更新日: 2020.03.07 その他保険

保険加入時に病気の申告をしてなかった…。こんな場合、保険金は受け取れない?

保険加入時に病気の申告をしてなかった…。こんな場合、保険金は受け取れない?
病気やケガに見舞われたときに、金銭的に支えてくれる医療保険や共済。しかし、加入するときに持病や通院歴を正しく申告できていないと、大変なことになってしまうかもしれません。詳しく見ていきましょう。
 
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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保険加入時には「告知」が必要!

保険に入るときに、保険会社に今までの病歴や通院歴などを申告することを「告知」といいます。保険会社はその内容を確認して、その人の健康上のリスクを見極めています。
 
健康上のリスクが高い人だと判断とされると、その保険への加入を断られてしまったり、加入できたとしても「この部位だけは保障しない」など契約者にとって不利な条件付きになったり、保険料が高くなったりすることもあります。
 
保険は、さまざまな人(保険契約者)がお金を出し合って、その中の誰かに病気やケガ、死亡など万が一のことがあった場合、保険会社に集まっていたお金の中からその人に保険金を渡すという基本ルール(相互扶助の精神)にのっとって運営されています。
 
その仕組みの中で、特に多額の保険金を必要とする人がたくさんいると、払う人と受け取る人のバランスを保てなくなり、保険として成り立たなくなってしまいます。
 
一度決めた保険内容を、一度決めた保険料で問題なく長く運営していくためには、全体の健康上のリスク(保険金の支払いが発生するリスク)を一定に保つ必要があります。そのために、「告知」という制度が存在し契約者のリスクを把握しているのです。

「告知義務違反」!? 私は保険金を受け取れないの?

告知がきちんとできていなかった場合、保険に加入できたとしても、保険金を請求したときに想定した額の保険金が支払われない可能性があります。
 
実際に病気やケガの状態になって保険金を受け取ろうとしたときに、まず保険会社に保険金を請求するための書類を提出します。保険会社はその提出された書類はもちろんのこと、健康保険の利用記録のチェックもしています。
 
そのチェックで過去に病院に通っていたこともわかります。通院歴があるのに保険加入時に申告していなかったとなると「告知義務違反(本来告知が必要にもかかわらずしていなかった)」として、保険金が受け取れないだけでなく、その保険契約を解除されてしまうこともあります。
 
いざというときのために保険料を支払い続けてきたのに、そのときが来ても保険金は受け取れず、もちろん今まで払った保険料も返還されない。さらに、今後の保障もなくなってしまい、しかも病気発覚のためほかの保険に加入することもできない、という最悪の事態に陥ってしまう可能性もゼロではありません。
 
これでは何のための保険なのかわかりません。うそをついて黙っておくのはもってのほかですが、「書くのを忘れていた」も通用しません。そんな事態を避けるためにも、加入時の告知は漏れなく正しく、念には念を入れてしっかりと記入しておく必要があります。

漏れがないようきちんと告知しよう

例えば、保険会社や保険代理店の人から正しい告知をしないように言われて、そのとおりにした場合など、告知義務違反であっても悪質な保険事故に契約者が巻き込まれた場合には保険金を受け取れるケース、保険契約を解除されずに済むケースはあります。
 
また、あとから告知書に記入漏れがあったことに気付いた場合は、病気が発覚する前になるべく早く「追加告知」をしておきしましょう。保険会社や保険代理店に連絡すれば対応してもらえます。
 
また、もし過去に病気にかかったことがあって通常の保険には加入できないとしても、持病や手術歴のある方でも入れるように告知内容を最小限に抑え加入基準を緩和した医療保険や、告知がまったく必要なく契約することができる保険も存在します。
 
こういった保険は一般的に保険料が割高ですが、無理に通常の保険に加入しようとして保険金を受け取れないリスクを負うよりは、基準が緩和された「引受基準緩和型」や告知が必要ない「無告知型」を選んでおくと良いでしょう。いざというときに役立つよう適切に備えておきましょう。
 
(参考)
朝日生命「お客様から正しい告知をいただくにあたって」
生命保険文化センター「3.告知義務違反による解除の場合」
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表


 

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