突然特急や急行が止まることになった千葉の「運河駅」ってどんなところ?
配信日: 2019.10.22
ところが、東武アーバンパークラインにある小さな駅「運河駅」が2017年より特急停車駅となり、さらに2020年からは急行停車駅になるとのことで、あまり耳慣れぬこの小さな駅がクローズアップされています。駅の周りは……。あんまり何もありません。もちろん乗換駅でもありません。
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
特急が郊外の小さな駅に止まるようになった
まず東武アーバンパークラインという路線ですが、埼玉県の大宮駅と千葉県の船橋駅を結ぶ路線で、正式名称は東武野田線です。地元の人には「野田線」という方がなじみ深いかもしれません。
春日部駅、流山おおたかの森駅、柏駅などを経由し、このエリアの住民にとっては便利で大事な足ですが、首都圏に住んでいても乗ったことがないという人がいるのではないでしょうか?
その中でも千葉・流山にある「運河駅」。自然が豊かなところです。近くに東京理科大などがあり、東武鉄道によると一日平均2万人ほどの乗降客がありますが、駅前に目立った施設はありません。
小さな駅といっていいでしょうが、2017年4月のダイヤ改正により、この駅が「アーバンパークライナー2号」という特急の停車駅となったのです。
「アーバンパークライナー2号」は大宮駅を22時43分に発車し、春日部駅まで特急料金で走ります。そしてそこからは普通料金で各駅に停車し、その終着駅がこの運河駅になったのです。ですから正確にいうと、「特急が各駅停車に変わり、その最終駅になった」わけで、運河駅には23時28分に到着します。
そして東武鉄道は2020年3月のダイヤ改正で、新たに運河駅から船橋駅方面に急行運転を開始すると発表しました。そうすると、今まで運河駅から船橋駅まで49分かかっていたのが15分短縮され34分になるとのことです。ここでも運河駅はキーポイントです。
家賃は比較的安いかも
それでは、この運河駅の生活というものはどんな感じでしょうか?近くに利根運河が流れ、公園も多く、自然が豊かなことは間違いありません。しかし自分が歩いてみた限りでは都市銀行は見当たらず、金融機関は郵便局かコンビニ、JAを利用することになるのでしょう。
スーパーやドラッグストアはありますが、駅前に集中しているわけではなく、車やバイク、少なくとも自転車は必要でしょう。お洒落なカフェとかは見当たらず、若い人が一人暮らしするにはちょっと物足りないかもしれません。遊びや買い物に行くときは大宮や柏に出ることになるのでしょう。
大手賃貸住宅のサイトで、この運河駅から徒歩圏15分以内のアパート、マンションのひと月当たり家賃を調べ、「運河」と「大宮」を比較してみました。
※詳細な調査に基づくものではなく、あくまでも筆者の主観による感覚値であることをお断りしておきます。
■運河駅(東武アーバンパークライン)
・ワンルーム向けと思われる賃貸物件
18平方メートル程度 3万円台が中心(ひと月当たりの家賃:以下同)
30平方メートル程度 5万円台が中心
・ファミリー向けと思われる賃貸物件
50~60平方メートル程度 築浅でも7~8万円台が中心。築年数が古いなど条件を選ばなければ5~6万円台、あるいはもう少し安い物件も散見されます。
では、人気のエリア大宮駅周辺と比較して見ましょう。
■大宮(JR・東武アーバンパークライン含むその他路線)
・ワンルーム向けと思われる賃貸物件
18平方メートル程度 6万円台が中心。探せば5万円台もあるかな? という感じ
30平方メートル程度 8万円台が中心。探せば7万円台もあるかな? という感じ
・ファミリー向けと思われる賃貸物件
50~60平方メートル程度 築浅のしっかりしたタイプだと12~3万円が中心。築年数が古く条件を選ばなければ8万円台の物件も散見されます。
一人暮らしの物件は、運河駅周辺は(大宮に比べて)かなり安いようです。ファミリータイプでも賃料はけっこう下がるようです。
まとめ
郊外の自然豊かなところで暮らしたい人には、こうして都心から離れたエリアの交通網が充実していくのは朗報かもしれません。まずは自分の目でエリアの雰囲気や自分との相性を調べてみてはいかがでしょう。
出典
東武鉄道株式会社「東武アーバンパークライン全線(大宮~船橋間)で急行列車の運転を開始」
東武鉄道株式会社「駅情報(乗降人員)」
執筆者:藤木俊明
副業評論家