「学費として150万円渡したい」と義母から相談が! 夫は「贈与税はかからないでしょ」と言いますが不安です。“学費目的”なら本当に大丈夫なのでしょうか?
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目次
贈与税の基本ルールは「110万円」
まず知っておきたいのが、贈与税の基本です。原則として、1年間(1月1日~12月31日)に受け取った贈与の合計が110万円を超えると、超えた分について贈与税がかかります。150万円はこの基礎控除を明らかに超えるため、通常の贈与であれば課税対象になります。
「学費なら非課税」は本当?
一方で、税法には例外があります。それが、扶養義務者から生活費や教育費として必要な都度支払われるお金は贈与税がかからないというルールです。ここでいう教育費には、入学金、授業料、教材費、給食費、修学旅行費など、実際に教育のために必要な費用が含まれます。
つまり、「学費目的」であり、なおかつ条件を満たしていれば、110万円を超えても非課税になる可能性があるのです。
また、プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険株式会社が行った『おとなの親子』の生活調査 2023によると、親から金銭面の支援を受けたことがあると回答した人は約半数、約12%が子どもの教育資金を支援してもらったと回答しています。
非課税にするための重要な条件
注意したいのは、「学費と言えば何でもOK」ではないという点です。教育資金の非課税と認められるためには、主に次の条件が重要になります。
・教育に必要な実費であること
・必要なタイミングで、その都度支払われること
・受け取った人が自由に使えない仕組み(教育資金専用の口座や契約)であること
たとえば、「将来の学費に使ってね」と150万円をまとめて子や孫の口座に振り込むと、学費目的でも実質的には自由に使える贈与と判断され、課税対象になる可能性があります。
贈与税を避けるために知っておきたい「安全な渡し方」
もっとも安心なのは、義母が学校に直接支払う方法です。あるいは、授業料などの請求書が出たタイミングで、その金額分を都度受け取る形でもよいでしょう。その際、振込記録や領収書をきちんと残しておくことが大切です。後から説明を求められたときの証拠になります。
また、義母の立場から見ても「せっかく援助したのに税金がかかってしまった」という事態は避けたいはずです。そのため、受け取る側だけでなく、渡す側にも最低限の知識を共有しておくことが大切です。
「学費として直接支払ってもらう」「必要なときに必要な分だけ援助してもらう」といった方法を、感情的にならず冷静に相談できれば、家族関係を壊すこともありません。お金の話は切り出しにくいものですが、後々のトラブルを防ぐためにも、最初にルールを確認しておくことが結果的に全員の安心につながります。
教育資金一括贈与の特例という選択肢
「教育資金の一括贈与の特例」を使えば、最大1500万円まで非課税で贈与することも可能です。ただし、金融機関で専用口座を開設し、使途の管理や期限の制約もあります。150万円程度であれば、手軽に活用できる制度と言えます。
「学費なら大丈夫」は半分正解
「学費なら贈与税はかからない」という認識は、半分正解です。しかし正確には、渡し方を間違えなければ非課税になるというのが実情です。家族間のお金だからと油断せず、「どう渡すか」まで意識することが、後悔しないためのポイントと言えるでしょう。
出典
プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険株式会社『おとなの親子』の生活調査 2023
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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