住宅ローンの借換先はどう選べばいい? 比較する際のポイントや注意点を解説!

配信日: 2020.12.03 更新日: 2021.02.12

この記事は約 6 分で読めます。
住宅ローンの借換先はどう選べばいい? 比較する際のポイントや注意点を解説!
住宅ローンの借り換えを行おうとしても、借換先の選定にあたり、何を基準にするべきかわからないままでは前に進むことはできません。今回は、住宅ローンの借換先を選ぶ際のポイントのほか、借り換えで後悔しないための注意点についても解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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住宅ローンの借り換え、どこを比較すればいい?

住宅ローンの借り換えにおいて、一番のチェックポイントは金利です。今よりも低い金利で借り換えを行うことで、総返済額を減らすという目的があってのことですので、当然といえるかもしれません。
 
ただ、金利のタイプによって比較するポイントが異なることを忘れないようにしてください。例えば、変動金利から変動金利、もしくは固定金利から固定金利など、同じ金利プランにて借り換えを行う際のチェックポイントは、「金利」と「事務手数料」のみです。
 
しかし、異なる金利プランへの変更が伴う借り換えの場合は、次に挙げるポイントをしっかりと押さえておくことが大切です。
 
・変動金利から固定金利への借り換え
固定金利の場合は変動金利よりも金利が高いことが特徴です。しかし、現在の低金利のメリットを享受したい、そして将来の金利上昇リスクを避けたいという思いから、多少金利が高くても固定金利で借り換えたいと思われる人も多いでしょう。
 
金利が高くなる分、総返済額が高くなることは否めませんので、このようなケースでは保証料などの諸費用ができるだけ低く、かつ将来の金利上昇を考慮したうえでの総返済額を比較することがポイントとなります。
 
・固定金利から変動金利への借り換え
変動金利への借り換えの場合は、現在借りている住宅ローンが固定金利であれば、ほぼ確実に総返済額を減らすことができます。それだけ変動金利のほうが金利が低いということを表しているといえます。
 
しかし、変動金利に変更するということは、将来における金利上昇リスクを考えなければならないということです。したがって将来の金利上昇がどのくらいになるかを予測し、そのうえで総返済額を算出して比較することがポイントです。
 
また、現在変動金利プランのうち「固定期間選択型」を利用している人は、原則として固定金利の期間が終了した後は変動金利へ移行されることになります。もちろん今後のライフイベントを考慮し、再度固定期間選択型を選ぶこともできますが、その時点での適用金利をきちんと確認しておくことが大切です。
 
固定期間終了後はかなりの金利アップにつながるケースもみられることから、固定期間選択型を利用しており、その期間が終わった際には、どの金利プランに変更するかもあわせて、借り換えも検討するようにしてください。
 

借り換えで後悔しないために、事前にチェックしておきたいこと

せっかく借り換えを行うのであれば、後悔はしたくないですよね。そのために事前チェックを怠らないようにしましょう。チェックポイントは以下のとおりです。
 

1.焦らずにじっくりと時間をかけて考える

店頭や公式サイトで表示されている金利を見て、今すぐにでも借り換えたい、もしくは、借り換えなければと焦る気持ちもあるでしょう。しかし、借り換えといっても大きなお金を再度借り入れることには変わりませんので、慎重に検討する必要があります。
 
決して勢いで借り換えるようなことはしてはいけません。事前にさまざまな金融機関の情報を取り入れるとともに、どれが自分に最も合っているのかを検討しましょう。
 
さらに、不明な部分についてはコールセンターに問い合わせるなどして、きちんと解決しておくことも大切です。特に借り換えの際には、新規借り入れの際と同様に審査もあります。自身の収入が新規借り入れの時と比べて減少していないかどうか、また直近で転職を行っていないかもチェックしておきたいポイントです。
 
あわせて、これまでの信用情報に問題がないかどうかも確認しておきましょう。
 

2.借り換えの際には複数の金融機関で検討する

借り換えの効果を事前にチェックすることは必須です。したがって、複数の金融機関のサイトにて借り換えの際のシミュレーションを必ず行うようにしましょう。
 
その際には諸費用がどのくらいかかるのか、そしてそれを借り換え後のローンに組み入れることができるのかも確認しておきましょう。一時的にでも出費が発生することで、家計に負担がかかるようなことがないように、用意すべき部分については余裕をもって準備しておくことが大切です。
 

3.借り換えの際の条件を事前に確認しておく

借り換えの条件は金融機関によって異なります。金融機関によっては年収や勤続期間などの条件が厳しいところもありますので、条件については必ず事前に確認し、自分がその条件をクリアしているかどうかもチェックしておく必要があります。
 
さらに、団体信用生命保険への加入についてもきちんと考えておく必要があります。加入できる健康状態であるかどうかはもちろんのこと、現在加入している生命保険との保障がかぶることのないような、団体信用生命保険のプランを選ぶようにしましょう。
 

4.住宅ローン控除の適用期間が残っている場合は借入期間に気を付ける

住宅ローンの借り換え後、引き続き住宅ローン控除の適用を受けようと思っている場合は、その要件の1つである、借入期間が10年以上であることを満たす必要があります。借り換えの際にできるだけ早く返済を終わらせたいからと、借入期間を10年未満にしてしまうと、せっかく残っている期間の住宅ローン控除を受けることができなくなります。
 
住宅ローン控除の適用期間が残っている場合は、借り換え後の住宅ローンの借入期間にも注意しておきましょう。
 
借り換えで後悔しないためには「焦らずに時間をかけてじっくり考えること」が大切です。そのためには、適用金利や諸費用を含めたシミュレーションを必ず行うようにしてください。そして必要があれば、借り換えの候補となっている金融機関の窓口などでしっかり話を聞くことも重要です。
 
特に金融機関の条件には、その金融機関の口座の作成が必要となるなど、借り換え以外に手間がかかるケースもあります。
 
もちろん、その口座を今後も活用できるのがベストですので、現在保有している口座の利用を含め、総合的にメリット・デメリットを比較してみても良いかもしれません。口座を新たに作る必要がある場合については、今後住宅ローンの返済以外にその口座を活用できるかどうかも視野に入れて、検討するようにしてください。
 

まとめ

住宅ローンの借り換えを行う際には必ず諸費用が発生しますし、新たな審査を受ける必要があります。1回目の借り換えであれば、それも仕方ないかと思うかもしれませんが、2度目以降の借り換えの場合にもほぼ同様に諸費用がかかりますので、結果的に本当に返済額の削減効果があるのかと疑問が生じる場合もあるでしょう。
 
そのような状況であれば、まずは現在借り入れている先の金融機関に相談してみましょう。場合によっては、金利の引き下げなどの要望に応じてくれる可能性があります。
 
借り換えの際の相談先はたくさんありますので、まずは自分に合った相談先を選んで検討することです。そして、自分の納得する金融機関のプランを選んで借り換えを行うようにしてください。
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員


 

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