孫に大学費用「1500万円」を贈与すると、なぜか“贈与税366万円”が発生!「教育資金=非課税」のはずなのに、いったいナゼ!? 2026年度の税制改正で“注意すべきポイント”とは
しかし、与党が公表した2026年度税制改正大綱では、この教育資金の一括贈与に対する非課税措置を廃止する方針が示されました。制度が変わったことを知らずに贈与してしまうと、想定外の高額な贈与税がかかる可能性があり注意が必要です。
本記事では、教育資金の一括贈与の仕組みと制度改正の内容、非課税措置が廃止された場合の影響について解説します。
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
教育資金の一括贈与が廃止される?
教育資金の一括贈与とは、父母や祖父母などから、子や孫に対して教育のための資金を贈与した場合に、一定額まで贈与税が非課税となる制度です。教育目的であれば最大1500万円までが非課税となり、節税しながら多額の資金を一度に渡せる点が特徴です。
しかし、2026年度税制改正大綱では、この教育資金の一括贈与に関する非課税措置を2026年3月末で終了する方針が示され、2025年12月26日に閣議決定されました。2026年4月以降に行う贈与については、この非課税措置を利用できなくなる見通しです。
制度が廃止されると、贈与の目的が教育資金であっても通常の贈与と同じ扱いとなります。1年ごとに110万円までが贈与税非課税となる「暦年贈与」という制度を利用しても、基礎控除額である110万円を超える部分には、贈与税が課されることになります。
教育資金の一括贈与が廃止された場合、贈与税はいくらかかる?
非課税措置が廃止された後に1500万円を贈与してしまった場合、贈与税はいくらかかるのか試算してみましょう。
贈与税は、贈与された金額が多くなるほど税率が高くなる累進課税です。1年間に受け取った贈与額から基礎控除110万円を差し引いた金額に対して、段階的に定められた税率が適用されます。また、税率は贈与する相手や年齢によって以下の2つの区分があります。
・特例贈与財産用:父母や祖父母など直系尊属から18歳以上の子や孫に贈与する場合
・一般贈与財産用:上記以外の贈与の場合
今回は、18歳以上の孫への贈与として、特例贈与財産用の税率が適用されるケースを想定して試算します。
1500万円を贈与した場合、基礎控除110万円を差し引いた1390万円が課税対象となります。特例贈与財産用の税率表より、税率40%、控除額190万円をもとに計算すると、贈与税は約366万円です。
教育費の支援としてまとまった金額を渡したつもりでも、制度を知らなかっただけで数百万円単位の税負担が生じるため注意が必要です。
非課税措置終了をふまえて教育資金を準備しよう
教育資金の一括贈与に対する非課税措置は、「教育目的の贈与なら非課税」というイメージで知られてきた制度です。
しかし、2026年度税制改正大綱では、この非課税措置を終了する方針が示されています。2026年3月31日までに贈与した教育資金は非課税の対象となりますが、2026年4月以降については、通常の贈与として扱われる見通しです。
制度廃止後に贈与すると、金額によっては数百万円単位の贈与税が発生する可能性があります。教育資金だからといって安心せず、制度の適用期限を理解したうえで、贈与の方法やタイミングを検討しましょう。
出典
国税庁 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
財務省 令和8年度税制改正の大綱の概要
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
