執筆者: 鈴木麻友子
看護師への転職を考えていて、転職面接に必要な準備について疑問を持っている方も多いでしょう。面接に必要な準備やどんな質問がされるのかをわかっていれば、面接官に好印象を与えやすくなります。
逆に、適切な準備やよくある質問がわかっていなければ、効果的な対策ができず、面接官に悪い印象を与えてしまうでしょう。そこでここでは、看護師への転職面接でよくある質問や事前準備、面接で大切なポイントを解説します。
面接に向けた事前準備
面接は、事前に病院の情報やアクセスを調べ、必要な物を用意し、清潔感のある身だしなみで臨むことが大切です。これらを実行することで、面接官に好印象を与えられる可能性は高くなります。ここでは、看護師転職の面接に向けた4つの事前準備について確認していきましょう。
志望先の病院の情報を調べておく
面接の前に志望先の情報を調べることは基本です。よく調べていないと、志望先にマッチした志望動機を作ったり面接でうまく回答することができません。「なぜこの人は当院を受けたのだろうか」と採用側に疑問を抱かれる可能性があります。
事前に志望先の理念や方針などを必ず確認するようにしてください。病院の特徴をよく調べたうえで、その特徴に合う志望動機や面接回答を用意しましょう。
面接場所への行き方を確認しておく
面接場所の行き方は、前日までに確認しておくことが基本です。行ったことがない地域であれば、実際に一度行ってみることをおすすめします。「思ったよりもバスが来ない」「地図で見るよりバス停からの距離がある」などの懸念点を事前に発見できるからです。
当日は病院への行き方に不安を感じることなく、集中して面接に臨むことができます。また、当日は遅くても15分前までには着くよう、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
清潔感のある身だしなみにする
第一印象は非常に大切です。面接時は清潔感のある身だしなみを意識しましょう。清潔感がないと、面接官に悪い印象を与えてしまう可能性があります。 以下は、一般的に面接時で必要とされる服装や髪型です。
●服装
・紺色や黒色のスーツ
・白色のインナー・シャツ
・黒色の靴
●髪型
・明るすぎない髪色
・長い場合はひとつにまとめる
・派手なヘアアクセサリーは使わない
●メイク
・濃すぎないナチュラルメイク
・口紅はオレンジ系やピンク系、ベージュ系のカラーで健康的に見える色を選ぶ
●その他
・派手なアクセサリーはつけない
・ネイルはしない
・香水はつけない
応募書類やメモ帳など用意する
面接に向け、前日までには以下の持ち物を用意しておきましょう。
●応募書類(履歴書、看護師免許、職務経歴書のコピー)
●メモ帳
●印鑑
●筆記用具
重要な話を忘れないように、かつ好印象を与えるためにメモ帳も必須です。当日慌てなくて良いように、前日までには用意しておいてください。
面接で大切なポイント
面接で大切なのは、自分の考えを結論から伝え、ポジティブな説明をすることです。伝える内容や伝え方に気をつけることで、面接官に良い印象を与えやすくなります。
逆に、例文をまねして結論から話さず、ネガティブな説明の場合は悪い印象を与えてしまいます。ここでは、面接で大切な3つのポイントについて見ていきましょう。
ポジティブな説明をする
面接ではネガティブな内容でもポジティブに説明することが大切です。「給与が少なかった」「人間関係が良くなかった」など、ネガティブな転職理由を話しても、面接担当者に良い印象を与えることはできません。
「不満があればすぐに転職をする」と思われてしまうでしょう。実際の転職理由がネガティブなものだとしても、未来へ向けたポジティブな説明をするように心掛けてください。
例文通りではなく自分の考えを伝える
Webサイトや面接対策本の例文をそのまま使っても「例文のまねをしている」「よくあるフレーズだ」など面接官には見透かされてしまいます。「自分の意見ではない」と悪い印象を与えてしまい、評価は低くなる可能性があります。
面接の回答例文は参考程度にとどめ、自身のオリジナリティーを持たせることが大切です。そうすることで、気持ちが伝わり、良い印象を与えられるでしょう。
結論から答える
面接では、質問に対して結論から答えるようにしてください。結論から答えることで、面接官が内容を理解しやすくなります。一般的に「結論→理由→具体例→まとめ」の順番で構成を作ります。
聞き手はわかりやすく、話し手も伝えたい内容をまとめやすいのがメリットです。想定質問に対して、結論から答える練習をしておきましょう。
看護師への転職面接でよくある質問5選
面接でよくある質問を知っていれば、事前準備がしやすくなるため、面接官に良い印象を与えられます。看護観や経験、志望動機など、転職面接でよくある質問について見ていきましょう。
「看護観を教えてください」
多くの病院で質問されるのが、看護観に関する問いです。看護観とは「看護師として大切にしていること」で、採用側としては、志望者と病院の方針がマッチしているか確認するためにこの質問を行います。
看護観は「いつでも笑顔で接すること」「QOLを高めること」など人それぞれで異なり、正解はありません。したがって、志望先の方針を事前に確認してズレがないようにしなくてはなりません。
志望先の方針に合うように「看護師として最も大切なことは知識と技術を向上させることです。その理由は?」など答えるようにしましょう。
「当院でやりたいことは何ですか?」
やりたいことや希望の配属先を聞くための質問です。転職先で何をやりたいのか、明確に答えるようにしましょう。また、希望の診療科や配属先があれば、きちんと伝えましょう。
「前職では小児科を10年経験していますので、高度な小児医療を提供する貴院で専門的な小児看護を身につけたいと考えています。」など、志望先の特徴を踏まえ、前職の経験を絡めながら転職先でやりたいことを説明してください。
「退職理由を教えてください」
転職面接では、必ずと言って良いほど退職理由について質問があります。「先輩からの嫌がらせがあった」「業務は多いのに給与は安かった」など、人間関係や待遇面などに不満があるのが転職理由だとしても、答える際はポジティブに説明をしてください。
不満を理由にしてしまうと「同じ理由で辞めていく」と思われてしまいます。「より専門的な緩和ケアを学べるから?」や「高度な小児医療を学べるから?」など、ポジティブな内容を答えることで、面接官に良い印象を与えます。
「当院を選んだ理由を教えてください」
志望動機を聞くための質問です。事前に病院の情報を調べ、特徴に合うように志望動機を伝えるようにしましょう。調べずに志望動機を伝えると、病院の方針にマッチしない可能性があります。志望動機は、例文やフレーズをコピーするのではなく、自分で考えるようにしましょう。
「今までの経験を教えてください」
前職でどのような経験を積んできたか確認するための質問です。経歴や経験を通して学んだことを具体的に説明するようにしましょう。管理職やリーダーの経験がある場合は、部下の人数やマネジメント方法についても説明してください。
「●●病院ではICUで7年間勤務し、いろいろな患者さんの対応をしました。次の●●では?」など、簡潔でわかりやすく表現します。
転職面接は事前準備が大切!
ここでは、看護師への転職面接でよくある質問や事前準備、面接で大切なポイントを解説しました。最後にここで紹介した大切なポイント4点をおさらいしましょう。
・面接の前に行き方や病院の情報を調べ、清潔感のある身だしなみで臨む
・面接では自分の考え方を結論から伝え、ポジティブな説明をすること
・看護観や退職理由、志望動機に関する質問は必ずと言ってよいほどある
・看護師の転職面接は事前準備が非常に重要
これから他の病院へ転職を考えている方は、ここで紹介している内容を参考にしてみてください。
監修:鈴木麻友子
・キャリアコンサルティング技能士
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