言書を提出し、出席した相続人の立ち会いのもとで裁判官が検認します。検認後は、検認済証明書の申請が必要になるため、遺言書1通につき150円の収入印紙と、申立人の印鑑を用意しておきましょう。
 

検認が必要な遺言書を勝手に開封すると5万円以下の過料が科される可能性がある

民法では遺言書の検認の必要性について定められています。自宅で保管している自筆証書遺言書や秘密証書遺言など、裁判所における検認が必要な遺言書を勝手に開封してしまうと、5万円以下の過料が科される可能性があります。
 
勝手に開封しても遺言書が無効になったり相続人としての権利がなくなったりすることはありませんが、開封後であっても検認手続きは必要です。家庭裁判所に検認の申し立てを行う際の手順や費用、必要書類などを事前に確認しておくとよいでしょう。
 

出典

デジタル庁e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五編 相続 第四節 遺言の執行(遺言書の検認)第千四条・ (過料)第千五条・(相続人の欠格事由)第八百九十一条
裁判所 家事事件 遺言書の検認
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問