更新日: 2019.07.26 iDeCo(確定拠出年金)

会社に確定拠出年金制度があるけれど、どう利用すれば良いの?

会社に確定拠出年金制度があるけれど、どう利用すれば良いの?
企業年金連合会による「2017年度決算確定拠出年金実態調査結果」によれば、確定拠出年金の制度導入以来の通算運用利回りは、年率2.8%ということです(調査対象は、企業型の確定拠出を導入している事業所等2000件のうち、回答のあった710件)。
 
企業型確定拠出年金はどのように利用したら良いか、解説します。
 

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川上壮太

執筆者:川上壮太(かわかみ そうた)

CFP認定者、DCプランナー

京都大学工学部修士卒。精密機械メーカー勤務の後、FP事務所サニーサイド・ファイナンシャルプラニングを開設。日本FP協会電話相談員等を経験するとともに、多数のFP相談に対応してきた。生命保険募集人・証券外務員の資格を取得し、金融関係業務の実情にも詳しい。現在は神奈川県を中心に、主に子育て世代のライフプラン作りの相談に応じている。
http://www.sunnysidefp.jp/

確定拠出年金導入企業の社員は、どんな運用を行い、どんな成果を出しているか

2017年度の調査結果から、確定拠出年金導入企業の社員の運用状況が分かります。
 
・制度加入以降の通算運用利回りがマイナスの人は、加入者全体の   2.6%
・加入者の通算運用利回り(年率)の平均は、            2.8%
 
調査方法の詳細について良く確認する必要がありますが、運用で損失を出している人は2.6%にとどまり、97%の人は運用益を得ていて、しかも、その利回りは、平均で年率2.8%になるという結果です(この調査は毎年行われており、毎年の数値には変動があります)。
 
一方、運営管理機関連絡協議会による「確定拠出年金統計資料(~2018年3月末)」によれば、確定拠出年金の2018年3月末時点の商品選択割合は、預貯金と保険を合わせて52%、バランス型投信16%、国内株式14%、外国株式8%、国内債券6%、外国債券4%となっています。
 
預貯金・保険の利回りは0.1%にも満たないものがほとんどと思われますので、約50%の選択割合で選ばれた、投資信託によって年率2.8%が達成されたと考えてよいでしょう。
 
確定拠出年金は、ごくまれな場合を除いて、60歳までは引き出しができない制度です。長期の運用期間があり、かつ積立投資による購入価格の平準化の効果もあり、いわゆる元本割れになる可能性はかなり低いと考えてよいと思います。
 
会社が資金を出してくれる年金制度と割り切って、ごくまれに発生する「元本割れ」を恐れずに、投資信託商品にも一定の割合の掛金を振り向けることが望まれます。
 

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確定拠出年金の運用商品を選ぶ際の注意点

ただし、ごくまれに、会社の準備した運用商品(投資信託など)が好ましくない商品である場合も無いとは言い切れません。
 
運用商品が、アクティブファンドだけだったり、信託報酬が高いものばかりだったりすることもあります。確定拠出年金の運用商品としては、妥当といいにくい商品が含まれることもあるのが実態です。
 
確定拠出年金に使われる金融商品は、銀行や証券会社、保険会社などの金融機関が作る運営管理機関が、会社に提案し、会社が採用を決めます。
 
しかし、多くの場合、会社には金融商品を見極める力がなく、運営管理機関任せになることがあります。その結果、金融機関にとって都合の良い商品が運用商品の中に組み入れられ、信託報酬(手数料)が高く、運用益が得にくくなる場合もあります。
 
まずは、会社から配布される確定拠出年金についての資料を読みましょう。そこには、運営管理機関から提供される、運用商品の値動きについての情報もあるはずです。
 
もしも、運用商品の値動きについての情報が提供されない場合は、インターネットで自社の確定拠出年金で提供される投資信託の名称を検索し、その検索結果から、その商品の過去の値動きなどが分かります。
 
投資信託の情報を見ることができたら、その投資信託の基準価額が、長期的に見て値上がりしていること、信託報酬が高すぎないことを確認しましょう。
 
つみたてNISAの指定インデックス投資信託では、国内資産を対象とするもの(国内株式インデックスファンドなど)では、信託報酬は0.5%以下。
 
海外資産を対象とするもの(外国株式インデックスファンドなど)では、 信託報酬は0.75%以下とされていますので、これらの基準を参考にしてください。
 

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まとめ

以上をまとめると、ポイントは2点です。
・確定拠出年金の運用商品を選ぶ際は、投資信託も選択肢のひとつとして検討する。
・選択する投資信託は、インデックス型で、信託報酬がつみたてNISAの基準に準じるものが好ましい。
 
執筆者:川上壮太
CFP認定者、DCプランナー
 

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