2018.02.28 スペシャルインタビュー

人生100年時代のビジョンマップ:心もお財布も幸せに生きよう!

セゾン投信・中野晴啓社長に聞く①知って欲しい!産地直送の投資信託

Interview Guest : 中野晴啓(セゾン投信株式会社 代表取締役社長)

interviewer : 山中伸枝 / Photo : 新美 勝

Interview Guest

中野晴啓(セゾン投信株式会社 代表取締役社長)

中野晴啓(セゾン投信株式会社 代表取締役社長)

1987年クレディセゾン入社。セゾングループの金融子会社にて資産運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金運用のほか、海外契約資産などの運用アドバイスを手がける。
 
その後、クレディセゾンインベストメント事業部長を経て、2006年セゾン投信株式会社を設立。
 
現在2本の長期投資型ファンドを運用、販売しており、預かり資産は2,000億円を超える。また全国各地で年間150本以上の講演やセミナーを行い、積み立てによる資産形成を広く説き「積立王子」と呼ばれる。
 
公益財団法人セゾン文化財団理事、一般社団法人投資信託協会理事。
 
著書に『預金バカ』(講談社α新書)、『はじめての人が投資信託で成功するたった1つの方法 』(アスコム)他多数。
 

人生100年時代と言われるようになりましたが、果たして私たちはビジョンを持って「人生100年」を受け止めているでしょうか?

この対談企画では、様々な分野の方にお話しをお聞きし人生100年のビジョンを読者のみなさんと作り上げていきたいと考えています。

今回は、セゾン投信株式会社代表取締役社長中野晴啓様に人生100年時代の資産運用「直販投信」についてお話を伺いました。

セゾン投信とはどういう会社でしょうか

山中  セゾン投信は、投資信託の会社として知っている方も多いと思いますが、改めてどういう会社なのか教えてください。
 
—中野 セゾン投信は投資信託の運用会社です。営業開始は2007年。今年の3月15日で運用開始から丸11年になります。我々は、投資信託を作る会社なのですが、その投資信託を「直販」という形で投資家の皆さんに直接販売しているところが特徴です。
 
 運用会社っていうのは、投資信託のメーカーなんですね。ただ日本に6000本以上の投資信託が存在するのですが、メーカーは製品を作って小売り業者に流し、小売り業者が最終消費者である個人投資家に販売するという流れになっています。
 
 一方我々は小売業者を介さずに産地直送型、メーカーが直接投資家に手渡しする感覚です。まあ、道の駅で産直野菜が農家さんの写真と一緒に並んでいる、あの投資信託バージョンだと思っていただければいいと思います。
 
山中 顔が見えるって、とても大事なことですよね。
 
—中野 日本の投資信託の特徴のひとつは、運用者の顔が見えないところです。逆に言うと顔を隠しているんですね。投資信託を誰が作っているかということにお客さまがあまり関心を持たないのをいいことに、情報開示をずっと避け続けてきた業界なんです。
 
 これは、ひとつには、金融業界全体におけるヒエラルキーがあると思います。本来、銀行、証券、運用会社と並列の存在であるべきなんですけど、日本においては、20世紀から銀行、証券が圧倒的に上にあって、資産運用業界はまさに下請けなんですね。だから、非常に存在感が薄かったんです。
 
山中  そういった新しい「直販」スタイルを始めたからこそ、お客様との「対話」を大切にされているんですね。
 
—中野 そもそもこの資産運用業っていうのは、金融における大変重要な位置づけを持った産業であり、その産業は当然大きな社会的意義を持って存在しているのだから、我々自身が、お客様に直接信頼と安心を届ける社会的責務がある。この観点から、直接語り掛ける、そして直接渡すというところにこだわりました。
 
 投資信託は、運用会社の哲学と理念と専門性を持って、終わりがあるイメージで運用していくのであり、そこに対する理解と信頼をダイレクトにお客様と共有しなければ長続きしないと思いました。だから、顔をあえて出して、投資家それぞれと直接つながっていきたいなと。
 
山中  私、以前中野さんが、「直販をやる前は、運用のお金は投資をしてくださる方、ひとりひとりの大切なお金なんだってことを気付かなかった」っておっしゃっていて、すごく誠実な方だなと思ったんですね。そして、こういう方じゃないと、信頼できないなって思ったんです。
 
なぜかというと、私以前から投資信託って運用をプロにお願いしているはずなのに、運用者は運用成績を上げることだけで、私たちのことは全く見ていないなって距離を感じていて。中野さんのその言葉を聞いて、あっここが私がこれまで投資信託に感じていた違和感なんだって思ったし、セゾン投信さんは、本当に生活者の方、私たちのことを真剣に見てくださっていて、責任感じてくださっているんだなとすごく感動したことがあったんです。
 
—中野 まさに生活者目線で見ていただいた話だと思うんですけど、投資信託って、投資という行為を、信じて託すというものなんです。それを言葉の通り僕らは実践するという、原理原則に則った会社を作りたかった。その形態がいまビジネスモデルになっているわけです。
 

お客様の求めるものを理解している自負がある

—中野 今13万3000人の方に投資をして頂いていて、その7割が40代以下、そして、9割以上が50代以下です。そこから財産の保有金額って大体想像つくと思うんですけど、お金を持っている人がメインではない、むしろ、お金をまだ作ってない、これから作ろうとしている現役世代の人たちがメインのお客様です。20代も結構いますしね。
 
山中 基本的にみなさん積立投資ですよね。
 
—中野 そうです。僕らは11年前から、一貫して積立で投資をしてくださいと、とにかく積立投資が王道だと、このセリフをずっと言い続けてきました。そのことがいま大半のお客さまが積立投資家という事実に繋がってると思います。
 
今では積立投資イコールセゾン投信というイメージがだいぶ定着してきていると思います。ただ、長い間ずっと、積立は亜流と言われてきましたよね。積立投資を一生懸命にすすめている金融機関なんて見たことなかったですから。
 
山中  そうですよね、聞いたことなかったです。
 
—中野 ここ1、2年ぐらいです。業界の景色が変わってきて、金融機関が「つみたてNISA」のコマーシャルとかやるようになった。僕らのやってきたことは正しかったんだと思える瞬間でもありました。
 
山中 投資をしたことがない人って、積立が良いとか悪いとかの前に、投資信託に対して信頼がないんですよ。それって結局突き詰めていけば、どんな方が運用しているか分からない、顔が見えないし、多分向こうも私たちの顔を見にも来ないから、会ったことない人を信用しろって言ったって無理じゃないですか。でもここで「直販」が登場した。これはセゾン投信さんの一番の強みだし、パワーですよね。
 
—中野 実は社内でも、最初のころは投資家の方と居酒屋でビールを飲んで何やってるのって思っていたと思いますよ(笑) でも生活者の要求に答えること、あるいは、悩みや不安を解決するためのサービスの提供、これこそがビジネスの本質ですから、本質を理解してなくて、正しいアプローチができるわけがないですよね。
 
でも日本の既存の金融業界は、それを全くやってきてない。ですから、お客さんへの商品の提供っていうのも、全部業界側論理だけで出来上がってますから、これは完全に僕らにとっては、アンチテーゼなんですね。顧客の声を聞け、なんてどこの会社でも言いますけど、どうやって聞いているんだろう。一番簡単なのは一緒にビールを飲むことなんですよ。
 
山中 やっぱりそこ(笑)。
 
—中野 まあでも、ビールを一緒に飲んでいる方って、13万2000人のうちのほんの一握りですから、そういう意味では、僕らだって、お客様の心を全て把握できてるわけではないです。でもその努力を続けていることで、この金融業界の中で、最も深くお客様を理解している人間のひとりだという自負はありますね。
 
セゾン投信・中野社長に聞く②に続く

Interview/Text :山中伸枝 (やまなか・のぶえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)

人生100年時代のビジョンマップ:心もお財布も幸せに生きよう!

山中伸枝

interviewer:山中伸枝(やまなか のぶえ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)

株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役 
1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。メーカーに勤務し、人事、経理、海外業務を担当。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーとして、講演・相談・執筆を中心に活動。

新美 勝

Photo:新美 勝(にいみ まさる)

フリーランス・フォトグラファー

 

 

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