父が亡くなり、代わりに保険料を払ってくれていた生命保険の「返戻金」を受け取りました。名義は私なので、特別な手続きは必要ないですよね?

配信日: 2026.02.20
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父が亡くなり、代わりに保険料を払ってくれていた生命保険の「返戻金」を受け取りました。名義は私なので、特別な手続きは必要ないですよね?
相続が発生した際、それまで被相続人が代わりに保険料を支払っていた生命保険について、死亡保険金や解約返戻金を受け取るケースは少なくありません。とりわけ、契約上の名義が自分である場合、「自分名義なのだから特別な手続きは不要ではないか」と考える人もいるでしょう。
 
しかし、税務上は「名義」だけで判断されるわけではなく、契約者や保険料負担者が誰であったかが重要になります。本記事では、いわゆる「名義保険」の税務上の整理を解説します。
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死亡保険金・解約返戻金の税務上の基本

国税庁によれば、死亡保険金の課税関係については、その内容に応じて課税関係が異なり、契約者(被保険者)や保険料負担者、保険金受取人の関係により、相続税・所得税・贈与税のいずれかの対象となります。
 
一方、解約返戻金や満期保険金は、保険料負担者と保険金受取人の関係により、所得税・贈与税のいずれかの課税の対象となります。
 
例えば、被保険者が父親であり、保険料負担者も父親、保険金受取人が子どもである場合、被保険者である父親が亡くなった際に受け取る死亡保険金は相続税の課税対象となります。
 

「名義保険」で問題になる「保険料負担者」

いわゆる「名義保険」とは、保険契約上の契約者の名義と、実際に保険料を負担している人が異なるケースを指します。例えば、保険料を父親が支払い、契約者や受取人が子どもになっている場合などです。このとき、単に「名義が自分だから自分の財産」と考えることはできません。
 
前述の通り、父親が契約者(被保険者)、かつ保険料も負担していた場合、父親が亡くなった際の死亡保険金は相続税の対象となる「みなし相続財産」として扱われます。
 
一方で、契約者の名義と受取人が子どもであっても、実際の保険料を被相続人である父親が負担していた場合、その保険を解約して返戻金を受け取ると、父親から引き継いだ相続財産と評価される可能性があります。このように、生命保険の課税関係は「名義」ではなく、「誰が保険料を負担していたか」によって判断される点が重要です。
 

「名義が自分」でも手続き不要とは限らない理由

生命保険では、契約者や受取人の名義が自分であっても、それだけで税務上の確認や申告が不要になるとは限りません。課税関係は、契約書上の名義ではなく、契約者・被保険者の関係や、実際に保険料を負担していた人が誰であったかによって判断されます。
 
今回のケースにおいて、父親が亡くなった後に保険を解約して返戻金を受け取った場合でも、保険料を父親が負担していたのであれば、その資金は相続財産として評価される可能性があります。
 
この場合、「自分名義の契約だから特別な手続きは不要」とは直ちにいえず、相続税の申告対象となるかどうかを確認することが必要です。
 
名義と実際の保険料負担者が異なる場合には、相続税の申告が求められるケースもあるため、契約内容と保険料の負担状況を整理したうえで判断することが重要です。
 

まとめ

被相続人が保険料を負担していた生命保険について、解約返戻金を受け取った場合、契約上の名義が自分であっても、直ちに「特別な手続きは不要」とはいえません。生命保険の課税関係は、契約者や被保険者、そして実際の保険料負担者が誰であったかという実態によって判断されます。
 
契約名義が子どもであっても、保険料を亡くなった父親が負担していた場合には、解約返戻金が相続財産として評価される可能性があります。このため、他の相続財産と合算して相続税の申告が必要かどうかを確認することが重要です。
 
生命保険は「名義」で判断するものではなく、「誰が保険料を負担していたか」によって課税関係が決まります。契約書や保険料の払込記録などを確認し、相続財産全体の状況を踏まえて、必要に応じて専門家に相談することが、適切な対応につながるといえるでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1750 死亡保険金を受け取ったとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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