「相続税は資産家だけの話」と思ってましたが都市部のマンション価格が上がっていると聞き不安です。普通のサラリーマンでも相続税が発生するケースはあるのでしょうか?
相続税は現金がたくさんあるかどうかだけでは決まらず、評価された遺産の合計で決まるため、会社員世帯でも油断できません。ここでは、相続税がかかるラインの考え方と、マンションがある家庭で起きやすい落とし穴、準備の方向性をまとめます。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
相続税がかかるかは基礎控除を超えるかどうかで決まる
相続税は、相続や遺贈で取得した財産の合計が基礎控除を超えると課税対象になります。遺産総額から債務や葬式費用、非課税財産などを差し引いたうえで、基礎控除と比べる流れです。
基礎控除は法定相続人の数で増えますが、相続人が少ないと控除も小さくなります。たとえば、配偶者と子ども1人の家庭と、子ども3人の家庭では基礎控除が変わります。同じ財産額でも、相続人の人数で課税の有無が変わる点は押さえておきたいところです。
また、相続税は財産の名義ではなく、亡くなった人が実質的に持っていた財産が対象になります。名義預金と見なされるようなケースや、相続直前の資金移動があると、想定より課税対象が増えることもあります。まずは、財産を洗い出し、評価額ベースで概算するのが第一歩です。
マンションが相続税に効きやすいのは評価額が意外に大きいから
マンション価格が上がると不安になるのは、相続税の評価も上がるのではと思うからだと思います。
相続税の不動産評価は、売買価格そのものではなく、土地は路線価など、建物は固定資産税評価額などを基に算出されます。市場価格と評価額は一致しませんが、都市部では評価額も高くなりやすく、遺産の中で大きな割合を占めがちです。
特に注意したいのが、現金が少ない家庭です。遺産の多くが自宅マンションだと、相続税が発生しても、納税するための現金が足りないことがあります。
相続税は原則として現金で納めるため、納税資金が不足すると、預金を崩すだけで足りず、売却や借り入れを検討することになります。住み続けたい家を売る選択につながることもあるので、税額だけでなく資金繰りの視点が大切です。
会社員家庭がやっておきたい現実的な備え
備えの最初は、概算でもよいので遺産の評価額をつかむことです。預金、保険、不動産、株式、退職金見込みなどを並べ、債務も含めて整理すると、基礎控除を超えそうかが見えてきます。ここで「超えるかもしれない」と分かっただけでも、対策の検討に移れます。
次に考えたいのが納税資金です。たとえば、保険金には非課税枠があり、現金として受け取りやすい特徴があります。納税資金を確保する目的で生命保険を活用する考え方は、実務でよく使われます。
ただし保険も入れば自動的に得をするわけではないため、家計に無理がない範囲で設計することが重要です。
そして、遺産分割の方向性を家族で共有しておくことも効果的です。分割がもめると手続きが遅れ、申告や納税の段取りが厳しくなりがちです。相続税がかかる可能性がある家庭ほど、早めに話し合いのきっかけを作ると、精神的な負担も減ります。専門家へ相談する場合も、財産のメモがあるだけで話が早く進みます。
まとめ
相続税は資産家だけの話ではなく、遺産の合計が基礎控除を超えると会社員家庭でも課税対象になります。都市部のマンションは遺産の中心になりやすく、税額だけでなく納税資金が課題になりがちです。
まずは評価額ベースで概算し、足りない現金をどう確保するかを考えると、将来の選択肢が広がります。早めに準備しておけば、住まいを守りながら無理のない相続を進めやすくなります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー