息子に「アルファード」を“100万円”で贈与したら、「安すぎると」いう理由で贈与税が発生!? いくらなら税務署に指摘されないでしょうか?「低額譲受」について解説

配信日: 2026.01.19
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息子に「アルファード」を“100万円”で贈与したら、「安すぎると」いう理由で贈与税が発生!? いくらなら税務署に指摘されないでしょうか?「低額譲受」について解説
親が子に車を譲ること自体は親子間取引として珍しくありませんが、実はその取引には税務上の「落とし穴」が潜んでいることがあります。
 
例えば、中古車市場で圧倒的な人気を誇るアルファードは時価が高いため、低い価格で譲った場合、「不当に安い」と判断され、贈与税が発生する可能性があるのです。
 
本記事では、アルファードの市場価値と贈与税の基礎控除との関係を整理し、「いくらで売買すれば税務署に指摘されにくいのか」を解説します。
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知っておきたい「低額譲受」と贈与税の仕組み

家族間で金銭のやり取りがあった場合、その金額が「時価」に比べて著しく低いと、「低額譲受(ていがくじゅじゅ)」と判断されることがあります。
 
例えば、中古車市場で400万円の価値があるアルファードを、息子に100万円で売却した場合、差額の300万円が贈与とみなされます。贈与税には年間110万円の基礎控除がありますが、この「みなし贈与」の金額が控除額を超えると、受け取った側(息子)に納税義務が生じてしまうのです。
 
贈与税の対象額は「(時価-売買価格)-110万円」という計算式で算出され、時価400万円の車を100万円で譲渡した場合は、(400-100)-110=190万円となり、この190万円に対して贈与税が課税されることになります。
 
つまり、時価が210万円以下であれば100万円で売却したとしても課税される心配はありません。しかし、アルファードはリセールバリュー(再販価値)が非常に高いため、一般的な中古車と同じ感覚で価格を設定すると、この基準に抵触しやすい点に注意が必要です。
 

アルファードの「時価」を調べる方法

「時価」とは、現時点でその車を売却・購入した場合の客観的な市場価格を指します。中古車情報サイトの相場や、レッドブック(オートガイド自動車価格月報)などの指標を参考に判断します。
 
方法としておすすめなのは、買取店で実際に査定を受け、「買取価格」を把握することです。中古車の販売価格よりも買取価格の方が低くなる場合がほとんどのため、こちらを時価の根拠とするほうが、税務上は有利に働く傾向があります。
 
例えば、ネット上の販売価格が450万円で、買取査定額が380万円だった場合は、380万円を時価として計算するのが現実的でしょう。査定書などの「根拠となる資料」を残しておくことで、税務署からの問い合わせに備えることができます。
 

贈与税を回避するための「価格設定」

贈与税を発生させずにアルファードを譲渡するには、売買価格を「時価からマイナス110万円以上」に設定する必要があります。例えば、時価が300万円の車両であれば、190万円以上で売却すれば、贈与とみなされる金額が110万円以下に収まり、贈与税は課されません。
 
どうしても「100万円」という区切りの良い金額で譲りたい場合は、段階的な方法の検討が必要です。方法の一つとして、共有名義とし、一度にすべての所有権を移転させず、まずは持ち分の一部を譲渡する方法もあります。
 
また、100万円を現金で受け取り、残りの「時価との差額」は、年間110万円の範囲内で数年にわたって債務免除を行う方法もあるでしょう。
 
ただし、意図が明確な過度の分割と判断されれば、税務上問題視される可能性があります。マイナンバー制度の活用や金融機関の取引確認の強化により、家族間取引であってもしっかりチェックされている点には注意が必要です。
 

名義変更(移転登録)と保険の引き継ぎ

売買価格が決まり契約書を作成した後は、運輸支局での名義変更(移転登録)が必要です。家族間の取引であっても、譲渡証明書や印鑑証明書などの必要書類をそろえ、正式な手続きを行うことで、所有権移転を客観的に示すことができます。
 
売買契約書を作成し、銀行振込で代金を支払うことで、「実際に売買が行われた」という証拠を残すことが重要です。
 
また、見落とされがちなのが自動車保険の等級(割引率)の引き継ぎです。親子で同居していれば、親が保有している高い等級を息子へ引き継ぐこともできます。
 

家族間での車両譲渡は「時価」とのバランスが重要

アルファードを親から子へ100万円で譲渡する場合でも、時価が210万円以下であれば問題になる可能性は低いでしょう。しかし、高年式で市場価値が高い車両の場合は、「低額譲受」と判断され、贈与税の対象となる可能性があります。
 
まずは買取査定によって正確な時価を把握し、基礎控除110万円を意識した価格設定を行いましょう。根拠となる資料をきちんと残しておくことで、家族間取引であっても安心して手続きを進められます。
 

出典

国税庁 No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国土交通省 車を売買等により譲渡、譲受する手続き
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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