執筆者: 岡澤和良
そこでこちらの記事では、看護師が転職で失敗をしないように、転職の流れを徹底解説します。ぜひ最後までお読みいただき、後悔のない転職活動をおこなってください。
転職の事前準備
転職活動はまず、事前準備から始まります。準備と聞くと適当にこなしてしまいがちですが、ここでいきなり手を抜いては失敗してしまいます。事前準備には自己分析、スケジューリング、情報収集があります。それぞれについて解説していきますので、しっかりとこなしていきましょう。
自己分析をする
自己分析をすることで、転職したい理由、理想の働き方など自分の意思を明確にしておく必要があります。それにより、転職先を選んだり、本当に転職すべきかを決められます。自己分析の仕方について紹介します。
2.書き出したものを別ページを使ってグループ分けする
3.グループ分けしたものに、なぜ不満または満足しているか理由を書き足す
4.その中からどうしてもやりたくないこと・やりたいことを1~3つほど選ぶ
この方法により自然と自分の得意・不得意なもの、将来の理想、本当に転職すべきかどうかもわかってきます。
スケジュールを組む
この事前準備の段階でスケジュールを組んでおきます。おすすめのスケジュールの組み方は逆算式です。「いつから新しい職場で働くか」というゴールを設定し、それに合わせた計画を立てるという方法ですね。
「今週から求人情報を見て、来週には応募して…」というような時系列型スケジュールがおすすめできないのは、現状の忙しさや転職市場の動きなどで、思うように進まないことがあるからです。さらに「いつまでに、どうするか」というゴールが曖昧になりやすく、転職活動自体がダラダラ長引く可能性が出てきます。
ゴールが決まっていれば、転職活動から内定までに1ヶ月+内定から引き継ぎ・退職までが1ヶ月かかる場合は、最低でも2ヶ月前に始めればいいことがわかります。
情報収集をする
ハローワーク、看護雑誌、新聞広告、インターネットの人材情報サービスなど、情報源はたくさんあります。使えるものはどんどん使って、働く前から知り得る情報をできる限り集めておきましょう。
一つの条件で転職先を決めてしまうのは危険です。広告に載らない職場の実態を知って失敗するパターンもよくあります。
場所によっては見学もできますし、気になったら直接問い合わせてみるのもいいです。また、同期や先輩看護師が情報を持っていることもあるので、一度相談してみるというのも情報収集のうちです。
転職先に応募をしよう
準備が済んだら早速応募しましょう。応募するためには書類作成、面接対策をしておくことが必要です。応募方法をわかりやすく解説します。
書類作成
必要な書類は「履歴書」「職務経歴書」の2つです。あまり書いたことがない、久しぶりに書くという人が多いと思いますので、基本ルールを確認しておきましょう。
- 以下が履歴書を書く際の基本ルールです。書き損じたときは修正液などを使わず、新しく書き直すようにしましょう。
- 日付は提出する日を記載、年号は和暦で統一
- 写真は3ヶ月以内に撮影したものを使用
- 現住所のアパートやマンション名、号室まで略さず記入
- 学歴は中学校卒業以降のものを年月で記入、学校名や職場名も略さず正式名称で
- 免許・資格も正式名称で記入
- 志望動機・自己PRでは自分がどんな看護師かを誠実にアピール、仕事に関係ないことは書かない
- 以下が職務経歴書の基本ルールです。履歴書同様、誤りがないように丁寧に記入してください。
- 業務に関係のない経歴は書かなくても良い
- 事務的スキルなど仕事をするうえで必要と思われる職務経歴は記入する
- 法人の正式名称は略さない
- 「〜に配属」「〜を担当」など体言止めで表記
- 履歴書同様、日付は提出日にして、年号は和暦で統一
- リーダー業務などアピールできるポイントは優先的に記載する
面接
面接担当者に「一緒に働きたい」と思わせることは大切ですが、自分を飾りすぎることはいけません。背伸びをした自分では、いざ働くことになったときに無理が出てきます。等身大の自分を見てもらったうえで、採用してもらえるよう努力しましょう。
そのための準備として、まずは面接を受ける病院や施設についてきちんと調べておきます。診療科や治療方針など基本的な情報を頭に入れることはもちろん、他の看護師からの口コミもチェックしておくといいです。その情報は質問にスラスラ答えられるだけでなく、志望動機や自己PRにも活用できます。
例えば志望動機や自己PR、看護観、これまでの経験などは面接で必ず聞かれます。ですので、答えをきちんと用意して書き出し、声に出す練習をしておくといいです。そうすることで、本番でも慌てずに答えられるようになります。
内定をもらったら
応募先の病院や施設から内定の連絡を受けたら、次は「円満退社」という仕事が待っています。スムーズに退社するためには、現在の職場のルールをきちんと守ることが重要です。
退職の意思を伝える
できるかぎり早く、直属の上司または看護師長に口頭で退職の意思を伝えましょう。正式な退職日はこのあと病院との相談で決定します。退職願を提出するのもこのタイミングですので、あらかじめ作成しておくといいです。
ちなみに退職理由は余計なことを書かないようにし、「一身上の都合」で問題ありません。上司の仕事が落ち着いている時間を見計らって、必ず手渡しで提出しましょう。
引き継ぎ
退職日までに引き継ぎを必ず完了させます。引き継ぎを適当にやって退職してしまうと、その後も数回連絡がきたりして、結局は自分が苦労することになるからです。上司以外の関わる全てのスタッフにも退職することを伝え、丁寧にわかりやすく引き継ぎをおこなってください。
看護師が転職するときの注意点
ここまでで、一連の流れをご紹介しましたが、転職時に気を付けたいことがまだあります。慎重に転職活動を成功させるためにも、以下のことにも注意してください。
転職サービス選びは慎重に
転職サービスを使うと、その業界に詳しいエージェントが転職をサポートしてくれます。便利なサービスですが、ここには驚きのデメリットがあるのです。
それはこうした人材紹介サービスからは採用しないと決めている病院や施設も多いということです。それなのに掲載してあたかも紹介できるように思わせてくる転職サービスも存在するのです。初めての転職だと1人で全部をこなすことは大変だと思いますが、エージェントに任せっきりにはせず、求人広告サイトなども合わせて見た方がいいでしょう。
現職の就業規則を改めて読んでおく
こちらは転職を決意した段階でやっておいてほしいことです。退職の意志を伝えるのは、法律的には退職日の14日前までということになっています。
しかし、病院や施設それぞれの独自ルール、習慣などが存在する場合があるのです。就業規則には退職時のルールなどが必ず記載されています。退職の意向を伝えるタイミングも就業規則に準ずることになりますので、今の職場に迷惑をかけないためにも改めて確認しておくことが必要です。
身近な人にも話しておく
転職することは身近な人にも影響を及ぼすことがあります。特に家族には転職したい気持ちを事前に話しておきましょう。反対されることもあるかもしれませんが、よく話し合って、協力してもらえるように真摯に話をされてください。
看護師が転職するなら流れをしっかり頭に入れておこう
看護師が転職する流れについて解説しました。初めての転職だとわからないことも多く不安だと思いますが、流れをしっかり覚えておけばきっと成功します。就業規則を読み、事前準備をしっかりすること。スケジュールを組んでシミュレーションをすること。
そして何よりルールを守ることが大切です。計画的に転職活動を進め、新しい職場で輝けるよう努力していきましょう。
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