亡き父の相続財産「5000万円」…兄弟2人で相続するなら相続税はかかりませんか?

配信日: 2026.01.20
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亡き父の相続財産「5000万円」…兄弟2人で相続するなら相続税はかかりませんか?
相続が発生した際、まず気になるのが「相続税がかかるのかどうか」でしょう。相続税には「基礎控除」が設けられており、遺産の総額が一定額以下であれば、相続税はかかりません。ただし、この基礎控除は「相続人ごと」に適用されるものではなく、分割前の相続財産の合計額に対して計算される点に注意が必要です。
 
本記事では、亡くなった父親の相続財産が5000万円あり、兄弟2人で相続するケースを例に、相続税の基礎控除の仕組みと、相続税がかかるかどうかの考え方を整理します。
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相続税の基礎控除の仕組み

相続税は、被相続人が残した「正味の遺産額」が、基礎控除額を超える場合に課税されます。「正味の遺産額」とは、相続などによって取得した財産の価額と相続時精算課税の適用を受ける財産の価額の合計金額から、債務や葬式費用などの金額を差し引いて計算したものです。
 
国税庁によると、相続税の基礎控除額は次の算式で計算されます。
 
・3000万円+600万円×法定相続人の数
 
ここで重要なのは、基礎控除は相続人それぞれに個別に適用されるのではなく、遺産全体に対して一括で適用されるという点です。相続人が増えれば控除額は増えますが、あくまで分割前の遺産総額と比較して判断します。
 

兄弟2人で相続する場合の基礎控除額

今回のケースでは、相続人が兄弟2人です。この場合、法定相続人の数は2人となるため、基礎控除額は次のようになります。
 
・3000万円+600万円×2人=4200万円
 
つまり、「正味の遺産額」が4200万円以下であれば、相続税はかかりません。一方で、この金額を超えると、超過分が課税対象となります。
 

相続財産5000万円の場合の判断

亡くなった父親の相続財産が5000万円あり、仮に「正味の遺産額」も5000万円であった場合、基礎控除額4200万円を差し引くと、課税対象となる遺産額は800万円となります。
 
・5000万円-4200万円=800万円
 
このように、「正味の遺産額」が基礎控除を上回っているため、原則として相続税がかかる可能性があります。
 
相続税がかかるかどうかは、各相続人が実際に取得する金額ではなく、分割前の「正味の遺産額」と基礎控除額との比較で判断されるため、「兄弟2人で分けるから1人2500万円で基礎控除以下になる」という考え方は制度の仕組みとは異なる点に注意が必要です。
 

相続税の計算の流れ

相続税の計算は、定められたルールに基づいて段階的に行われます。基本的な考え方は次の通りです。
 

(1)相続などによって取得した財産の価額と相続時精算課税の適用を受ける財産の価額の合計金額から、債務や葬式費用、非課税財産を差し引く。
(2)(1)に、加算の対象となる暦年課税に係る贈与財産の価額を加算する。
(3)(2)から基礎控除額を差し引き、課税される遺産総額(課税遺産総額)を計算する。
(4)課税遺産総額に法定相続分を仮定して税率を適用し、相続税の総額を求める。
(5)法定相続分に基づいて算出した相続税の総額を、各人の実際の課税価格(実際の取得割合)に応じて按分し、それぞれの相続人が納める相続税額を計算する。
(6)配偶者控除などの各種控除を適用して最終的な納税額を計算する。

 
詳細な税率表は国税庁の資料を参照する必要がありますが、基礎控除を超えた部分に対して段階的に税率がかかります。
 

まとめ

相続税の基礎控除は、「相続人ごと」に適用されるものではなく、分割前の「正味の遺産額」に対して一括で適用される制度です。兄弟2人が相続人である場合、基礎控除額は4200万円となり、相続財産(正味の遺産額)が5000万円であれば、基礎控除を超える800万円が課税遺産総額として相続税の課税対象となります。
 
相続税がかかるかどうか、また実際の税額がいくらになるかは、財産の内容や評価方法、相続人の構成などによって異なります。判断に不安がある場合は、国税庁の公式サイトなどを確認したり、税務署や税理士などの専門家に相談したりしながら、制度を正しく理解して対応することが重要です。
 

出典

国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 財産を相続したとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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