更新日: 2020.01.23 家具・片付け
片づけの美学60 人気の片づけ方法で挫折。そんなあなたに贈る、次の一手
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
目次
人気の片づけ方法で失敗するワケ
有名な片づけ方法で挫折してしまったのは、片づけ方法が悪いわけではありません。かといって、あなた自身が悪いわけでもありません。失敗したのは、「片づけ成功! と思えなかったこと」が、最大の理由だと思います。
なぜ片づけが成功したと感じなかったのか
片づけが成功したと感じなかった理由は、2つあります。
理由の1つ目は、片づけた場所が、「劇的な変化」をしなかったからです。片づけをしても、乱れた状態から、スッキリ美しい状態へ、まるで場面が切り替わるような派手な変化はありません。
片づけとは、本来とても地味で、作業した本人にしかわからないこともある、写真映えしない作業です。ところが、テレビや雑誌では「こんな乱れた状態が」→「あら、こんなに美しい状態へ大変身!」と、ビフォー&アフターを散々紹介しています。
見ているほうは、この場面の切り替わりの衝撃が忘れられず、片づけとはドラマチックな変化のあることだと思い込んでしまうのではないでしょうか。
片づけても、片づけても、イメージする美しい自宅にはならない。だんだん片づけをすることに疲れてくる。続ける気力がなくなる。といういきさつで、片づけを続けるのがつらくなってくるのが想像できます。
理由の2つ目は、片づけに完了・完成がないことを「知らない」ことです。生活している限り、モノは増えるし、乱れたりもします。せっかく整えた場所がまた乱れてしまうことだって、よくあります。
片づけには、完ぺきも完成もありません。毎日、地道に続けていく家事の1つで、生活している限り終わりがないのです。だから、片づけてもきりがないのは、当たり前のことなのです。しかし当たり前すぎて、あまり教えてもらえません。だから、終わりがないことに疲れてしまうのも想像ができます。
テレビや雑誌は、「過程」をカットしていることが多い
テレビや雑誌で紹介されているビフォー&アフターの写真は、「すごい!」「こんなふうにしたい」と思いますよね。あの写真や映像を作るために、たくさんの人が長時間かけて、片づけ作業をしているはずです。そして、片づけている過程は早送りだったり、省略されていたりします。
片づける作業は、とても迷うし、悩むし、体力的にも疲れます。しかし、そのことがカットしてあることが多いので、見る側は紹介している方法を実践すれば、すんなりスッキリできると感じますよね。
次の一手(1) 細く長く続ける
片づけには、長期計画がぴったりの作戦です。少しずつでも、続けることが大切です。片づけの成果は地道で目立たないことだけど、自分自身がスッキリして、気持ちがなんだか前向きになります。家が少しずつきれいになることが、片づけなんだと自分が信じていれば、続けることができると思います。
次の一手(2) 習慣を変える
片づけ方法を実践してモノを減らしても、これまでどおり買い物をしていては、いずれモノが増えた状態に戻ってしまいます。新しくモノを増やすときは、「本当に必要かな」と考える習慣を持つのもポイントです。消耗品ではなく、なくならないモノは特に注意して吟味するようになると、節約にもなるので一石二鳥です。
もう一度、以前の片づけ方法を
続かなかったと諦めるよりも、もう1回チャレンジしてみませんか。今度は続けることを目標に加えてみてくださいね。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表