看護師になって数年経つと、違う場所でスキルアップしてみたい、もう少し条件のよい場所で仕事がしたいなど、いろいろと要望が出てくるのではないでしょうか。今回は、看護師が転職を考える場合、どのような転職先があるのか、そしてどのように転職先を探していけばよいのかをまとめてみました。
看護師が働く場所には、どのような種類があるのか
看護師が働く場所といえば、やはり医療機関が思い浮かぶでしょう。医療機関は病院と診療所があります。それ以外に、どのような場所で働くことができるのか、具体的に見ていきましょう。
総合病院や大病院以外のクリニックや診療所
看護師の勤務先で一番多いのは、病院です。病院は6つに分類されており、20床以上の病床数を有するものと位置づけられています。病床数が20未満の場合は、診療所ということになります。病床を持たない場合、クリニックということです。クリニックは、地域に密着している医療機関で、軽い病気やケガ、症状が落ち着いている病気やケガの治療で利用します。
診療所やクリニックは、規模が小さいため、勤務する看護師の人数も少なくなります。病院のように夜勤があるケースは少ないため、小さなお子さまがいる場合や、子育てしながらでも勤務しやすいことから人気が高いです。
検診センター
看護師が働く場所として、検診センターが挙げられます。検診センターは、人間ドックや企業の健康診断などを行う場所です。健診車で移動して健診を行う場合もあります。血液検査の採血を行ったり、身体測定などを行ったりします。
健診センターは、定時で帰宅できることが多く、予約制となっているため、時間に余裕をもって働くことができます。このような点から、働きやすい職場と言えるでしょう。
介護施設や老人保健施設など
人手不足が懸念されている介護関係の施設では、看護師の求人が多く出ています。介護施設は、介護ヘルパーも常駐していますが、医療行為をすることはできません。介護施設では、医師や看護師のみが行える処置が必要となる場合があるため、看護師が常駐していなければいけません。
有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院において、看護師の配置が義務付けられています。ただし、24時間常駐というわけではないため、日勤で仕事ができる施設も多く、比較的働きやすいとされています。
その他にもいろいろある
看護師は働く場所として、診療所やクリニック、検診センター、介護施設などが挙げられますが、その他にも看護師が必要とされている施設は多くあります。障がい者福祉施設や、訪問看護ステーション、産業看護師、養護教諭なども看護師資格を役立てることができるでしょう。
働く場所による看護師の仕事内容の違い
看護師の仕事内容は、働く場所によって異なります。病院の場合、病棟や診療科により、多少違いはあるものの、下記のような仕事を行います。
●バイタルチェック(体温測定や、血圧、脈拍の測定を行い記録する)
●病棟巡回
●点滴
●注射
●入院患者の食事や入浴、排せつの補助
●入院患者の受け入れ
●手術補助
総合病院や大病院以外のクリニックや診療所
クリニックは、入院施設がないため、病院の仕事とはやや異なる点があります。どのような診療科に勤務するかによって、仕事内容に違いが出てきます。受付を済ませた後に問診や体温測定などを行い、医師の診察時に、注射や点滴、採血などがあれば、それらを行います。
レントゲンや心電図、その他の検査などの補助を行う場合もあります。受付と兼務する場合もあり、その場合は会計業務や電話応対なども行います。他にも、院内の清掃や、医療器具の洗浄、備品の発注など、仕事内容が多岐にわたるのが、クリニックや診療所の特徴といえるでしょう。
検診センター
検診センターは、病気の治療を行う場所ではなく、検査を行う場所になります。健診センターでの看護師の主な仕事内容は、受診者がスムーズに検診を終えることができるようにすることです。
案内や検査補助を行います。身体測定、視力検査や聴力検査、採血などの検査を看護師が行います。検診センターによっては、検査の予約管理や、検査結果のチェックといった事務的な作業も行う場合があるでしょう。人間ドックの場合は、一般的な健康診断よりも、検査項目も増えるため、業務内容も増えます。
介護施設や老人保健施設など
介護施設で働く場合、入居者の投薬管理や健康管理、医師または看護師しか行えない医療行為について行うことが、看護師の仕事になります。健康管理に関しては、ヘルパー資格を持っている職員でも行うことができるため、すべてを看護師が行うわけではありません。
ただし、お薬の管理に関しては、医療行為となるため、看護師が行います。また、医師の指示で点滴やたんの吸引、採血などを行う場合もあります。持病を持っている入居者もいるため、医師や介護スタッフとの連携が重要となってきます。
その他の施設など
看護師が必要とされているその他の施設では、どのような仕事を行うのでしょうか。
障がい者福祉施設に勤務する場合、点滴をしたり、注射を行うということはほぼありません。その代わり、利用者の入浴介助や、食事介助など介護士と同じような役割が求められます。
訪問看護ステーションで働く看護師の役割は、利用者の住む場所に訪問し、医師の指示通り医療行為をしたり、利用者の健康状態を記録し、医師に報告することなどです。食事介助や排せつ介助を行う場合もあります。利用者だけでなく、家族のメンタルサポートも訪問看護ステーションに勤務する看護師の役割といわれています。
産業看護師は、従業員の健康を維持するために、健康相談や健康管理などを産業医とともに行います。
養護教諭は、学校の先生です。いわゆる保健室の先生ですが、看護師の資格がある場合、養護教諭の道を目指すことも可能です。なぜなら、養護教諭は教員ではないので、教員免許が必要ないのです。その代わり、養護教諭の免許状は必要です。指定されている教育機関で、勉強することで、養護教諭の資格を取得できます。実際に学校で働くには教員採用試験に合格する必要がありますが、看護師資格を十分生かすことができるでしょう。
看護師の病院以外の転職は、転職サイトを使おう
病院以外で転職を希望する場合、看護師専門の転職サイトを利用するのがおすすめです。看護師の求人は、ハローワークや一般の求人サイト、求人誌でもたくさん募集されているのですが、看護師専門の転職サイトだけにしか公開されていない求人というものがあります。
看護師専門の求人サイトは、看護師の求人に特化しているだけでなく、掲載する求人情報について、実際に現地に取材に行き、職場の雰囲気を確認してくれていたりするため、安心して応募することができます。それ以外にも、看護師専門の転職サイトを利用すると、メリットがたくさんあります。
お祝い金がもらえるケースも
さまざまな看護師転職支援サイトがありますが、中には転職サイトを利用して転職に成功すると、お祝い金を受け取れるというケースもあります。お祝い金の金額は、利用する転職サイトにより異なるので、確認してみましょう。また、受け取る場合の条件もあるため、条件も確認するようにしてください。
専門サイトなら、条件交渉もおまかせできる
看護師専門の転職サイトを利用することで、仕事をしながら転職先を見つけることができます。看護師の仕事は、忙しいためなかなか休みが取れないという場合もあるでしょう。
転職支援サイトを利用すれば、希望する条件があればお知らせしてくれますし、面接日時の調整だけでなく、条件面の交渉もお願いできます。給料や仕事内容、勤務時間などで交渉できる可能性もあるため、より自分に合った職場を見つけることができるでしょう。
需要が高い看護師は、転職先が豊富
看護師の転職先は、とてもたくさんあります。スキルアップのため、職場環境や待遇面でもっと良い場所を探したいなど、転職理由は皆さん異なりますが、働ける場所の選択肢がたくさんあるため、より自分に合う職場を見つけることができるでしょう。
監修:今村由香
国家資格キャリアコンサルタント/日本NLP協会認定 NLPプロフェッショナルコーチ
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