祖母に「成人式の振袖代に」と“120万円”もらいました。もったいないので「レンタルでいい」と思うのですが、せっかくなら“購入すべき”ですか? お金が余ったら「贈与税」がかかるでしょうか?
しかし、実際に振り袖を着るのは成人式の当日だけというケースも多く、「もったいないからレンタルでいいのでは」という考えを持つ人も多いかもしれません。着物を購入する場合とレンタルする場合では、どのくらい費用が異なるのでしょうか。
本記事では、着物に関する費用の違い、また120万円を贈与された場合の税金について解説していきます。
ファイナンシャルプランナー2級
購入? レンタル? どちらがいいの?
振り袖の準備にかかる費用の相場はどれくらいなのでしょうか。「振り袖」とひとことで言っても、使われている生地や販売元のブランドによって、その値段はピンキリです。
購入の場合、振り袖そのものの価格は「20万円~100万円程度」と幅広いですが、帯や小物も含めたフルセットで「30万円~50万円程度」が一般的と言われています。レンタルの場合は、「10万円~30万円程度」が相場とされており、購入に比べてかなりコストが抑えられる傾向があります。
一昔前は、振り袖は購入することが一般的でしたが、実際に成人式で振り袖を着用する回数を考えると、レンタルで十分と考える人も多くいます。特に「成人式だけ」の使用を想定するなら、コストを抑えてレンタルにするのも経済的といえるでしょう。
ただし、購入には「自分サイズに仕立てられる」「家族や姉妹に譲れる」「記念として手元に残る」「将来的に留め袖に仕立て直すことができる」といったメリットもあります。
そのため、単純に費用で比較するのではなく、「購入かレンタルか」を選ぶ際には、使用頻度や将来どのように活用していくか、そして、保管やメンテナンスの手間まで考えて決めることが大切です。
120万円を贈与されたら税金は?
祖母から「着物の仕立て代」として120万円を贈与された場合、納税の義務はあるのでしょうか。
個人が贈与を受けた場合、1月1日から12月31日までの1年間で受けた贈与の合計額が基礎控除額の110万円を超えると、贈与税の申告が必要になります。つまり、120万円を受け取った場合、110万円の基礎控除を超えた分の10万円が課税の対象になるのです。
ただし、贈与のすべてが課税の対象となる訳ではなく、贈与の目的が「お祝い」で、その額が社会通念上相当と認められる範囲であれば、非課税となるケースもあります。
そのため、今回のように120万円の贈与の目的が「成人のお祝い」であれば、課税されない可能性があるのです。ただし、金額が明らかに大きい場合や贈与の目的が明確でない場合には、課税の対象となることがあることを覚えておきましょう。
レンタルにして余ったお金はどうしたらいいの?
祖母から贈与されたお祝い金を、「着物の仕立て」ではなく、「レンタル代」として30万円を使ったとしましょう。この場合、残りの90万円はどうしたらいいのでしょうか。
お祝い金の残りを、「成人のお祝い」から全くかけ離れた用途に使用すると、通常の贈与と同じ扱いとなり、非課税扱いにならないことがあります。
今回の場合、残りの額は90万円で110万円以下のため、課税対象になりませんが、ほかの贈与と合わせて110万円を超えた場合は、超えた額に対して課税となることがあるのです。
お金が余った場合は、祖母に返金する、祖母名義の口座に預ける、あるいはスタジオでの写真撮影など着物購入以外での「成人祝いにかかわる費用」として使うといったように、用途を明確にして使用しましょう。
お祝いの気持ちも、税と費用の仕組みも大切に
成人祝いとして祖母から振り袖代として120万円を受け取るというのは、とてもありがたい話です。しかし、費用と今後の使用頻度を考えたときに「購入するかレンタルにするか」ということも考える必要があるでしょう。購入すれば長く思い出に残せますが、レンタルを選べばコストを抑えることができます。
また、贈与という形で受け取った金額が大きければ、税金の問題も視野に入れましょう。レンタルにしてお金が余った場合には、「使途を明確にする」「返金や預け入れをして整理する」といった対応が必要になることも覚えておくようにしてください。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級