看護師転職で他職種は可能?おすすめの仕事やメリットなど紹介! |ファイナンシャルフィールド

看護師転職で他職種は可能?おすすめの仕事やメリットなど紹介!

終更新日: 2021.01.04 公開日: 2020.12.30

澤邉大樹

執筆者: 澤邉大樹

キャリアコンサルタント、社会調査士
親しみやすく安心してご自身のことを話すことができるキャリアコンサルタント。   IT企業勤務を経て独立。『キャリアとはひとりひとりが主役の物語』をモットーに、キャリアをテーマにした講座の企画運営やコラムの執筆、キャリアコンサルティング等を展開している。


までのキャリアを考えると転職の難易度は上がるかもしれませんが、絶対に転職できないわけではありません。今回この記事では、看護師転職で他業種は可能なのか、おすすめする仕事やポイントなどを詳しく解説します。

看護師の離職率はどれくらい?転職先はあるの?

看護師の離職率は、厚生労働省の「2019年病院看護実態調査」によると、正規雇用看護職員が10.7%、新卒採用者7.8%、そして既卒採用者17.7%であることがわかっています。

次に看護師の転職先ですが、厚生労働省の「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 」によれば、病院勤務が70.9%を占めています。診療所が12.8%であり、その他の訪問介護ステーションや介護保険施設等が11.5%と約25%が病院以外の場所になります。

このことから、離職しても病院以外の場所で活躍できる機会は十分にあるということがわかります。



看護師から他職種に転職するメリットとは?

看護師が離職して他職種に転職すると、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。この見出しでは、転職するメリットについて3つのポイントを詳しく解説します。



人間関係・ストレスから解放される

看護師は職場の人間関係によるストレス以外にも、精神的なプレッシャーも大きい業務です。医療現場では、常に病や死と隣り合わせで働かなくてはいけないため、「もし万が一のことが起こったら…」と考えると、心身ともに疲れてしまうことも少なくないでしょう。

看護師から他職種に転職することで、これらのストレスやプレッシャーから解放されることは、大きなメリットのひとつとして挙げられます。



視野が広がる

看護師の多くは、看護師以外でキャリアがないというケースがほとんどです。そのため、他職種にチャレンジしてみることで視野が広がり、もしかしたら看護師以外でのやりがいを見つけられるかもしれません。

また、看護師はとてもニーズが高く経験者は優遇されるため、他職種にチャレンジをしてみて改めて看護師に戻りたいと思っても復職しやすいというメリットがあります。

看護師資格があるからこそ、大きなリスクもなく他職種にチャレンジできるのは、なかなか他の職種にはないうれしいポイントです。



生活が規則的になる

看護師は多くの病院で人手不足であることに加え、夜勤も多く生活が不規則になる方が大勢います。責任感の強い方は、自分の生活を犠牲にしてまで働き続けるといった傾向にあるため注意が必要です。

看護師から他職種に転職をすることで、平日日勤のみ・土日祝日休みになり生活が規則的になる方が多くいます。夜勤で働く必要がなくなり、ワークライフバランスが取れた生活を送ることができるようになる可能性が高いのは、大きなメリットだと言えるでしょう。



看護師のスキルを生かせるおすすめ他職種!

看護師のスキルは、他職種では生かせないのではないかと思われがちですが、そんなことはありません。この見出しでは、看護師のスキルを十分に生かせる他職種を10つ紹介します。



企業内看護師(産業)

企業内看護師とは、その名前のとおり一般企業で働く看護師のことです。一般企業に設置された健康管理室や医務室が勤務する場所となり、主に以下で挙げる業務を行います。

●健康診断
●保健指導
●過重労働対策
●メンタルヘルス対策
●ケガ・病気の応急処置など

コミュニケーション能力や事務処理能力、パソコンのスキルなどが求められますが、病院とは違い平日のみ・日勤のみで残業も少ないのが魅力。看護師にとって人気の転職先のひとつでもあります。



献血看護師

献血看護師とは、日本赤十字の献血センターで働く看護師のことです。主な業務内容は、以下で挙げるものがあります。

●受付
●問診
●検査
●採血

献血をする場所は献血センター以外にも、イベント会場や献血バスなどさまざまな場所があります。常勤だけではなく、アルバイトとしても働くことができるため、結婚・出産後の復職にもピッタリです。お給料はそれほど高くはありませんが、日勤のみで残業も少ないため、看護師に人気のある転職先です。



病児保育スタッフ

病児育児スタッフとは、保育園や幼稚園・学校などで働くスタッフのことです。学校の保健室で働く場合は、学校の夏休み・冬休みにあわせて長期休暇が取れるというメリットがあります。

お給料は病院勤務と比べると低いですが、日勤のみで土日祝日は休みのところが多いので、生活リズムも整いやすいでしょう。たくさんの子どもたちと関わることができるため、子どもが好きな方や出産経験のあるママ看護師におすすめです。

働く女性が増えるにつれて、親に代わって子どもの世話をする病児保育スタッフのニーズも近年高まりつつありますので、今後の需要が期待できる転職先です。



ケアマネージャー

ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護保険サービスの利用に関するスペシャリストです。主な仕事内容は、以下で挙げるようなものがあります。

●ケアプラン(サービス計画書)の作成
●サービス事業者との調整

主な職場は、居宅介護支援事業所や特別養護老人ホーム、地域包括支援センターなどがあります。ただし、ケアマネージャーになるには、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。看護師としてのスキルや経験を生かし、より介護方面の知識を深めたいという方におすすめする転職先です。



臨床開発モニター(CRA)

臨床開発モニターは、新薬の有効性や安全性を確かめる治験の円滑な進行をサポートする仕事です。主な仕事内容は、以下で挙げるようなものがあります。

●治験を行う医療機関・治験責任医師の選定
●実施依頼・契約手続きなど
●モニタリング業務
●報告書の作成

ひとりのCRAが担当する治験は、一般的に1~3件程度であり、1件にあたり数か月~1年程度としばらくの間は同じ案件と向き合うことになります。平日勤務・土日祝日は休みですが、案件によっては月に平均20時間から30時間ほどの残業が発生することもあります。



治験コーディネーター(CRC)

「治験」とは新薬開発を行うにあたり、被験者に薬を服用してもらい安全性や効果を実証確認することです。治験コーディネーター(CRC)の仕事内容は、以下で挙げるようなものがあります。

●被験者のサポート
●日程調整
●被験者の観察

被験者の体温や血圧を測るなどの業務はありますが、採血などの医療行為をすることはありません。治験コーディネーターは夜勤・緊急対応がほとんどなく、日勤のみの仕事となります。体力的にも働きやすいので、看護師に人気のある転職先のひとつです。



美容クリニックの看護師

美容クリニックは、大きく分けると美容外科・美容皮膚科・美容脱毛の3種類があります。



◆美容外科

美容外科は豊胸や二重手術など、お客さまの抱えるコンプレックスを外科手術により解消します。施術は医師が行いますので、施術中のサポートやカウンセリング、事務処理などがメインの仕事になります。



◆美容皮膚科

美容皮膚科はお客さまの抱える肌トラブルの解消をサポートします。治療内容は主に、レーザー・注射・アンチエイジングなどがあります。美容皮膚科は美容外科とは違い、実際に看護師が施術をするケースもあるため、やりがいを感じやすい仕事だと言えます。



◆美容脱毛

美容脱毛は、脱毛サロンでレーザー照射による脱毛を行います。実際に施術をするケースもあるため、美容皮膚科と同じでやりがいを感じやすい仕事だと言えます。また、その他にも事務処理などの業務も発生します。



イベントナース

コンサートやライブ会場、スポーツ大会や地域イベントなど、さまざまなイベントにも看護師の需要は多くあります。このようなイベント会場で、急病人やケガ人の対応をする看護師のことをイベントナースと言います。

イベントナースは、会場の一角を使って応急処置を行うのが仕事であり、病院のように詳しい検査や治療は行いません。あくまでもその場でできることをして、病院に行くべきかどうかの判断や、救急搬送が必要なのかを見極めます。

医師と一緒に働けるわけではないため、治療の程度を見極める判断力や医学的知識、アセスメント力などが求められるでしょう。また、イベントは長期間行っているわけではないため、基本は短期バイトとしてのお仕事となります。



医療事務

医療事務は、病院やクリニックの受付業務・医療費の計算や診察報酬請求業務などを行う仕事です。お給料は看護師と比べると低めではありますが、看護師で培った知識や経験を生かせばスムーズに仕事をこなすことができるでしょう。

患者とのやり取りをスムーズに行うコミュニケーションスキルや、事務処理能力が高ければなお重宝されます。医療事務は基礎知識があれば未経験でもチャレンジできる職種であり、安定して長く働きたいという方におすすめする転職先です。



看護師養成所(専門学校)の教員

看護師としての経験が豊富な方であれば、看護師等養成所(専門学校)の教員として働くこともできます。主な仕事内容は、教員として生徒に「基礎看護学」「精神看護学」「母性看護学」「成人看護学」などを教えます。

ただし、教員として働くには看護師としてのキャリアだけではなく、「専任教員養成講習会」を修了している必要があります。看護師として培ってきたキャリアと専門知識を生かしたいという方におすすめの転職先です。

しかし、専門学校によっては土曜日も授業があり、平日のみの勤務とはいかないかもしれません。



看護師の転職は他職種でも十分に活躍できる場がある!

看護師の転職先に他職種は可能なのか、メリットなどを紹介しました。解説してきたように看護師は転職先が豊富にあります。経験を生かせるものもたくさんありますが、他職種にチャレンジする場合はよく検討してから決めることも大切です。

もし、転職先に迷ったら転職サイトを活用してみるのもよいかもしれません。転職で後悔しないためにも、いろいろと探してみて自分に合った仕事を見つけてください。



出典 厚生労働省「2019年 病院看護実態調査」

監修:澤邉大樹
キャリアコンサルタント、社会調査士

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