住宅ローンの借り換えをしたい…。借換先の探し方と必要な手順を紹介!

配信日: 2020.12.10 更新日: 2021.02.12

この記事は約 6 分で読めます。
住宅ローンの借り換えをしたい…。借換先の探し方と必要な手順を紹介!
住宅ローンの借り換えをしたいけれど、どこに借り換えたらよいか分からない、というケースも多いでしょう。ネット上の情報だけを頼りに申し込むのは危険ですし、かといって誰に相談したらよいのか悩ましいところです。
 
そんな方の参考にしていただくために、自分に合った借換先の探し方や、必要な手順について紹介します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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住宅ローンの借り換え、お得になる目安って?

一般的に、住宅ローンの借り換えにおいて確認すべき項目は3つあります。
 
まず、現在借りている住宅ローンの金利はどうなっているか、そして住宅ローンの残高は今どのくらい残っているのか、最後に返済完了までの期間はあとどのくらいかです。そして、借り換えを行う際に得になる目安としては
 

得になる目安
  • 借り換え前と借り換えた後の金利の差が1%以上あること
  • 住宅ローンの残高が1000万円以上あること
  • 住宅ローンの返済期間が残り10年以上あること

 
といわれています。
 
もし、ご自身が住宅ローンの借り換えを検討しているのであれば、まずこの目安をクリアしているかどうかを確認することが大切です。もちろん、この目安をすべてクリアする必要はなく、1つでも当てはまっているのであれば、借り換えを行うことでお得になる可能性はあります。
 

住宅ローンの借換先はどうやって選べばよい?

住宅ローンの借換先を選ぶポイントとして、多くの人が注目するのは金利でしょう。最近では0.5%を下回る低金利で提供する住宅ローン商品も見られるようになりました。
 
しかし、公式サイトなどで表示されている金利の数値をうのみにしてはいけません。多くの金融機関が打ち出しているのは、最低金利です。その金利の適用を受けるために一定の条件をクリアする必要がある金融機関も多く存在することから、数字だけでなく、自分が申し込んだ際に、本当にその金利の適用を受けることができるのかどうかを考えるようにしてください。
 
次に確認しておきたいポイントは、借り換えに伴って発生する諸費用です。住宅ローンの借り換えの際には、新たに事務手数料や保証料、そして登記費用などさまざまな費用がかかり、その額は金融機関によっても異なります。
 
また、現在借入を行っている金融機関への一括返済手数料もかかってくることが予想されます。高いところでは50万円以上必要になるケースもありますので、それを支払っても借り換えたほうがお得になるのかどうかを、シミュレーションなどで確認することが大切です。
 
あわせて、その諸費用も借り換え後のローンに組み入れることができるのかどうかも確認しておきましょう。もし、組み入れることができないのであれば、自分で準備する必要がありますので、その方法についても考えなければいけません。
 
細かいところでいえば、金銭貸借契約書に貼付する印紙代については、インターネットで申し込みできる場合は省略できるケースが多いです。そのような技を使いながら、諸費用を節約していく考え方も大切です。
 
また、借換先としてフラット35を考えている場合は、担保とする自宅物件が融資対象の条件を満たすかどうかの調査費用がかかることも覚えておきましょう。
 
最後に確認を忘れてはならないのが、団体信用生命保険のラインアップです。保障の内容によっては金利の上乗せがあるものとないものがありますし、現在加入している生命保険の保障とかぶるところもあるでしょう。
 
保障が充実しているプランについては、金利の上乗せが必要になるケースが多いことから、団体信用生命保険以外の保障の内容について一度確認し、無駄のないものに加入する、もしくは既存の生命保険を見直すことも視野に入れておくようにしてください。
 
また、最近は繰上げ返済手数料を無料としている金融機関が増えてきましたが、手数料が無料となる条件についてもきちんと確認しておくことが大切です。最低返済額がいくらになっているか、ネットバンキングの利用が条件となってないか等を確認しておきましょう。
 

住宅ローンの借り換え、どんな手順で行う?

住宅ローンの借り換えの目安をクリアしており、借換先の金融機関の候補をある程度絞ることができたら、以下の手順に従って借り換えを行うことになります。
 

1.仮審査(事前審査)の申し込み

借り換えを希望する金融機関に対して、仮審査(事前審査)の申し込みを行います。なお、仮審査(事前審査)の申し込みについては、複数の金融機関に申し込んでも問題はありません。ただ、あまり多くの金融機関に申し込むのも、必要書類をそろえたりする手間がかかりますので、3~4社程度に絞るようにしましょう。
 
仮審査(事前審査)に申し込む際の必要書類については、各金融機関で異なりますので、事前に公式サイトなどで確認することも忘れないようにしましょう。一般的に仮審査(事前審査)の時点で必要となる書類については、以下のものが挙げられます。
 

書類
  • 事前審査申込書
  • 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
  • 所得証明書類(源泉徴収票もしくは課税証明書など)
  • 物件確認書類(登記簿謄本や売買契約書など)
  • 現在借りている住宅ローンの内容が分かるもの(返済予定表など)

 

2.本審査の申し込み

仮審査に通過したら、その中から最終的な借換先の金融機関を決定し、そこに本審査の申し込みを行います。本審査には、以下の書類の提出を求められます。
 

書類
  • ローン借入申込書
  • 印鑑証明書
  • 住民票
  • 所得証明書

などです。
 

3.現在借りている金融機関へ一括返済する旨の連絡を入れる

本審査に通過し、借り換えの手続きがスムーズに進んでいる場合、現在借入を行っている金融機関に事前に確認し、余裕をもって住宅ローン残高を一括返済する旨の連絡を入れるようにしてください。
 
繰上げ返済と異なり、一括返済の場合は手数料が発生するケースが多いので、手数料がいくらになるのかも合わせて確認しておくとよいでしょう。
 

4.契約手続き

新しく借り換えを行う先の金融機関との契約手続きに入ります。具体的には「金銭貸借契約書」を結び、抵当権設定など登記に必要な書類を提出することになります。登記自体は司法書士などに依頼するケースが多く、その費用は諸費用の一部として支払います。
 
ここまでの流れが無事に終了したら、新しい借入先の金融機関から借入金額が指定した口座に振り込まれ、従来の金融機関に一括返済することになります。その後、新しい借入先の金融機関に対してローンの返済が開始されます。
 

住宅ローンの借り換えはどれくらいの期間が必要?

最近では審査のスピードも速くなり、事前審査については即日もしくは翌日に結果が分かる金融機関もあります。しかし、その後の本審査や登記手続きには意外と時間がかかるものです。
 
したがって、借り換えの際にかかる期間としては、余裕をもって1カ月程度は見ておいたほうがいいでしょう。
 

まとめ

住宅ローンの借り換えを行うことによって、総返済額を減らすことができるというメリットがある一方、新たに審査を受ける必要があるため、多くの書類を提出するという手間がかかります。
 
また、平日に時間を取ることが難しい場合は、できるだけインターネット上で手続きができる金融機関を探すこともポイントの1つです。ただし、書類に不備があった場合は提出しなおすことになり、すべての手続きが終了するまでの時間が延びてしまうという点には注意が必要です。
 
いずれのケースでも、必要書類は必ず事前に確認し、提出の際には漏れのないように注意してください。
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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