30代会社員の息子が「クレジットカード」の審査に落ちました。年収も「400万円」あるのになぜ?

配信日: 2025.01.20

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30代会社員の息子が「クレジットカード」の審査に落ちました。年収も「400万円」あるのになぜ?
クレジットカードを利用するためには、審査に通過する必要があります。正社員でそれなりの年収があれば、落ちることはないと考えている人もいるでしょう。
 
しかし、審査でチェックされるのは年収だけではありません。平均並みの年収があっても、審査に落ちる可能性も十分に考えられます。
 
今回は、年収400万円でクレジットカードの審査に落ちたケースを例に、その理由について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年収400万円で普通カードの審査に落ちた場合は、年収以外の要素が関係している可能性がある

クレジットカード申込者の年収情報は、ショッピング機能の利用限度額の計算に用いられます。計算結果が利用限度額の最低値を下回ると、審査に落ちる可能性が高くなります。
 
具体的な計算式は、次の通りです。
 
ショッピングの利用可能枠=(年収-年間クレジット債務(※1)-法律で定められた生活維持費(※2))×0.9
※1:向こう1年間のクレジットカード支払い予定額。申込先以外のクレジットカード情報も参照される。
※2:収入・生計を同一とする人(本人・別居者を含む)の人数や、住居形態で異なる。
 
割賦販売法施行規則によると、生活維持費の最大額は「収入・生計を同一とする人が4人以上」かつ「住宅ローン、または家賃支払いあり」の240万円です。また、普通カードの利用限度額の最低値は10万円が目安とされます。
 
上記の条件で年収400万円の場合、年間クレジット額が約149万円未満であれば、年収基準は満たせる計算です。もし、149万円未満にもかかわらず審査に落ちた場合は、年収以外の要素が関係していると考えられます。
 

審査に落ちた原因として考えられる4つのケース

具体的には、次のケースなどが想定されるでしょう。
 

【書類に不備があった】

申し込みの際に記入した情報に誤りがあると、本人確認ができない可能性があります。例えば、申込書に記載されている住所と、身分証明書に記載されている住所が違う場合などです。
 
とくに、勤め先の連絡先に誤りがあると、在籍確認(申告した勤め先に電話をかけ、申込者が在籍していることを確認すること)を完了できない可能性があります。在籍確認を行わないカード会社もあるようです。
 

【過去に金融事故を起こした】

度重なる滞納や自己破産などの金融事故を起こしたことがあると、信用情報に「異動情報」が記載されている可能性があります。そのため、過去の金融事故は、カード会社に把握される可能性が高いです。異動情報が残っていると、カード会社の信用を得ることは難しいでしょう。なお、異動情報が消えるまでには、金融事故から5年程度がかかるようです。
 

【お金に困っていると判断された】

支払い能力を上回る借入金を抱えている場合は、滞納のリスクが高いと判断される可能性があります。なかには、複数のカード会社に同時に申し込んでいることで「お金に困っている」と認識されるケースもあるようです。
 

【クレジットカードの利用実績がなかった】

クレジットカードやカードローンの利用実績がなければ、その人の信用性を判断できません。クレジットカードの審査では、信用情報が一定以上蓄積されており、かつ傷が少ないことが重視されると考えられます。
 
クレジットカードの利用の可否は、年収を含むさまざまな信用情報から総合的に判断されると認識しましょう。
 

クレジットカードの契約率は約75%

「クレジットカードの審査に落ちる確率はどれくらいだろう」と疑問に感じた人もいるかも知れません。一般社団法人日本クレジット協会の「クレジット関連統計」によると、2019~2023年のクレジットカードの年間入会申込件数と契約件数は、表1の通りです。
 
表1

期間 入会申込件数(a) 契約件数(b) 契約率(b÷a×100)
2019年1~12月 3362 2559 約76%
2020年1~12月 2799 2067 約74%
2021年1~12月 3141 2363 約75%
2022年1~12月 3587 2699 約75%
2023年1~12月 3871 2874 約74%

出典:一般社団法人日本クレジット協会「クレジット関連統計」を基に筆者作成
 
契約率はおおむね75%前後であり、裏を返せば、約25%が契約に至っていない計算です。
 
以上を踏まえると、クレジットカードに申し込む際は、審査を通過するためのポイントをおさえることが大切といえます。具体的には、次の点を意識するといいかもしれません。

●申し込み情報を正確に記入する
●複数のカード会社に申し込む場合は、時期を分散させる
●キャッシング枠(借入枠)を0円にし、審査のハードルを下げる
●借り入れがある場合は、クレジットカードの申し込み前に返済を済ませる
●金融事故から5年ほどを置く
●利用実績がない場合は、携帯電話の分割払いなどで実績を作る

 

クレジットカードの審査では年収以外の情報もチェックされる

クレジットカードの審査では、年収を含むさまざまな信用情報が参照され、総合的な判断が行われるようです。高収入は審査で有利に働くと考えられますが、確実に通過できるとは限らないでしょう。
 
クレジットカードに入会を申し込んだ人のうち、四人に一人は契約に至っていないというデータもあります。審査でマイナスに響く要素に心当たりがある場合は、通過するためのポイントを確認しておくといいでしょう。
 

出典

一般社団法人日本クレジット協会 クレジット関連統計 1年間の申込・契約・解約状況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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