親が「新車300万円」の“シエンタ”を購入してくれました。少しずつお金を返しているのですが、借金の返済なのに“贈与税が発生する”って本当ですか? 返済時の注意点とは

配信日: 2026.02.21
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親が「新車300万円」の“シエンタ”を購入してくれました。少しずつお金を返しているのですが、借金の返済なのに“贈与税が発生する”って本当ですか? 返済時の注意点とは
手持ち資金が足りないときに、新車の購入代金を親が一括で支払ってくれれば、ローン金利を気にせずに済むためありがたいものです。しかし、そのような「肩代わり」は、税務署から「300万円のプレゼント(贈与)」と判断される可能性があります。
 
親子間のやり取りだからと安易に考えていると、突然贈与税の納付書が届くかもしれません。本記事では、親への返済を「借金」として正しく認めてもらうための条件と、具体的な対策を解説します。
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300万円の肩代わりは贈与? 年間110万円の基礎控除と贈与税の計算

贈与税には基礎控除があり、1人が1年間に受け取った贈与の合計額が110万円以下であれば、原則として贈与税はかかりません。しかし、車の購入代金として300万円を親が全額支払った場合、その時点で「300万円相当の利益を受けた」とみなされる恐れがあります。
 
贈与と判定された場合、課税対象額は300万円から基礎控除110万円を差し引いた190万円です。この190万円に対して贈与税率10%を適用すると、19万円の贈与税が発生します。
 
親に少しずつ返済していても、「贈与ではなく借金である」と客観的に証明できなければ、課税を免れるのは難しいでしょう。税務調査では、親子間の口約束は証拠として扱われません。
 

借入金として認められるための3つの条件

親からの資金援助を、「贈与」ではなく「借金(税務上は借入金として扱われる)」として認めてもらうには、第三者である税務署が見ても納得できる証拠が必要です。特に、次の3つの条件を満たしているかが重要になります。
 
まず1つ目は、「金銭消費貸借契約書(以下、借用書)」を作成していることです。借入日や金額、返済期限、返済方法を明記し、車を購入した時点で書面を作成しておく必要があります。
 
2つ目は、返済能力に見合った現実的な返済計画であることです。年収に対して返済額が不自然に多い場合や、完済時の年齢が極端に高齢になる計画は、形式だけの借金と判断されやすくなります。
 
3つ目は、利息の設定です。親子間であっても、無利子での借り入れは「利息相当額が贈与に当たる」と指摘される可能性があります。ごく低い利率でも構わないため、利息を設定しておくほうが安全です。
 

現金ではなく、銀行振込で通帳に返済記録を残そう

「親に会ったときに現金で返している」という方法では、返済の事実を証明できません。税務調査の場で口頭説明をしても、通帳に記録がなければ信ぴょう性を欠いてしまいます。
 
返済は必ず銀行振込で行い、親子双方の通帳に履歴を残すようにしましょう。例えば、300万円を毎月5万円ずつ返済すれば、60ヶ月(5年)の返済記録が通帳に残ります。
 
数年分にわたり毎月定額の振込みが確認できること自体が、「借金である」ことの証拠になります。振込名義に「車代返済」などのメモを入れておくと、さらに分かりやすくなります。
 
手間に感じるかもしれませんが、通帳は返済の領収書代わりになる重要な資料です。
 

今からでもできる立て直しの方法

すでに車を購入し、親が支払いを済ませている場合でも、対応が不可能というわけではありません。今からでも借用書を作成し、返済の意思を明確にしましょう。
 
過去の返済が現金のみだった場合は、金額や日付を記したメモや家計簿、日記などをできる限り集めます。そして、今後の返済方法は銀行振込に切り替えてください。
 
年間110万円の基礎控除を利用する考え方もありますが、車の購入代金の肩代わりは一括贈与とみなされやすいため、借入金として整理するほうが現実的です。
 

親の好意は法的な形式で守ろう

親による300万円の肩代わりは、対策を怠ると贈与税の対象になります。「借用書の作成」「無理のない返済計画」「銀行振込による記録」の3点を整えて初めて、借金として認められます。
 
家族間の信頼関係があるからこそ、あえて書面と通帳の記録を残すことが大切です。結果的に、親子双方を税務トラブルから守ることにつながるでしょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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