住宅ローン借り換えは事前にシミュレーションを!方法とポイントは? | ファイナンシャルフィールド

更新日: 2022.03.25 借り換え

住宅ローン借り換えは事前にシミュレーションを!方法とポイントは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

住宅ローン借り換えは事前にシミュレーションを!方法とポイントは?
住宅ローンの負担を少しでも減らしたい!と考えたときに、選択肢のひとつとなるのが住宅ローンの借り換えです。しかし、どんな住宅ローンでも借り換えれば負担軽減にわけではなく、賢く借り換えるためには借り換え前後を比較するためのシミュレーションが不可欠です。
 
しかし、シミュレーションといっても方法やチェックするべきポイントがわからず、戸惑う方も多いでしょう。そこでここでは、住宅ローン借り替えのシミュレーションについて、必要な情報やシミュレーションの方法、注意点などをまとめました。実際にどのくらい得になるのかをシミュレーションした例も紹介していますので、ぜひご自身の現状と比べてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジュを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

新井智美

監修:新井智美

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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住宅ローン借り換えのシミュレーションに必要な情報は?

住宅ローン借り換えのシミュレーションをする際に必要な情報は、大きく次の2つです。

1.現在の住宅ローンの借り入れ・返済の状況
2.借り換え後の希望条件

具体的には、以下のような情報をもとに借り換え前後を比較することで、どの程度返済額が変化するかを知ることができます。

1.現在の借り入れ・返済の状況

現在の住宅ローンの借り入れ・返済の状況とは、主に次のような事項です。

・借入残高
現在の住宅ローンがいくら残っているか。

・返済額
月々の返済額や、ボーナス月の返済額。

・残りの借入期間
借入期間がどれだけ残っているか。

・返済方法
元利均等返済か元金均等返済か。
元利均等返済=毎月利息を含めた一定金額を返済していく方法。元金均等返済=元金部分を毎月均等に返済していく方法。元金の残額に応じて金利分が減るため、元金均等返済の方が総返済額は少なくなります。

・金利
変動金利か固定金利か。
変動金利=市場の金利情勢などにともなって利率が変動する方式。固定金利=設定された期間中は利率が固定される方式。

2.借り換え後の希望条件

借り換え後の希望条件とは、主に次のような事項です。

・返済額:月々・ボーナス月にいくら返済していきたいか。
・返済年数:何年かけて返済するか。
・返済方式:元利均等返済、元金均等返済のいずれを選択するか。
・金利タイプ:固定金利と変動金利のいずれを選択するか。

このほか、借換先の候補となっている金融機関が実際に提供しているプランをあてはめて試算することもできます。

住宅ローン借り換えのシミュレーション方法は?

住宅ローン借り換えについては、多くの金融機関がホームページなどでシミュレーターを提供しています。自身で計算することももちろんできますが、シミュレーターならフォームに入力するだけで細かい計算を自動で行ってくれるため、非常に便利です。

また、なかには諸費用を含めて借り換える場合のシミュレーションができるものやプランの選択ができるものなど、実際にその金融機関で借り換えた場合のリアルな試算をチェックできるシミュレーターを用意している金融機関もあります。

住宅ローン借り換えはどのくらい得?シミュレーション例

住宅ローンの借り換えでは一般的に、「借入残期間10年」「ローン残高1000万円以上」「借り換え前後の金利差年1%以上」の条件下でメリットが出やすいといわれています。では、実際にシミュレーションしてみましょう。※以下、金利は実際のものと関係のない仮の数字です。

①条件をすべて満たしている場合

仮に次のような条件で住宅ローン借り換えた場合、月々の返済額および返済総額は以下のようになります。

・ローン残高2500万円
・残期間25年
・月々の返済額9万9632円(元利均等方式・ボーナス返済なし)
・金利1.470%
・借り換え後金利0.470%

月々の返済額:9万9632円→8万8341円=△1万1291円
返済総額:2988万9600円→2650万2243円=△338万7357円

②金利差1%未満の場合

借り換え前後の金利差が1%未満でも、借入残高が大きく残期間が長いケースでは、メリットがあります。

・ローン残高3000万円
・残期間30年
・月々の返済額8万8380円(元利均等方式・ボーナス返済なし)
・金利1.470%
・借り換え後金利0.700%

月々の返済額:10万3104円→9万2413円=△1万691円
返済総額:3711万7440円→3326万8709円=△384万8731円

③いずれの条件も満たさない場合

反対に残額や残期間が短い場合は、手数料などの諸費用に数十万円かかる可能性を踏まえると、ほとんどメリットがないどころかマイナスになるケースも考えられます。

・ローン残高800万円
・残期間8年
・月々の返済額8万8380円(元利均等方式・ボーナス返済なし)
・金利1.470%
・借り換え後金利0.700%

月々の返済額:8万8380円→8万5712円=△2668円
返済総額:848万4480円→822万8376円=△25万6104円

住宅ローン借り換えのシミュレーションで注意したい3つのポイント

住宅ローンの借り換えをシミュレーションする際には、いくつかのポイントを意識することで、より賢く借り換えを検討することができるようになります。以下に注意したいポイントをまとめました。

1.将来の金利変動を想定して試算する

住宅ローンの金利には全期間変わらないタイプと、変動金利方式など条件に応じて変動するタイプがあります。金利が変わるプランで住宅ローンのシミュレーションをする場合には、将来的に金利が変動することを想定した試算もしておく必要があります。

現在の金利では借り換えにメリットがあっても、金利の見直し後にはメリットがなくなってしまうケースもあるためです。さまざまなパターンを試算して、どのような金利プランでの借り換えが、家計やライフプランに合っているのかを検討しましょう。

2.諸費用が発生することを考慮する

住宅ローンの借り換えでは、ローンの支払いのほかに、借り換え手続きにともなう諸費用が発生します。借り換えると返済額が下がるように見えても、諸費用を加えるとそれほど変わらない、または借り換える前の支払い予定総額よりも高くなってしまう、というケースがあるため注意しましょう。

住宅ローンの借り換えにかかる主な諸費用は、次のようなものです。

・融資手数料
・保証料
・印紙代
・全額繰上返済手数料:~数万円程度
・抵当権抹消・設定登記費用
・司法書士報酬
・火災保険料

金融機関によって費用が発生する項目や計算方法は異なりますが、数万円から数十万円必要です。シミュレーション時に手数料の金額や支払い方法を提示してくれる金融機関もあるため、忘れずに計算に含めましょう。

3.シミュレーション結果は目安であると理解する

シミュレーションで出る数字は、利用者自身が任意で設定した条件にもとづいてはじき出された概算です。実際に借り入れを申し込む際には、市場情勢による金利の変動などさまざまな要因で、シミュレーションどおりの条件で融資が受けられるとは限りません。

また、シミュレーターを使ったシミュレーションは、借り入れの審査ではありません。申し込んで審査に進んだ結果、融資することができない、と判断される可能性があることも理解しておきましょう。

シミュレーションの結果はあくまでも目安とするのにとどめて、詳しい借り入れ条件などは、正式な申し込みの際に改めてしっかり確認してください。

しっかりシミュレーションして住宅ローンの負担軽減につなげましょう

住宅ローン借り換えの恩恵を受けるためには、事前のシミュレーションによる最適な商品選びが非常に大切です。シミュレーション時には現在借りている住宅ローンの情報を正しく利用し、現状と借り換え後をできるだけ正確に比較する必要があります。

また、住宅ローンの借り換えを検討する際には、返済方式・金利方式への理解や諸費用のチェックも欠かせません。必要な判断材料をそろえたうえでさまざまなパターンをシミュレーションし、借り換えに本当にメリットがあるかどうかや、借換先をどこにするのがいいのかを見極めましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

監修:新井智美
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