介護にかかる年数・費用はどれくらいなの?
配信日: 2019.11.14
では、実際に介護となるとどうなるのか、今回は介護にかかる年数と費用について見ていきましょう。
執筆者:上山由紀子(うえやま ゆきこ)
1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者
1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者 鹿児島県出身 現在は宮崎県に在住 独立系ファイナンシャル・プランナーです。
企業理念は「地域密着型、宮崎の人の役にたつ活動を行い、宮崎の人を支援すること」 着物も着れるFPです。
介護にかかる年数は?
生命保険文化センターが行った調査(※2)では、過去3年間に介護経験がある人に、介護期間について聞いています。介護を行った期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均54.5ヶ月(4年7ヶ月)になっています。
下のデータを見てみますと、一番短い期間の「6ヶ月未満」は6.4%となっていますが、割合が最も多いのは「4~10年未満」で28.3%となっています。4年以上の介護の期間は全体の4割を超えていることが分かります。
介護費用は?
介護サービスでは、利用者や家族の希望や状況に応じて、居宅を訪問してもらう訪問サービスや、施設に通って受ける通所サービスなどが利用できる「在宅サービス」、介護が中心か治療が中心かなどによって入所する施設を選択する「施設サービス」があります。利用できるのは要介護1~5と認定された方になります。
では、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)を見てみましょう。住宅改造や介護用ベッドの購入等、一時的にかかる費用の合計は平均69万円です。
ただ、下のデータを見るとさまざまで、一番多くの費用をかけているのが「200万円以上」の6.1%で、「掛かった費用はない」は全体の15.8%になっています。
また、月額の費用のデータでは平均が7.8万円となっています。下のデータを見てみると、一番多い割合は「15万円以上」の15.8%です。これらのデータを見るとやはり、利用される方の介護状態などによって金額は変わってくるようです。
在宅看取りとは?
宮崎県看護協会の「在宅での看取りの体験集」では、実態調査を行っています(※3)。(調査期間:平成25年10月10日~平成25年12月10日)21例の利用者の内容は、年齢は36歳~100歳で、平均年齢が85.2歳です。主な疾患は、がんが一番多く13名で、循環器疾患4名、脳血管疾患2名、その他2名となっています。
また、介護度は、要介護度5が5名、要介護度4が4名、要介護度3が4名、要介護度2が3名、要介護度1が1名、要支援2が1名、申請中1名、未申請2名で、主な介護者で一番多かったのは娘さんでした。
この調査の中の質問で、「在宅(自宅)での看取りを考えたのはいつですか」の質問に、介護される本人が「家に帰りたいと希望された」という答えが多くあり、住み慣れた家での最後を望んでおられる方が多いのではないかと思います。
そして、看取られた家族は「大変満足しているまたは、満足している」と全ての方が答えられています。
このように、満足していると言えるように、いざというときにあわてないように、病気による入院や在宅療養生活、終末期における必要なことについて、兼ねてから家族で話し合い、自分の思いや家族と一緒にどう考えるかをまとめておくとよいと思います。
まとめ
私たち、全ての人に訪れる終末期をどうするのか、「自分はどうしたいのか」を、まず決めましょう。決めたら、どの方法が一番いいのかを検討しましょう。
しかし、決めたから絶対ではなく、変更も視野に入れることも大事なことです。また、一人で考えずに、皆さんのお住まいの「地域包括支援センター」に相談することをお勧めします。ケアマネジャー、保健師、社会福祉士等の専門家が力を貸してくれると思います。
出典・引用
(※1)厚生労働省 介護給付費等実態統計月報(令和元年6月審査分)結果の概要
(※2)生命保険文化センター介護にはどれくらいの年数・費用がかかる?
(※3)公益社団法人 宮崎県看護協会「在宅での看取りの体験集」
執筆者:上山由紀子
1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者