母の死後「ずっと住んでたんだよ?」と、妹が“実家の相続権”を主張…都内駅チカなので、私も相続したいですが「50年住んだ妹」に譲るべきですか? 姉妹で調停することになるのでしょうか?

配信日: 2026.01.16
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母の死後「ずっと住んでたんだよ?」と、妹が“実家の相続権”を主張…都内駅チカなので、私も相続したいですが「50年住んだ妹」に譲るべきですか? 姉妹で調停することになるのでしょうか?
親が亡くなり、実家が相続財産の対象となるケースは珍しくありません。遺言書がない場合、法定相続人が決められた相続分を分け合うのが一般的ですが、話し合いによって決めることもできます。
 
本記事では、相続した実家に50年住み続けている妹が、相続権を主張してきたケースを取り上げ、譲らなければならないのか、自分も相続したいときはどうしたらよいのかを解説します。
藤岡豊

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

親が亡くなった場合に相続する財産

高齢になった親がいる場合、亡くなった際の相続が気になる人もいるでしょう。親が亡くなったときに相続する主な財産は、次のとおりです。
 

・金融資産:預貯金、株式など
・不動産:土地、建物など
・動産:自動車、貴金属など
・借金、未払いの税金などのマイナスの財産

 
相続と聞いて多くの人が思い浮かべる預貯金や住宅などは、もちろん相続の対象ですが、借金や滞納している税金なども対象となることに注意が必要です。プラスになる財産が数千万円あった場合でも、マイナスの資産のほうが多ければ、相続人が支払わなければなりません。
 
借金のほうが多かったときは、家庭裁判所で相続放棄をすれば、借金の支払い義務はなくなります。ただし、相続放棄は「すべての財産を相続しない」ことになるので、その場合はプラスの財産を受け取れません。このため、相続が発生したときは、まずすべての相続財産を調査する必要があります。
 
また、預貯金や株式などは相続で分けやすいですが、不動産は「住み続けたい相続人」と「売りたい相続人」がいた場合、もめるケースがあります。住んでいる人を追い出すのは難しいため、不動産は相続で対立しやすい遺産の1つです。
 

50年住んでいた妹に実家の相続権はあるのか?

相続した実家に50年住んでいた妹がいるケースで、「ずっと住んでいたのだから私に相続権がある」と主張された場合はどうなのでしょうか。前記のとおり遺言書が残されていない場合、法定相続人が民法で定められた割合で相続するのが一般的です。
 
しかし、不動産は預貯金のように、分割して相続するのが難しい遺産です。今回のケースでは、代償分割が一番わかりやすい相続の方法でしょう。代償分割とは、分割が難しい現物財産を相続する代わりに、ほかの相続人に現金などを支払って調整する方法です。
 
父親がすでに他界しており、今回母親が亡くなったケースで、姉妹2人が相続する場合は、それぞれが2分の1ずつで財産を分割します。3人いる場合は、3分の1ずつの割合です。
 
相続権を主張する妹に対して、「都内駅近なので自分も相続したい」と考えていた場合は、遺産分割協議をおこないます。遺産分割協議によって、相続人が同意すれば、自由に遺産を分けられます。
 
例えば、妹だけが「介護をしていた」「親の分も家事や洗濯をしていた」場合、姉の実家に対する相続割合は低くなる可能性があります。遺産分割協議では、遺産の分け方について話し合いをおこないますが、合意ができず対立するケースも珍しくありません。
 

どうしてももめる場合は調停

当事者間で遺産分割の話し合いが進まない場合、弁護士に第3者として間に入ってもらう方法があります。弁護士が間に入ることで、相続人それぞれが冷静になれるうえに、争点を整理してくれるため、スムーズに解決する可能性もあるでしょう。
 
弁護士に依頼しても話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。遺産分割調停では、調停委員が中立的な立場で話し合いに入り、相続人全員が合意できるような相続割合を目指します。仮に調停が成立しない場合は、裁判所が審判をおこない、内容を決定する流れです。
 
また、前記したように妹だけが「介護をしていた」「親の分も家事や洗濯をしていた」場合、裁判所に認められれば、妹はほかの相続人より多い割合で財産を分けてもらえます。
 
ただし、相続割合が決まったとしても、裁判所に調停の申し立てをした場合、姉妹の関係は悪化する可能性があります。基本的には話し合いで決めるのをおすすめします。親がせっかく残してくれた財産で、兄弟姉妹がもめないようにしたいものです。
 

まとめ

父親がすでに他界しており、母親が亡くなった場合の相続は、遺言書がなければ法定相続人が民法で定められた割合で分割します。納得がいかないときは、相続人による遺産分割協議をおこないますが、対立するケースも珍しくありません。
 
当事者間の話し合いで決まらない場合は、裁判所で割合を決めます。親が生きているのであれば、兄弟姉妹でもめないように、遺言書を書いておいてもらうのもよいでしょう。
 
執筆者 : 藤岡豊
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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