2018.06.11 暮らし

交通費申請しているルートとは別の運賃が安いルートで通勤 これって罪になる?

交通費を申請する方法は、会社によってまちまちです。住所と勤務地から、会社がルートを調べて算出することもあれば、自己申告制の場合もあるでしょう。
 
もし、申請したルートではなく、もっと安い金額のルートを使って通勤した場合、罪になるのでしょうか。また、差額を返還しないといけないのでしょうか。
 

通勤・通学時間の全国平均は1時間19分。関東圏は全体的に長い傾向

平成28年社会生活基本調査によると、通勤・通学時間の全国平均は1時間19分。都道府県別では、神奈川県が最も長く1時間45分。次に千葉県(1時間42分)、埼玉県(1時間36分)、東京(1時間34分)と続きました。
 
関東圏は東京まで働きに出る人が多いので、このような結果になったのではないでしょうか。移動時間が長い分、会社が支給する交通費も高いことが伺えます。
 
参考資料:総務省統計局「平成28年社会生活基本調査 生活行動に関する結果 結果の概要」
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou2.pdf
 

多少時間がかかっても、乗り換えが少ない、座れるルートが良い人も?

通勤において、通勤時間と併せてネックになるのが乗り換えです。
 
移動時間は短くても、乗り換えが多いルートだと疲労感がありますよね。特に朝のラッシュでは駅のホームや電車が混み合うため、乗り換えにも時間がかかります。
 
多少遠回りで時間がかかっても、一本で通勤できてラッシュを避けられるルートのほうが良いという人もいます。移動中座ることができれば本を読んだり、仮眠を取ったりと、時間を有効に使うこともできます。
 
さらに、路線によっては時間をかけて少し遠回りしたほうが、電車賃が安い場合もあります。
 
そうすると、通勤時間が短いルートを申請したにも関わらず、「乗り換えが嫌」「ラッシュが嫌」という理由で、通勤時間がかかるけれど座れて一本で来られるルートで通勤したくなることもあるのではないでしょうか。
 
少し早く家を出るだけで楽に通勤できますし、もし遠回りルートのほうが電車賃が安い場合、交通費の差額も手に入ってしまいます。
 
しかし、このように申請しているルートと実際に使っているルートが異なっており、差額が生じる場合、罪に問われることはないのでしょうか。
 

「通勤時間が短く、料金が高いルート」を申請したにも関わらず、「通勤時間がかかるが料金の安いルート」で通勤していることがばれた場合、罪になるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の池田理明弁護士にお伺いしました。

論理的には、刑法上は詐欺罪に該当しますし、民事上は不当利得を得たとして、差額分の返還をする必要があります。
 
ただし、これは交通費を実費支給している会社であることが前提です。
 
会社からの距離などに応じて一律支給されているような場合は、差額分を収受しても特に問題はありませんので、まずは、ご自身の会社の交通費の支給に関する規程を確認する必要があります。
 
交通費の支給に関する規程に違反して、本来、実費精算すべきところを虚偽の申告をして差額を収受しているような場合、上記の詐欺罪や不当利得返還義務の問題のほかに、会社から懲戒処分を受ける可能性もあります。
 

違うルートで通勤すると詐欺罪のほかに懲戒事由に当たる可能性がある。

会社で申請した通勤ルートよりも安いルートを利用していた場合、詐欺罪や懲戒事由に当たる可能性があることがわかりました。
 
毎朝の通勤が苦痛だと言う人もいるでしょう。申請とは違うルートのほうが、自分は通勤しやすいと感じることもあるかもしれません。
 
しかし、申請と違うルートを使って差額を手に入れているとばれたら、会社からの信用を失う可能性があります。このようなことを防ぐためにも、通勤ルートに希望がある際は、会社としっかり交渉することが大事ですね。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
 
Text:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/

IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応

FINANCIAL FIELD編集部

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池田 理明

監修:池田 理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

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