看護師の転職は何年目がベスト?勤続年数別に詳しく解説! |ファイナンシャルフィールド

看護師の転職は何年目がベスト?勤続年数別に詳しく解説!

終更新日: 2024.03.05 公開日: 2021.01.31

遠藤綾子

執筆者: 遠藤綾子

2級キャリアコンサルティング技能士 国家資格キャリアコンサルタント
実績:就労、就職支援15年間、相談件数7,000件以上 キャリアコンサルティングや定着支援、人材育成など、一人ひとりに合わせた丁寧なサポートで、みなさまの「はたらく」を応援します。
「今の職場を辞めたい…。」このように考えたときに、勤続年数は大丈夫だろうかと不安になる看護師の方も多いと思います。看護師の転職は、一体何年目がベストなのでしょうか。

今回この記事では、看護師の転職でベストな時期について、勤続年数別に詳しく解説します。ぜひ、これから転職を考えている方は参考にしてみてください。

看護師の転職の実態とは

まず、看護師は勤続何年目で転職を考えるのか、転職の実態について見ていきましょう。 勤続1年目でも転職を考えるのかどうか、平均勤続年数や主な転職理由などを、この見出しで詳しく解説します。



勤続1年目でも転職を考える看護師は多い

看護師は一般職と比べるとハードワークであるため、勤続年数が浅ければ浅いほど転職したいと考える方が多い傾向にあるようです。「2019年病院看護実態調査」の正規雇用看護職員の採用と離職の状況によると、2018年度の新卒採用者数34,676人に対して、年度末までに退職した人数は2,695人であり、全体の7.8%でした。

なお、新卒関係なく正規雇用看護師の離職率は10.7%なので、約10人に1人の割合で離職していることがわかります。



看護師の平均勤続年数とは?

「2017年看護職員の労働実態調査」によると、看護師の平均勤続年数は以下のようになります。

勤続年数割合
1年未満4.7%
1~3年未満17.3%
3~5年未満13.1%
5~10年未満21.0%
10~15年未満14.6%
15~20年未満9.5%
20~25年未満8.5%
25~30年未満4.8%
30年以上5.6%
もっとも多いのが5~10年未満の21.0%でした。 仮に10年未満と考えた場合、56.1%という数値になることから、約2人に1人が10年未満で辞めていることがわかります。



看護師の主な転職理由とは?

看護師の転職理由は、個人によってさまざまではありますが、主に以下のような理由などが挙げられます。

●スキル・キャリアアップのため

●給与や待遇への不満

●引越し・転勤など

●人間関係

●業務量の多さ(夜勤)

今の職場よりも高い給与を望む方や、スキルアップ・キャリアアップなどの前向きな理由で転職を考える人。また、引越しや転勤などの、やむを得ない理由で転職をしなくてはいけないケースもあります。

人によっては、人間関係や勤務形態・勤務時間などが合わなくて、転職を考えるケースもあるようです。



看護師の転職は何年目がベストなのか注意点も紹介!

看護師の平均勤続年数は、5~10年未満がもっとも多いことがわかりましたが、実際に転職を考えたときに何年目がベストなのでしょうか。 この見出しでは、勤続年数ごとに詳しく注意点などを含めながら紹介します。



看護師1年目

勤続年数1年目は、即戦力としてみなされないことが多いため、ニーズが低いのが実情です。しかし、転職に必要なポイントを抑えておけば、成功率を高めることが可能です。

まず、クリニックや介護施設などの、看護師の人数が少ないところへの転職はできる限り控えましょう。頼れる人が少なく、自分自身で判断しながらの仕事が多くなるため、1年目だと不安を感じやすいです。

また、転職先での教育制度はどれくらいかを、事前に調べておいてください。看護師1年目はまだ教育中ということもあり、新人研修やプリセプター制度が充実しているかどうかはとても重要です。

事前に病院のホームページをチェックすれば、どんな教育制度を行っているかどうかを確認することができるでしょう。勤続年数1年目は、1年未満で退職したという「経歴」が残ってしまうため、面接時に悪いイメージを持つ面接官も少なくありません。転職をするたびに、なぜ1年未満で退職をしたのか、面接時に必ず聞かれることは覚悟しておいてください。

しかし、面接時に自分をよく見せようと、できないことをできると言ってしまうと、採用後に苦労する恐れがあります。できるものはできる、できないことはできないとはっきりと伝える姿勢も大切です。



看護師2年目

看護師2年目の場合、1年目と比べると転職市場のニーズは増加します。しかし、2年目だからこそ気を付けなくてはいけないポイントもあります。看護師2年目は、最低限のスキルは身についているものの、まだまだ新人として扱われることが多いという点に気を付けてください。

勤務先の規模の大きさによってスキルに差も付き始めるため、自分ができること・できないことをしっかりと理解しておくことが転職を成功させるポイントです。

もし、余裕があれば看護師として将来どうなりたいかを考えておくと、自分に合った転職先を見つけやすいです。出産や結婚などのプライベートを視野に入れつつ、新しい転職先を決めるという方法もあります。

また、看護師2年目も1年目と同様に、教育制度が充実しているところを選ぶと安心です。転職先選びで失敗すると、新しい職場で戦力外扱いになり、ご自身がつらくなる可能性があるでしょう。



看護師3年目

看護師3年目は、勤続年数1~2年目とは異なり、看護師としての知識や技術がおおむね身につけられていると判断されます。体力も十分にあり、即戦力にもなるため転職もしやすいでしょう。

ご自身のやりたい夢や目標に合わせて転職をするのであれば、3年目以降がベストです。また、勤続年数3年目程度であれば、仕事に対する強いこだわりも少ないため、新しい職場でもなじみやすいと思われます。知識や技術力ももちろん大切ですが、看護師の仕事はチームワークも重要なので、人柄もよくチェックされることを知っておいてください。

しかし、特に高い専門性を必要とする職場を希望する場合は、3年でも経験不足だとみなされる恐れがあります。新しいことにチャレンジしてみたいと考えている方は、勤続年数3年目でも、看護師1年目の気持ちで転職に臨むとよいでしょう。



看護師4~5年目

勤続年数4~5年目になると、実務経験が評価されてキャリアアップができる時期です。転職活動をするにあたっても、3年以上の経験があるためネガティブな印象も受けにくく、転職に適している時期だと言えます。

また、5年も働けば看護師の仕事がどういったものなのかが、十分にわかってきているはずです。転職活動をする場合は、退職理由や転職先に求めるものをはっきりとさせておかないと、逆に面接時にいろいろと採用担当者に聞かれるかもしれません。

仕事の選択肢も一気に広がり、2~3年目の転職に比べると幅広い職場から内定を得やすくなりますので、自分の将来を考えたうえで転職先を決めましょう。

基本的には、どの職場でも即戦力として歓迎されることが多いため、条件交渉もしやすくなります。ただし、転職先によっては仕事量が一気に増える恐れもあるため、情報収集は欠かさないようにしてください。



看護師6~7年目

看護師6~7年目は、基本的にどこでも転職可能となり、病院以外の職場や企業でも優遇されるようになります。しかし、「長年勤めた職場をなぜ辞めるのか?」と面接時に必ず聞かれるため、明確な転職理由を用意しておかないと転職に失敗する恐れがあります。

また、勤続年数7年目にもなると、気を付けなくてはいけないのが、ご自身のライフスタイルの変化を考慮するということです。アラサー世代の看護師は、何時どのタイミングでライフスタイルが大きく変化するかわかりません。

特に結婚や出産・育児は視野に入れて、何が起こっても対応できるような職場を選ぶべきです。勤続年数7年目の知識や技術力を生かせば、転職先で困ることは少ないはず。自分に合った転職先をうまく見つけてください。



看護師の転職にベストな時期は3年目以降

看護師は基本的に、勤続年数1年目からでも転職することは可能です。ただし、勤続年数1~2年目は即戦力としてはみなされず、新人として扱われることが多いため、転職先を選ぶときは十分に気を付けましょう。

勤続年数3年目以降にもなれば、一通りの仕事はできるとみなされるため、転職先も見つけやすくなってきます。看護師としてやりたいことを見つけて、自分に合った転職先を見つけたいのであれば、3年目以降を目安に転職活動を始めましょう。

今回の記事を参考にして、ぜひ自分に合った転職先を見つけてみてくださいね。



監修:遠藤綾子
・2級キャリアコンサルティング技能士
・国家資格キャリアコンサルタント
 

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