親が亡くなり、生命保険金1000万円を受け取る予定です。どのような手続きが必要で、税金はいくらくらいかかるのでしょうか?

配信日: 2026.02.06
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親が亡くなり、生命保険金1000万円を受け取る予定です。どのような手続きが必要で、税金はいくらくらいかかるのでしょうか?
保険金を受け取る経験は、人生でそう多くありません。金額も高額になりやすいため、「手続きはどうすればよいのか」「税金はかかるのか」と不安に感じる方も多いでしょう。
 
本記事では、生命保険金を受け取る際の基本的な手続きと、税金の考え方について解説します。
福本知輝

福本FP事務所 代表、広島県相続診断士 会長、寺院コンサルタント

外資系金融機関を退職後、ファイナンシャルプランナーへ転身。資産運用・ライフプラン・相続・終活と、お客さまの幅広いニーズにワンストップで対応。ミドル・シニア世代、寺院のお客さまのアドバイスを得意とする。人生は一度きり、「今も将来もどちらも楽しむライフプラン」を提案する。

生命保険金を受け取るための基本的な手続き

まず行うのは、保険会社への連絡です。亡くなった事実が分かった時点で、親が加入していた保険会社または保険代理店に連絡します。担当者が分かっている場合は、直接連絡したほうが手続きはスムーズです。
 
保険証券が手元になくても問題ありません。ご家族からの連絡であれば、契約者の氏名や生年月日が分かれば、保険会社が契約の有無を調べてくれます。
 
その後、保険会社から「保険金請求書」などの必要書類が送られてきます。請求書に記入し、次のような書類を添付して提出するのが一般的です。
 

・死亡診断書(または死体検案書)のコピー
・受取人の本人確認書類のコピー(保険会社や保険金額によっては、印鑑証明書が必要な場合もあります)
・振込先口座が分かるもの

 
書類に不備がなければ、早ければ1~2週間程度で指定口座に保険金が振り込まれます。相続財産のなかでも、比較的早く現金化できる点が生命保険の特徴です。
 

生命保険金に税金はかかるのか?

生命保険金には、「相続税」「所得税」「贈与税」のいずれかがかかりますが、多くのケースでは相続税として扱われます。「親が契約者・被保険者で、子が受取人」という一般的な契約形態であれば、相続税の対象です。
 
相続税には、「生命保険金の非課税枠」が設けられています。その金額は、「500万円×法定相続人の数」(相続税法第12条5項)です。例えば、法定相続人が配偶者と子2人の合計3人であれば、「500万円×3人=1500万円」までの生命保険金には相続税がかかりません。
 
今回のように、受け取る生命保険金が1000万円であれば、この非課税枠の範囲内に収まるため、「生命保険金そのもの」に相続税はかからない可能性が高いでしょう。
 

注意したいポイント

生命保険金の非課税枠が使えるのは、「相続人が受け取った生命保険金」に限られます。相続人ではない人、例えば孫などが受取人になっている場合には、非課税枠は適用されません。
 
また、「生命保険金そのもの」に相続税がかからない場合であっても、それだけで相続税の判断が終わるわけではありません。預貯金や不動産など、他の相続財産と合算したうえで、相続税申告が必要かどうかを判断します。
 

FPから見た注意点

生命保険の契約は、必ずしも1件だけとは限りません。実際の相続実務の現場では、複数の保険会社に加入していた事実や、家族が把握していなかった契約が後から見つかるケースも少なくありません。
 
生命保険文化センター「2024年(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、世帯加入件数の平均は3.8件(世帯主1.7件)となっています。このことから、多くの世帯で複数の生命保険に加入していると考えられるでしょう。
 
保険証券が見当たらない場合でも、通帳の保険料引き落とし履歴や、保険会社から届いていた郵送物を手がかりに、ほかに契約がないか確認しておくことが重要です。
 
生命保険金は早期に受け取れるため、手続きが終わったように感じやすい財産ですが、相続全体のなかでの位置づけを整理しておくことが、申告漏れや後のトラブルを防ぐポイントです。
 

まとめ

生命保険金を受け取る際は、まず保険会社に連絡し、必要書類をそろえて請求することが第一歩ですが、ほかに保険契約がないかの確認は欠かせません。また、契約内容や保険料の負担者によっては、税金の扱いが異なる場合もあります。
 
保険金を受け取った後は、相続全体を見渡しながら、必要に応じて専門家へ相談することが安心につながるでしょう。
 

出典

国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
公益財団法人生命保険文化センター 2024年(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査
 
執筆者 : 福本知輝
福本FP事務所 代表、広島県相続診断士 会長、寺院コンサルタント

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