孫の進学祝いに祖父母が「4年間の学費の足しに200万円あげる」と言います。夫は「学費なら贈与税はかからないはず」と言いますが、本当に全額非課税なのでしょうか?

配信日: 2026.01.16
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孫の進学祝いに祖父母が「4年間の学費の足しに200万円あげる」と言います。夫は「学費なら贈与税はかからないはず」と言いますが、本当に全額非課税なのでしょうか?
孫の学費を援助したいという祖父母の気持ちはとても温かいものです。しかし、まとまった金額を贈与するとなると「贈与税がかかるのでは?」と不安になる人もいるはずです。なかには「学費だから非課税になる」と漠然と聞いたことがあるというケースもあるでしょう。
 
しかし日本の税制度では、どのような状況なら本当に贈与税がかからないのか、また例外的に非課税と認められる仕組みにはどんな条件があるのかを知っておくことが大切です。ここでは祖父母からの学費援助に対する贈与税の基本ルールと注意点を、分かりやすく解説します。
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贈与税の基本ルールは「110万円の基礎控除」

まず押さえておきたいのは、贈与税は受け取った財産に対して課される税金であり、日本では1月1日から12月31日までの1年間の贈与額の合計から110万円の基礎控除が差し引かれた額が課税対象になります。
 
つまり年間110万円以下であれば贈与税はかかりませんが、それを超える部分については贈与税が課されます。例えば同じ人から1年間に200万円を受け取った場合、単純計算では200万円−110万円=90万円に贈与税がかかります。
 
ただし、この基礎控除は通常の贈与に対する基本の仕組みであり、教育費などの目的がある場合には別のルールが適用されることがあります。
 

学費援助でも“そのまま贈与”すると課税対象になる

祖父母が孫に「200万円をそのまま現金で渡す」という形の贈与をした場合、それが教育費のためだとしても自動的に全額が非課税になるわけではありません。税法上は贈与者から受贈者への無償の財産取得として扱われるため、基礎控除を超える部分は通常通り贈与税の対象になります。
 
したがって、仮に祖父母から孫に200万円が1度に渡り、特別な制度を使わない場合、基礎控除を差し引いた残額には贈与税がかかる可能性があります。たとえその目的が学費支援であっても、特別なルールの適用がなければ単純に「教育費だから非課税」とはなりません。
 

教育資金贈与の特例(非課税制度)がある

教育費目的の贈与を非課税にする特別な制度として「教育資金一括贈与の特例」があります。これは祖父母や両親などの直系尊属から、教育資金に充てるための贈与を受ける際に一定条件を満たせば贈与税が非課税になる制度です。
 
対象となるのは、受贈者がその年に30歳未満である場合などの条件があり、金融機関等と契約を結んで教育資金の専用口座を作り、そこへ資金を入れることで初めて適用されます。非課税となる金額は、教育資金贈与として最大1500万円までとなっており、学校等に支払う授業料や入学金などが対象になります。
 
この制度を使えば、200万円という金額は非課税で贈与することが可能ですが、制度を利用するには教育資金管理契約の締結や専用口座の開設と申告手続きが必要です。また、支出した教育費用に応じて領収書などの証明を求められることもあります。
 

教育資金以外に贈与税がかからない場合もある

教育資金贈与の特例とは別に、税制上「扶養義務者から生活費や教育費として必要な範囲で直接支出された金銭」は非課税となるルールもあります。これは贈与ではなく、扶養義務の履行と見なされる支出に該当するためです。祖父母も直系尊属であり、孫の教育費の負担を扶養の一部とみなすことができるケースもあります。
 
ただしこの非課税扱いを適用するには、教育費として必要な都度に直接支払っていることが前提です。
 
つまり、祖父母が学費を支払うべき学校や教育機関に直接支払う形で援助する、あるいは必要な領収書などを保管して証明できることが求められます。単に現金を手渡して預金として残っている場合には、この扶養義務における非課税扱いの対象とはならない可能性があります。
 

まとめ 全額非課税というわけではない

夫が「学費なら贈与税がかからない」と考えるのは、教育資金贈与の特例や扶養義務に基づく非課税の考え方が背景にあるためですが、実際にはいくつかの条件を満たす必要があります。
 
特例制度を利用せず単に現金を贈与しただけでは、基礎控除を超える部分に贈与税がかかる可能性があります。制度を利用すれば非課税となるケースもあり、200万円程度であれば特例の対象範囲内で賄える可能性が十分あります。
 
ただし申告手続きや教育資金の専用口座の管理などが必要になるため、制度を利用する際には制度内容を正しく理解しておく必要があります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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