執筆者: 米山伸郎
実際に多くの看護師が3年目になると転職を考えるようになりますが、本当にベストな時期だと言えるのでしょうか。
今回この記事では、勤続年数「3年目」にスポットを当てて、転職を考える理由や転職を成功させるためのポイント、転職先におすすめの職場などを紹介します。
目次
看護師3年目の多くがなぜ転職を考えるのか
勤続3年目になると、多くの看護師が転職を考えるようになりますが、一体なぜなのでしょうか。
ここではまず、転職を考える理由について紹介します。
時間外業務が増えてくる
勤続3年目に入ると、通常業務以外にも、下記のような時間外業務が多くなってきます。
●委員会業務
●看護研究
●プリセプター
●勉強会・チーム会
●自宅での勉強
資料作成やチーム会などは、通常業務以外で行うのが当たり前だと考えている病院も多いため、どうしても残業が増えてしまいがちに。
また、3年目になるとプリセプターとして看護師1年目の面倒をみなくてはならなくなります。そのことから、どうしても仕事量が増えて負担を感じやすくなります。
責任とプレッシャーの増大
勤続3年目になると、新卒教育も終わり、だんだんと先輩の目が離れていくようになります。
すると、これまでは先輩と一緒に仕事をしてきた業務を、ひとりでこなさなくてはいけなくなるため、個人にかかる責任が一気に大きくなります。
また、前項のとおり仕事量も増えてくるため、プレッシャーや不安を感じやすくなり精神的につらいと思い始める時期になるようです。
他病院の同期とお給料に差が出てくる
看護師のお給料は民間病院か国公立病院か、夜勤手当がどれくらいかなどによって大きく変わってきます。新卒のときは、病床規模別にみても、そこまで大きな差はみられませんが、勤続年数が増えていくことでお給料に差が出てくる場合も。
また、夜勤手当や残業代に不満を抱くようにもなり、看護師3年目に入ったときに転職を考える方が増え始めます。
看護師としてステップアップを考えるようになる
看護師としてキャリアアップを望む方は、勤めている病院によっては教育体制が物足りないと感じるようになります。そのため、高度医療が発達している病院や、ホスピスなどへの転職を考えるように。
勤続3年目に入ると、ご自身の看護観や、なりたい看護師像が明確になってくるようです。それぞれの目標に合わせて勉強をしたり、キャリアプランやライフプランに合わせた環境を探すようになります。
看護師3年目は転職に向いている時期か?
勤続3年目に入るころから看護師が、さまざまな理由で転職を考え始めることがわかりました。
次に、看護師3年目は転職に向いている時期かどうかを詳しく解説します。
看護師は人手不足の職業のため、求人数も多く、転職先に困ることは少ないはず。しかし、やはり看護師の場合でも、勤続2年目よりも3年目以降に転職をしたほうがベターです。
勤続年数が3年あれば、即戦力として評価されるようになるため、転職の幅がグッと広がってきます。より多くの条件・職場のなかから転職先を探したいのであれば、勤続4年目以降に転職活動を始めましょう。
その理由に、病院の教育プログラムが挙げられます。一般的に病院で行われる新人教育プログラムは、3年に設定していることが多いため、3年目はまだプログラムを受けている途中です。
病院によっては、3年目の転職は新人教育プログラムが終わっていないと判断されることも多く、一人前としてみなされないケースもあることを知っておきましょう。条件交渉やお給料のアップを望むのであれば、4年目まで待ってから転職活動を始めるのがおすすめです。
看護師3年目の転職を成功させるための3つのポイント!
勤続年数3年目だからといって、必ず転職に成功するとは限りません。
やり方によっては転職に失敗するおそれがあるため、しっかりと成功させるためのポイントを押さえておきましょう。
信頼できる人に相談をすること
転職活動をするときは、信頼できる人に相談することが大切です。看護師の友人や先輩に相談する場合は、その人が本当に信頼できるかどうかを見極めないと、話が漏れるおそれがあるため注意が必要です。
もし、相談できる人がいないという場合は、転職サイトのコンサルタントに相談しましょう。
ほかの人の意見を聞くことで、転職をする以外の解決方法や、よりよい転職方法のアドバイスをもらえるかもしれません。
転職理由を明確にすること
転職理由があいまいなままだと、本当に行きたい職場を見失うおそれがあります。そのため、必ず転職理由は明確にしてください。
転職理由や転職先(職場)を決めた理由は、面接時に必ず面接官に聞かれます。あいまいなままですと、マイナスイメージを持たれるおそれが。転職理由をあらかじめ書き出しておくことで、頭のなかで整理することができるのでおすすめです。
転職サイトを活用すること
看護師専門の転職サイトを活用すれば、プロのコンサルタントから的確なアドバイスをもらうことができます。履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策など、細かいフォローも行っているので、転職が初めてだという方はぜひ活用するべきです。
ただし、看護師専門の転職サイトはたくさんあるため、初めからひとつに絞るのではなく、複数見て検討するようにしてください。口コミなども参考にしてみるとよりよいサイトを見つけることができるはずです。
看護師3年目の転職でおすすめの職場は?
勤続3年目になると、病院以外の転職先を考える方も多くいます。今後のキャリアアップを望む方は可能性を広く考えることが特に重要となるでしょう。
この項では、看護師3年目の転職でおすすめする職場を4つ紹介します。ぜひ、今後のキャリアプランやライフスタイルに合わせて参考にしてみてください。
大学病院や総合病院などの大規模な病院は、今よりもキャリアアップを望む方やお給料のアップを望む方におすすめする転職先です。
大規模な病院の一番のポイントは、教育体制が整っているということ。さまざまな病棟もあるので、多くの経験を積むことができるでしょう。
ただし、それぞれの病院によって力を入れている治療や科は異なります。学びたい科やドクターがいるかどうかなど、しっかりと検討したうえで転職先を決めましょう。
訪問介護は、看護師がお宅に訪問をして、その人の病気や障害に応じた看護を行う仕事です。主治医の指示のもとに、点滴・注射などの医療処置も行います。
デイサービスとは、利用者の望む生活を実現するためのサポートを行う場所です。デイサービスで働く看護師は、利用者の健康状態を確認するのが第一の仕事です。医師がいない施設で働くこととなるため、看護師に求められる責任は、デイサービスのほうが大きいかもしれません。
これらの仕事は地域密着型の施設が多いため、自宅近くで仕事がしたいと考えている方に向いている転職先です。ただし、運営している企業によって待遇やお給料に違いがあるため、しっかりと情報収集を行うことが大切です。
病院とは異なる環境で働いてみたいと考えている方や、夜勤はつらいと考えている方におすすめなのがクリニックです。クリニックは基本日勤のみとなり、また受け持つ科も大きな病院と比べると少ないため働きやすいというメリットがあります。
しかし、職場によっては残業が多く多忙なところもあります。また、規模が小さい分、働きやすい環境かどうかを事前にチェックしておくことも大切です。
治験コーディネーター(CRC)とは、治験依頼者(モニター)や医療機関のスタッフ、そのほか多くの関係者の調整をする役割を担う仕事です。治験説明会から治験の準備、スケジュール調整やモニタリングなど仕事内容は多岐にわたります。
医療系の資格を持っていると優遇されるため、看護師や薬剤師の方が転職先として選ぶことが多いです。
ただし、会社によっては出張が多い可能性もあることから、柔軟に対応できるかどうかが重要となるでしょう。
勤続3年目と4年目の待遇差の可能性を知ったうえで転職しよう
看護師として一定の経験を積み、仕事量が増えて責任も多くなる3年目の看護師は、転職をしようかと悩むケースが増えてきます。
基本的に転職先に困ることは少ないですが、病院の教育プログラムが3年に設定されているため、3年目か4年目かによって待遇が変わる可能性があることを知っておいてください。
しかし、明確にやりたいことが決まっており、将来の目標があるのであれば3年目でも迷わず転職をしてキャリアアップを目指しましょう。今回の記事を参考にして、転職活動に役立てていただけたら幸いです。
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