企業で働く看護師の仕事内容は?メリットを徹底解説 |ファイナンシャルフィールド

企業で働く看護師の仕事内容は?メリットを徹底解説

終更新日: 2020.12.28 公開日: 2020.12.27

今村由香

執筆者: 今村由香

国家資格キャリアコンサルタント/日本NLP協会認定 NLPプロフェッショナルコーチ
「未来に笑顔と勇気を」をモットーに主に女性を対象としたライフコーチングを行なっています。   コーチングセッションやカウンセリングを通して様々なライフイベントの中で自分らしくしなやかに生きる女性を増やしていくことを目標に活動しています。   生き方、働き方のベースになる「自分の価値観を知るセッション」が人生の選択に悩む方やどこかモヤモヤを抱えて生きる女性に好評です。   公式サイトへ


看護師の職場として、病院ではなく企業を選ぶことも可能です。看護師が職場に企業を選択した場合、どんな仕事があるかご存じですか?こちらの記事では、企業における看護師としての仕事内容や、看護師が企業で働くメリットについて解説します。企業への転職をお考えの際、ぜひ参考になさってください。

企業で働く看護師の仕事

看護師が企業に籍を置き、仕事をする場合の多くは医務室や健康管理室で行います。主に企業の従業員の健康管理などが仕事です。医療メーカーに勤めた場合には、仕事内容はまた変わってきます。具体的にどんな内容なのかは以下で解説していきます。



産業看護師・保健師

企業内の医務室では「産業看護師」または「保健師」の仕事をすることになります。具体的には以下のとおりです。

仕事の種類

●健康診断の企画・準備・実施
●従業員のメンタルチェック・メンタルケア
●保健指導の実施
●健康教室の開催
●緊急時の応急処置

緊急時の応急処置はありますが、医療処置はそれほど行わず、健康管理や指導がメインになっています。この中で最も重要視されているのが、従業員のメンタルチェック・メンタルケアです。2015年以降、従業員50名以上の企業を対象に、従業員のストレスチェックを厚生労働省により義務付けられたという背景があるからです。

つまり大企業では特に、従業員のメンタルチェック・メンタルケアに重点をおくようにしており、それができる看護師を強く求めているということになります。

一般的にはメンタルのケアはカウンセラーが行うものです。しかし企業から求められているのであれば、転職の機会にメンタルケアについて勉強してみるのもいいでしょう。



治験メーカー

新薬を開発するときに、製薬会社から依頼を受けて治験を行うのが治験メーカーです。こちらも多くの看護師が活躍しています。仕事内容は大きく分けて2つ、「治験コーディネーター」と「臨床開発モニター」です。それぞれの仕事内容を解説します。



◆治験コーディネーターとは

治験コーディネーターの仕事は、病院から依頼された治験をスムーズに進められるよう支援することです。具体的には主にスケジュール管理、被験者への説明、関係者間の橋渡しと言ったものがあります。また、治験後のデータ管理も治験コーディネーターの大切な仕事です。看護師資格自体は必須というわけではありません。しかし、看護の知識や経験が武器として生かせる仕事です。



◆臨床開発モニターとは

臨床開発モニターの仕事は、治験の全体の管理とモニタリングです。実際に被験者と会うことは基本的にはなく、医師とのやり取りによって治験がきちんと行われているかをチェックします。臨床開発モニターには、薬に関する深い知識が求められるので、薬剤師資格を習得している人が多いです。

看護師から臨床開発モニターを目指す場合、薬に関する勉強は不可欠です。さらに臨床開発モニターは給与が高い傾向にあるため、人気の職種です。豊富な経験とスキルを持ったライバルが多いので、応募の際にはそれなりの努力が必要になります。



医療相談のコールセンター

保険会社などで、顧客のために医療相談の電話窓口を設置していることがあります。そこで相談を受け、答えるという仕事です。医療処置を行うわけではないのですが、1日中話さなければならないので病院勤務とは違った大変さがあります。

また実際に相談相手に会わず、電話の声のみで判断しなくてはならないという難しさがあるので、ある程度の経験値は必要です。そしてコールセンターが24時間対応となっている企業もあります。その場合には夜勤が発生することも理解しておかなければなりません。



企業で働くメリット

看護師というと病院のイメージが強いですが、あえて企業を選ぶ理由とは一体何なのでしょうか。実は病院などではなく企業で働くという選択肢は、看護師の間で非常に人気があるようです。その人気の理由として、病院にはない企業ならではのメリットについて調べ、まとめました。



夜勤や残業がない

企業の定めた就業時間に合わせることになるので、基本的に夜勤はありません。多くの企業で9~18時の間で勤務することになります。病院のように、ものすごく忙しくなることもあまりないので、残業もほとんどありません。ただ先述した24時間体制のコールセンターのように、例外となる企業もありますので、自分に合う働き方ができる企業かを事前に調べておくことをおすすめします。



土日祝の固定休

土日祝の固定休となっている企業が多いので、そこで働く看護師もそれに準じた休みを取れることになります。予定も立てやすくなり、プライベートと仕事のバランスもよくなるでしょう。ただし、全ての企業が土日祝、カレンダー通りの休みというわけではありません。固定休があるけど土日祝ではない、などということもあります。その点に関しては、事前に企業へ確認を取っておいた方がいいでしょう。



医療ミスなどの精神的負担の軽減

企業で働く看護師の場合、基本的に大きな病気を持っている人の対応ではないため精神的には楽になります。そもそも医療処置自体をあまりすることがなく、健康管理などが中心になってくるので、「医療ミスがあったらどうしよう」「人の命がかかっている」というようなプレッシャーは少なくなります。ただ医療処置をする機会が減ることで、看護師としての腕が落ちてしまうこと、医療スキルを磨けないということは覚悟しておかなければなりません。



体力的負担の軽減

企業では医療・介護施設と違い、介助などの業務がないため体力的にはかなり楽になります。企業での仕事内容はデスクワークが中心です。立ちっぱなし、動き続けるということもなくなりますので、体力的な負担は相当変わってくるでしょう。また先述したとおり、夜勤もなくなり、残業もほとんどなし、決められた日にきちんと休みを取れることも体力的には楽になるでしょう。



看護師が企業に転職する際のおすすめ資格

看護師が企業で働くうえで取得しておくと役立ちそうな資格は例えば以下のようなものです。

役立ちそうな資格

●産業カウンセラー
●臨床心理士
●認定心理士
●心理学検定
●精神対話士
●健康医療コーディネーター
●海外勤務健康管理指導者

産業カウンセラーはよく知られる資格で、企業でのメンタルヘルス対策を中心とした保健活動を行うために必要な基本的なことを知ることができます。産業看護師・保健師の仕事内容の解説時に少し触れましたが、企業に勤める社員のメンタルケアは大切な仕事です。心理学や精神対話士はカウンセリングの知識や技術を得るためにとても役立ちます。

健康医療コーディネーターは、生活習慣病などの知識、食と健康の関係について学べます。生活習慣病の人が企業内では増加傾向ですので、このあたりの指導ができるようになったら便利です。転職を希望する企業が海外にも拠点をおいているようなら、海外勤務健康管理指導者の資格はアピールポイントになり得ます。

転職の下準備として取得するのもいいですし、転職活動と同時進行で勉強に励んでもいいです。とにかく資格は武器になりますので、取得を検討してみてはいかがでしょうか。



仕事内容を理解して自分にあった職場を選ぼう

看護師が企業で働くときの仕事内容、企業で働くメリットについて解説してきました。看護師は病院や介護施設以外にも、多くの活躍の場があることがわかりました。働き方が大きく変化することで、精神的・肉体的な負担も大きく変化が起こります。このような大きなメリットがありますが、企業に転職するうえでのデメリットも多少はありますので、仕事の内容、企業の概要などをきちんと理解しておくことが重要です。

特に医療スキルが下がってしまうので、再び医療施設で働く際には不利になるということを覚悟しなければなりません。企業を選んだことを後悔しないよう、また今後自分の望む仕事ができるよう慎重に職場を選ぶようにしましょう。



監修:今村由香
国家資格キャリアコンサルタント/日本NLP協会認定 NLPプロフェッショナルコーチ


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