看護師がクリニックに転職するメリットとは?デメリットも合わせて徹底解説 |ファイナンシャルフィールド

看護師がクリニックに転職するメリットとは?デメリットも合わせて徹底解説

終更新日: 2024.03.05 公開日: 2020.12.23

板橋理

執筆者: 板橋理

キャリアコンサルタント(国家資格) 人事コンサルタント
大学卒業後、フリーターをしながら公務員試験を受験し地方公務員となる。その後、人材系企業に転職し、様々な中小企業の経営課題を人材採用を通して解決する業務を経験。   建設業、製造業から小売サービスでの自社採用手法の構築から運用・フォロー、人事制度構築の経験もあり。5Sから始める働き方改革など、社内の業務改善などもできます。法人・個人からのキャリア面談にも対応。   「働く人たちが明るく楽しく前向きに働けるよう、寄り添っていきたい。」がモットーです。  
看護師にはさまざまな職場がありますが、中でもクリニックは総合病院などと比較して迷う人も多い転職先ではないでしょうか。

クリニックと総合病院では、働く環境に違いがあります。自分にあった職場かどうかを見極めるためにも、まずはクリニックで働くことの魅力やデメリットをしっかり知っておくことが大切です。

クリニックでの仕事内容

クリニックは通常救急外来がなく入院設備もないことがほとんどのため、外来診療がメインとなります。そのため、看護師の業務は医師の診療の補助や問診、採血、注射、点滴などが中心となりますが、クリニックによっては働く人の人数が少なく、看護以外の仕事も求められることがあります。

例えば、レントゲンの現像や、医療器具の洗浄消毒、院内の掃除、薬品や医療器具などの発注まで看護師が行う場合もあります。


総合病院との違い

総合病院では、働く人の数が多く業務内容もしっかり分担がされているため、看護の仕事だけに専念することができます。しかし、人数の限られているクリニックでは、受付や清掃員などを雇っていない場合もあるため、すべてが看護師の業務となります。

総合病院では行う必要のない業務まで幅広くこなすことが求められるクリニックですが、その分看護師同士や、医師、さらには患者さんとの距離が近く、つながりも深くなるため、一丸となってクリニックを運営していくことができます。


選ぶクリニックによって差が大きい

一口にクリニックといっても規模や診療内容により、看護師として求められるスキルは異なります。例えば、小児科や産婦人科、慢性疾患に特化したクリニックなどでは専門の知識やスキルが必要になりますし、検診や人間ドックを専門に扱うクリニックでは検査に関する知識やスキルが必要となってきます。

クリニックで共通して求められるのが、ある程度の経験を持った即戦力となる看護師です。特に規模の小さいクリニックでは、看護師の人数が限られているため、幅広い分野の仕事がこなせるとより優遇されるでしょう。



メリット

クリニックには総合病院とは違ったメリットがたくさん存在します。総合病院に比べ小規模なクリニックですが、だからこその良さを5つ紹介します。


夜勤がなく固定休

入院設備のないクリニックでは、決まった時間の外来診療がメインとなるため、夜勤や不規則な勤務形態はありません。基本的には、毎日決まった時間に仕事ができ、クリニックが休みの日曜祝日などは固定休として休むことができます。

そのため、イレギュラーな残業などもあまりなく、子供がいる人や日曜は休みたいという人でも働きやすいのが魅力です。


体力的負担の軽減

総合病院など入院設備のある病院では、入院患者の介助なども看護師の業務のひとつとなります。その場合自分より体の大きな患者さんを支えたり、体を拭いたりといった重労働も多く、体力的に大きな負担を感じている看護師も少なくありません。

クリニックにおいてもそのような仕事が全くないというわけではありませんが、入院設備のある病院に比べるとかなりの負担軽減になるといえます。


精神的負担の軽減

休日や勤務時間が安定することによって、生活リズムが整えば精神的に余裕が生まれます。また、クリニックによっては残業が少ないことも多く、業務後の時間を有効に使えることもストレスをためない大切なポイントです。

救急や入院がないことで患者さんの急変がないのも精神的な負担を大きく軽減してくれます。


長期休暇が取れる

年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇の時期は、休日となるクリニックも多く、看護師も合わせて休暇を取ることが可能です。総合病院などでも外来診療は休みになりますが、入院患者がいれば看護師には関係なくいつもどおり夜勤を含めた勤務が求められるのです。

特に子供のいる家庭などでは、学校が休みになる時期に合わせて休暇を取れるのはうれしいポイントです。


顔なじみの患者さんができる

大きな総合病院などでは、毎日多くの患者さんが出入りするため、基本的には担当している入院患者さんくらいしか顔を覚えるのは難しくなってきます。しかし、地域に根付いた町のお医者さんであるクリニックでは、かかりつけ医として頻繁に通院してくる患者さんも多く、仕事を進めているうちにお互いに顔を覚えられるようになります。

患者さんと世間話をしたり、じっくりひとりひとりの患者さんに向き合う看護がしたいという人にはクリニックが向いているかもしれません。



デメリット

ここまでクリニックで働くメリットを紹介してきましたが、メリットがあればもちろんデメリットも存在します。デメリットは人によって考え方が変わる部分でもありますので、しっかり理解して自分にとってどうなのかということを考えておきましょう。


人間関係が重要になる

大きな病院とは違い、働く人数の少ないクリニックでは、人と人とのつながりが強いため、良好な人間関係を維持することがとても大切になります。助け合いながら業務を進めていく看護師同士はもちろん、医者との関係、事務スタッフとの連携も業務を円滑に進めていくのにとても重要です。

さらに、患者さんも顔なじみが多くなるからこそ、日々の丁寧なコミュニケーションが求められます。


幅広い業務が求められる

クリニックには看護師や事務スタッフなど人手が足りていないところもあり、看護以外にも幅広い業務が求められます。受付や電話対応なども業務の一部になる場合がありますので、看護師としての仕事だけをしたいという人は募集の段階でしっかり業務内容を確認しておくことが大切です。

看護業務の中でも採血や診療補助、検査など広い分野のスキルが必要となり、大病院などとは違い代わりの看護師はいませんので、自身の経験とスキルを認識し苦手分野などは克服しておく必要があります。


社会保険や福利厚生の充実

小規模なクリニックでは、社会保険や福利厚生の面ではどうしても大病院に劣ってしまう部分があります。手厚い福利厚生のもとで働きたいという場合は、総合病院などを選んだほうが安心です。

ただ、スタッフ間のつながりは深いため、困ったときなどは人同士の助け合いを期待できる部分は大きいようです。


休みの変更が難しい

基本的には休みが固定で決まっていることの多いクリニックでは、イレギュラーな休日などが取りづらい場合があります。看護師をぎりぎりの人数で回していることもあるため、誰かが体調不良などで急きょ休みになってしまうと、その分忙しくなってしまうこともあります。

子供がいる場合などは、子供の体調不良や行事などでイレギュラーな休みが必要になるケースも多いので、そういった対応が可能なのかを事前にしっかり確認しておくといいでしょう。



クリニックに向いている人とは

ここまでメリットやデメリットを紹介してきたとおり、クリニックで看護師として働くには生活環境やそれぞれの希望などによる向き、不向きがあります。クリニックは基本的に総合病院よりも小規模で求められるスキルが多いこと、人とのかかわりが深い職場であるということはしっかり念頭に置いておきましょう。

子供や家庭環境のために夜勤やシフト制が難しい人や、救急や急変のない環境で患者さんとしっかり向き合って看護をしたいという人にはとても適した職場です。



自分にあった職場を見極めよう

クリニックには他の職場とは違った、アットホームな魅力がたくさんあります。一方で総合病院で働く魅力もありますし、看護師の仕事はどの職場でも責任の重い大変な仕事であることに変わりありません。

少しでも自分に合った働きやすい環境を選ぶことが楽しく働くための大切なポイントになります。クリニックへの転職を考えている場合は、しっかりとメリットデメリットを理解して、数あるクリニックの中から自分にあった職場を見つけてください。


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