親が持っている地方の土地は、ほとんど使い道がありません。相続したとしても売れずに固定資産税だけ払い続けることになりそうですが、どう扱うのが賢明でしょうか?

配信日: 2026.02.07
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親が持っている地方の土地は、ほとんど使い道がありません。相続したとしても売れずに固定資産税だけ払い続けることになりそうですが、どう扱うのが賢明でしょうか?
親の土地が地方にあり、使い道も買い手も見えないと、相続するだけで負担が増えそうに感じます。とはいえ、何もしないまま相続が発生すると、登記や管理の面で家族が困りやすくなります。賢い扱い方は、土地の状態を確認し、選択肢を並べて、優先順位をつけて動くことです。
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最初にやるべきは、土地の現状と負担を見える化すること

はじめに確認したいのは、土地が本当に売れないのか、そして今後どんな費用が出るのかです。感覚だけで判断すると、手放せたはずの土地を抱え続けたり、逆に売り急いで損をしたりします。
 
まず、市町村から届く固定資産税の納税通知書を見て、土地の評価額や課税標準額、税額を把握します。固定資産税は、市町村が提供する行政サービスとの関係を踏まえ、資産価値に応じて課税される税です。毎年の負担がいくらかが分かれば、売却や維持、国への引き取り申請などの判断材料になります。
 
なお、土地を持ち続ける場合は税だけでなく、草刈りや境界の確認、近隣からの苦情対応など、管理の手間も現実的なコストになります。空き地は放置されるほど周辺に悪影響が出やすく、自治体が対策に力を入れているのもこのためです。
 
次に、権利関係を確認します。名義が親のままで、相続が発生しても登記を後回しにすると、いざ売る、貸す、国に引き取ってもらうといった場面で一気に動けなくなります。
 
相続登記は義務化されており、期限内に申請しないと過料の対象になり得ます。相続が起きてから慌てないためにも、親が元気なうちに登記簿や境界、接道、地目、農地かどうかなどをそろえておくと、後の選択肢が増えます。
 

売れない土地でも、先に検討したい現実的な出口

使わない土地の出口は大きく分けて、売る、貸す、地域に寄せる、持ち続ける、のどれかです。
 
売却は、地元の不動産会社に一度査定してもらうだけでも価値があります。地方の土地は高く売れないことも多いですが、隣地の所有者にとっては価値が出ることがあります。境界がはっきりしていて、建物がなく、越境やトラブルがない土地ほど話が進みやすいです。
 
売れた場合、譲渡所得が出れば税金がかかります。土地の売却益は給与などと分けて計算され、所有期間などで税率の扱いが変わります。取得費が分からないケースもあるため、昔の契約書や領収書が残っていないか、早めに探しておくと安心です。
 
貸す場合は、駐車場や資材置き場、太陽光の用地などが候補になります。ただし、需要がある場所は限られますし、賃貸にすると契約や解約の段取りも必要です。短期で貸せる形にしておくと、将来に手放すときの邪魔になりにくいです。自治体や地域団体が関わる形で、菜園や緑地として活用する事例もあります。
 
国土交通省も、空き地の適正管理と利活用のガイドラインを公表しており、地域の担い手確保や転換の例が示されています。まずは自治体の窓口に相談し、地域のニーズがないかを確認すると、個人だけでは見えない出口が見つかることがあります。
 
寄付は魅力的に見えますが、受け取る側に管理負担が残るため、自治体が簡単に受け付けるとは限りません。寄付を考えるなら、受け入れ条件や手続き、境界確認の要否などを先に確認して、期待値を調整しておくことが大切です。
 

どうしても手放したいときの選択肢、相続土地国庫帰属制度

売れない、貸せない、寄付も難しい。そうした土地を相続した人のために、一定の条件で国に土地を引き取ってもらう制度があります。相続等で取得した土地の所有権を国庫に帰属させることについて申請し、審査に通り、負担金を納付すると国の土地になります。
 
ただし、何でも引き取ってもらえるわけではありません。建物がある土地、担保権がついている土地、境界が明らかでない土地、管理に大きな費用や労力がかかる土地などは、申請できなかったり承認されなかったりします。
 
申請時に手数料もかかります。制度は便利ですが、通すために事前の整備が必要になりやすい点が重要です。たとえば、境界があいまいなら測量が必要になることもあり、その費用が負担になる可能性があります。
 
この制度を使うかどうかは、土地の状態と、整備にかかる費用と時間を比べて判断します。ポイントは、最初から国庫帰属を目指すのではなく、売却や隣地交渉など他の出口を試し、それでも難しい場合の最終手段として位置づけることです。
 

まとめ 家族が困らない形にして、負担の小さい出口を選ぶ

地方の使いにくい土地は、相続すると税と管理の負担が続きやすい一方で、早めに情報を集めて動けば出口が増えます。
 
まずは納税通知書で負担を把握し、権利関係と境界、接道などを確認して、売却や隣地への相談、地域での活用の可能性を探すのが現実的です。それでも難しい場合は、条件を満たすかを見ながら相続土地国庫帰属制度を検討します。親が元気なうちに準備を始めるほど、家族の選択肢は増え、将来の悩みは小さくできます。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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