亡父が残した“5000万円”、年の離れた兄が「長男だからすべて自分がもらう」と遺産分割協議にも応じない姿勢…! 弟である私も“2500万円”を相続する権利がありますよね!?
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有効な「遺言書」がない場合は遺産分割協議が必要
有効な遺言書がない場合、まず民法で定められた相続人を確定し、そのうえで相続人全員による遺産分割協議を行い、誰が何をどれだけ相続するかを話し合って決めます。遺産分割協議とは、亡くなった人の相続人全員で遺産の分け方を話し合って決める手続きです。
相続人が子どものみで、配偶者など他に相続人がいない場合、民法上の法定相続分は子どもが遺産の全額を引き継ぎ、子どもが複数いれば原則として均等に分けるのが基本です。掲題のケースでは、相続人は子ども2人のため、半分の2500万円をもらえる可能性が高いでしょう。
しかし、相続人の一人が遺産分割協議に応じない場合、まずは内容証明郵便などで協議に応じるよう求める文書を送るのが一般的です。それでも相手が話し合いに応じない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。
調停でも話し合いがまとまらない、または相手が欠席し続ける場合、調停不成立となり、手続きは遺産分割審判へと移行します。遺産分割審判は家庭裁判所の裁判官があらゆる事情を考慮し、遺産の分け方を決定する手続きです。審判が下され、2週間以内に不服申し立てがなければ正式に審判が確定します。
なお、遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。相続人のうち誰か一人でも参加していない場合、その協議内容は法的に無効となります。
相続人が「遺留分」を侵害された場合は請求が可能
仮に、有効な遺言書があり「すべての財産を長男に相続させる」と明記されていたとしても、ほかの相続人の権利が完全になくなるわけではありません。
民法では、一部の法定相続人について、最低限の取り分として遺留分が保障されています。遺留分は、遺言の内容にかかわらず、法律で確保されている相続分のことです。子どもや配偶者の場合、法定相続分の半分が遺留分となります。
また、遺留分を持つ相続人が複数いる場合は、法定相続分の割合に応じて分け合う仕組みです。掲題のケースでは、遺留分(2500万円)を子ども2人で等分するため、1人あたりの遺留分は1250万円になります。
もしも、遺言によってこの遺留分が侵害されていた場合、遺留分を持つ相続人は、財産を受け取った相手に対して、不足分を金銭で支払うよう請求可能です。これを遺留分侵害額請求といいます。そのため、たとえ長男が遺言によりすべての財産を相続したとしても、次男は長男に対して、自身の遺留分である1250万円を請求することが可能です。
“争族”にならないための相続時の注意点
争族を防ぐポイントとして、以下の3つが挙げられます。
・遺言書を作成する
遺言書を作成しておくことで、誰がどの財産を相続するかが明確になります。
・家族で話し合う
親が健在なうちに、相続の考え方を共有しておくことも重要です。事前に意向を把握することで、誤解やトラブルを未然に防げます。
・専門家に相談する
相続人が多い場合やトラブルになりそうな場合は、税理士・司法書士・弁護士などの専門家に相談しましょう。
まとめ
有効な遺言書がない場合、遺産分割協議が必要です。遺言書に長男に全ての財産を相続させる旨が明記されていても、相続人には遺留分があるため、遺留分を侵害された場合は贈与・遺贈を受けた相手に対して請求できます。
争族を防ぐためには、遺言書の作成や家族での話し合いが重要です。トラブルになりそうな場合は専門家に相談して、早期解決を目指しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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