しかし、事務手数料の金額設定は金融機関ごとに異なるため、多数の金融機関をまとめて比較するのは大変です。また、事務手数料のほかに保証料という費用も出てきて、混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、住宅ローンの事務手数料について、タイプや相場を解説するとともに、「事務手数料型」「保証料型」の違いも説明します。また、大手銀行や主要ネット銀行の事務手数料・保証料の比較もしていますので、ぜひ参考にしてください。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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主要住宅ローンの事務手数料・保証料比較
事務手数料と保証料の金額や料率、選択できるタイプは、金融機関によって異なります。住宅ローンの費用負担を少しでも抑えたいのであれば、多くの金融機関の条件を比較して、最も条件の良い商品を探すのが近道です。
大手銀行や主要なネット銀行の事務手数料・保証料を比較すると、大手銀行では定率型の事務手数料型と内枠方式・外枠方式の保証料型を採用している場合が多いことがわかります。一方、ネット銀行の住宅ローンでは、保証会社を利用しない場合がほとんどで、事務手数料を一律の設定にしているケースが比較的多くみられます。
以下で、具体的にみていきましょう。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行の住宅ローンでは、事務手数料型は定率型のみ、保証料型は外枠方式・内枠方式から選択できます。
●事務手数料型
・事務手数料:借入金額の2.2%(税込み)
●保証料型
・保証会社宛事務手数料:3万3000円(税込み)
・保証料:一括前払い型/借入金額100万円あたり4580円から2万610円(借入期間により変動)
利息組込み型/借入金利に年0.2%上乗せ
三井住友銀行
三井住友銀行では、事務手数料は定率のみ、保証料は外枠方式・内枠方式のいずれも取り扱っています。内枠方式の場合の上乗せ利率は公表されていません。
・事務手数料:借入金額の2.2%(税込み)
・保証会社手数料:3万3000円(税込み)
・保証料:保証料外枠方式/借入金額100万円あたり1万195円から8万2437円(消費税非課税、借入期間・返済方式により変動)
保証料内枠方式/保証料外枠方式に比べて金利が高い
みずほ銀行
みずほ銀行の住宅ローンでは、定率型の事務手数料型、保証料の一部前払い、内枠方式の保証料型の3パターンから選択できます。保証料を全額一括払いするのではなく、一部を前払いする方式がある点が特徴です。
●ローン取扱手数料型(事務手数料型)
・保証会社宛事務手数料:3万3000円(税込み)
・事務手数料:借入金額の2.2%(税込み)
●保証料を一部前払いする方式・金利上乗せ型(保証料型)
・保証会社宛事務手数料:3万3000円(税込み)
・保証料:保証料一部前払いする方式/所定の保証料の一部を借入時に一括払い
金利上乗せ型/借入金利に0.2%上乗せ
りそな銀行
りそな銀行の住宅ローンで取り扱いがあるのは、定率型の事務手数料型、外枠方式・内枠方式の保証料型の3通りです。
●融資手数料型(事務手数料型)
・保証会社事務手数料:3万3000円(税込み)
・事務手数料:借入金額の2.2%(税込み)
●保証料一括前払い型・保証料金利上乗せ型(保証料型)
・保証会社事務手数料:3万3000円(税込み)
・保証料:保証料一括前払い型/借入金額100万円あたり1016円から2万614円(借入期間により変動)
保証料金利上乗せ型/借入金利に0.2%上乗せ
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行の住宅ローンでは、定額型の事務手数料型のみを取り扱っています。保証会社を利用しないため保証料型の取り扱いはなく、保証会社事務手数料や保証料はかかりません。
事務手数料
借入金額の2.2%(税込み)
楽天銀行
楽天銀行のスタンダードな住宅ローンでは、定額型の事務手数料型を採用しています。楽天銀行フラット35は定率型で、料率が低いのが特徴です。保証料型の取り扱いはなく、保証会社事務手数料や保証料を支払う必要もありません。
事務手数料
定額型/一律33万円(税込み)
定率型/借入金額の1.10%(税込み)(楽天銀行フラット35)
ジャパンネット銀行
ジャパンネット銀行の住宅ローンは、定率型の事務手数料型のみの取り扱いです。保証料型は取り扱っておらず、保証会社事務手数料や保証料も不要です。
事務手数料
借入金額の2.2%(税込み)
auじぶん銀行
auじぶん銀行住宅ローンのタイプは、定率型の事務手数料型です。審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。
事務手数料
借入金額の2.2%(税込み)
ソニー銀行
ソニー銀行の住宅ローンの事務手数料は、スタンダードな住宅ローンでは定額型、変動セレクト住宅ローン・固定セレクト住宅ローンでは定率型です。保証会社を利用しないために、保証会社事務手数料や保証料は発生しません。
事務手数料
定額型/一律4万4000円(税込み)
定率型/借入金額の2.2%(税込み)
イオン銀行
イオン銀行の事務手数料は、定額型と定率型から選択することができます。保証会社を利用していないため、保証料型の取り扱いはなく、保証会社事務手数料・保証料は不要です。
事務手数料
定額型/一律11万円(税込み)
定率型/借入金額の2.2%(最低取扱手数料22万円)(税込み)
新生銀行
新生銀行の事務手数料タイプは定額型と定率型があり、定額型の金額は選択した団信・付帯サービスによって変動します。また、定率型が適用されるのは、「変動金利(半年型)タイプ<変動フォーカス>」を選択した場合です。
事務手数料
定額型/5万5000円から16万5000円(税込み)(団信・付帯サービスにより変動)
定率型/借入金額の2.2%(税込み)
ARUHI
ARUHIの住宅ローンは、定率型の事務手数料を採用しており、相場よりも低い料率が設定されています。取扱商品のうち「ARUHI 変動S」では、金利上乗せで保証料を支払う必要があります。
事務手数料:借入金額の2.2%(最低事務手数料22万円)(税込み)※webからの新規借り入れは1.1%(最低事務手数料22万円)(税込み)
保証料:金利上乗せ(ARUHI 変動S)
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住宅ローンの事務手数料とは
住宅ローンの事務手数料とは、住宅ローンの融資にともなう事務作業などの手数料のことです。金融機関によっては「融資手数料」「取扱手数料」などの名称になっていることもあります。事務手数料の支払先は、住宅ローンの借入先金融機関です。金額は各金融機関が独自に設定するため、借入先によって大きく差が出る可能性があります。
住宅ローンの事務手数料の相場
住宅ローンの事務手数料には、借入金額にかかわらず一律の金額を支払う「定額型」と、借入金額に一定の割合を掛けて計算する「定率型」があります。
定額型の事務手数料の相場は、3万円強から数十万円程度までと、金融機関によってばらつきがあります。一方、定率型の場合は、主要銀行の多くが借入金額の2.2%としています。しかし、なかには2.2%より低い割合を採用している金融機関もあるようです。
また、どちらの方式が選択できるかは金融機関によって異なるため、借入先を決める際にはきちんと確認しましょう。
事務手数料型と保証料型とは
事務手数料と同じように住宅ローン借入時にかかる費用のひとつが、保証会社を利用するための保証料です。住宅ローンは「事務手数料は必要だが保証料は不要」なタイプと「保証料が必要」なタイプに大別することができます。一般的に前者は「事務手数料型」、後者は「保証料型」と呼ばれています。
事務手数料型の住宅ローンでは、事務手数料は借入時にまとめて支払うのが一般的です。一方、保証料型には、保証料を借入時に全額支払う「外枠方式」と金利に上乗せして支払う「内枠方式」があり、多くの場合いずれかを選択することができます。
事務手数料型と2つの保証料型のどれが金額が安いかは、料率や借入金利、借入期間などの条件によって異なります。そのため、費用の負担額を比較する際には、個別の条件にもとづいて試算をしてみることが必要です。
借換時にかかる手数料は?
住宅ローンの借り換えでは、借換先の条件に応じた事務手数料や保証料が発生します。また、借り換え前の住宅ローンを完済する際に、期限前完済手数料(全額繰上返済手数料)が必要となるのが一般的です。
期限前完済手数料の金額は金融機関によって数千円から数万円と幅があります。また、同じ金融機関でも手続きの方法や金利タイプなどによって、金額が異なることもあるため、手続き前に確認するとよいでしょう。
このほかに、印紙税や登録免許税、司法書士報酬などの諸費用も必要です。
借入先を決めるときは事務手数料・保証料をチェック
金融機関によって、選択できる事務手数料・保証料のタイプや金額が異なります。住宅ローンの借入先を決めるときには、事務手数料や保証料についても確認し、トータルの負担ができるだけ少なくなるような金融機関を探すことが大切です。
また、事務手数料や保証料の負担額は、借入時の金利や借入期間などの条件にも左右されます。見かけの数字だけで比較せず、さまざまな条件に合わせてシミュレーションをすることで、より正確に比較をすることができるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
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