公開日:2019.11.26 年金

請求漏れが多い障害年金。がん、肝硬変、肝不全などでも支給されるって知っていますか?

障害年金は、年金加入中の傷病によって生活や仕事が制限されるようになった場合に支給されます。障害年金の対象となる傷病には、手足などの外部障害のほかに、精神障害やがんなどの内部障害も対象となります。今回は、障害年金の概要と申請方法などについて解説します。
 
辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

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辻章嗣

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元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
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障害年金の仕組みと年金額は?

障害年金は、傷病によって生活や仕事などが制限される場合に、現役世代の人も含めて受給できる年金です。
 
障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があり、傷病で初めて医師など(医師または歯科医師)の診断を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、会社員などで厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」を請求することができます。
 
【図表1】

 
会社員などの障害年金には、障害の程度に応じて1級、2級、3級があります。また、厚生障害年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取る制度があります。また、1級と2級の障害年金には、基礎年金から子の加算が、厚生年金から65歳以下の配偶者に加給年金が支給されます。
 
なお、自営業などの国民年金加入者については、図表2のとおり3級の障害年金と障害手当金はありません。また、配偶者の加給年金もありません。
 
【図表2】

 
令和元年度の障害年金の額と加算額は図表3のとおりです。なお、報酬比例の年金額とは、会社員などの報酬に基づき計算されます。
 
【図表3】
<障害年金の額>

 
<加算額>

 

障害年金の受給要件とは?

障害年金を受給するためには、「初診日要件」、「保険料納付要件」、「障害状態要件」の3つの要件を全て満たす必要があります。

(1)初診日要件

初診日とは、障害の原因となった傷病で初めて医師の診療を受けた日を言い、初診日に加入していた年金制度により障害年金が決まります。すなわち、初診日に会社員などで厚生年金保険の被保険者であった場合は障害厚生年金、自営業等で国民年金の被保険者であった場合は障害基礎年金が適用されます。
 
また、初診日が20歳になる前にある場合や、会社員などを退職して60歳以上65歳未満にある場合は、国民年金の被保険者ではありませんが障害基礎年金の対象となります。なお、傷病の種類や転院の有無などで初診日の特例がありますので、詳しくは年金事務所などで確認してください。

(2)保険料納付要件

保険料をきちんと納付しているか確認するため、初診日の前日において、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
 
【原則】
初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間について、3の2以上の期間で保険料が納付または免除されていること

 
【特例】
初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

 

(3)障害状態要件

障害の原因となった傷病による障害の程度が、障害認定日または20歳に達したときに、法令の定める障害の状態(図表4参照)にあると、その等級に相当する障害年金が支給されます。ただし、障害基礎年金には、3級と手当金はありません。
 
【図表4】

 
障害認定日とは、その障害の原因となった傷病の初診日から1年6ヶ月を過ぎた日、または1年6ヶ月以内にその傷病が治った場合(症状が固定した場合)、その日を言います。なお、傷病の種類などで障害認定日の特例がありますので、詳しくは年金事務所などで確認してください。
 

障害年金の請求手続き

障害年金の請求手続きは、図表5のとおりとなります。
 
【図表5】

 
まずは、社会人などの時代に初診日がある方は、お近くの年金事務所にご相談ください。自営業などの時代に初診日がある方の相談先は、年金事務所か市町村役場になります。
 
提出が必要な書類を確認し、過去の受診状況を証明する「受診状況等証明書」、障害が生活や仕事にどの程度影響しているのかを示す「病歴・就労状況等申立書」を準備します。そして、これらの書類とともに、診断書などの必要書類を添えて年金請求書を提出します。
 
障害年金の認定は、これらの書類によってのみ判断されますので、書類を準備することが重要です。その後、障害年金が認定されると、年金証書などが交付され年金受給が開始されます。
 

障害年金の対象となる傷病とは?

障害年金の対象となる傷病は、手足などの外部障害のほかに、以下のとおり多くの疾患が対象となっています(※1)。

(1)外部障害

目、聴覚、肢体(手足など)の障害など

(2)精神障害

統合失調症、うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など

(3)内部障害

呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなどただし、疾患による障害が障害等級表に示す程度にあることが、認定される条件となります。したがって、障害年金の対象となると思われる場合は、年金事務所か市町村役場で相談されることをお勧めします。
 

まとめ

障害年金は、年金制度に加入して保険料を支払ってきた対価として、当然請求できる権利です。
 
そして、年金は、請求しなければ受給できません。また、障害年金は、書類で全て判断されますので、必要な書類をそろえる必要があります。書類を整えるためには、時間と労力を必要としますが、最後まで諦めずに書類をそろえましょう。
 
もし、自分一人で申請することが困難と思ったら、専門家である社会保険労務士に相談するとよいでしょう。
 
出典
(※1)日本年金機構HP 障害年金
(※2)日本年金機構 障害年金ガイド
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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