最終更新日: 2020.07.07 公開日: 2020.07.06
年金

60歳台前半の在職老齢年金制度が見直しへ。働きながら年金が全額受けられるかも?

執筆者 : 井内義典

老齢厚生年金を受けられる人が在職している場合、在職老齢年金制度により年金が減額される仕組みがあります。
 
しかし、2022年4月から、60歳台前半の老齢厚生年金について、そのカットされる年金の算出方法が変わることになり、その結果、減額対象となる額が減り、働きながら年金の全額を受けられる可能性も高まります。
 
井内義典

執筆者:

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

詳細はこちら
井内義典

執筆者:

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

詳細はこちら

現行の基準額は28万円!

老齢厚生年金は、60歳台前半で受けられる年金と、65歳以降終身で受けられる年金に分かれています。会社員の場合、男性は1961年4月1日以前生まれ、女性は1966年4月1日以前生まれであれば、受給資格を満たすことにより、60歳台前半の老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)が受けられます。
 
しかし、60歳台前半でも65歳以降でも、老齢厚生年金を受けられる人が引き続き在職していて、厚生年金被保険者となっている場合、その年金額や在職中の給与や賞与の額により、年金が支給停止、つまりカットされます。
 
カットされる額は月単位で計算されますが、60歳台前半の場合、【図表1】のとおり給与(標準報酬月額)、直近1年以内に受けた賞与(標準賞与額)の12分の1、年金の月額を合計して28万円を超えるとカットされます。つまり、基準額は28万円で、この基準額を超える場合は、たとえ少しでも年金が減額されることになります。
 

60歳台前半の在職老齢年金制度(2020年度)

もし、年金の月額が10万円で、給与(標準報酬月額)が30万円、賞与なしであれば、合計40万円(10万円+30万円+0円)となって、28万円を超えることになり、Aの計算式をもとにカットされる額を計算します。その結果、年金は10万円のうち6万円がカットされ、残りの4万円が支給される計算になります。
 

60歳台前半も47万円基準に

このように28万円基準で計算すると、年金が10万円の場合であれば、給与が30万円程度であっても、年金の6割がカットされてしまいます。しかし、この28万円基準による在職老齢年金制度については、就労意欲を阻害しているという批判がありました。そのため、この基準が2022年4月より緩和されることになります。
 
現在、65歳以降の老齢厚生年金(報酬比例部分)の在職老齢年金制度については、【図表2】のように47万円(2020年度の場合)の基準額で計算します。
 

65歳以降の在職老齢年金制度(2020年度)

28万円基準より緩い47万円基準になりますが、2022年4月の改正により60歳台前半についても47万円基準になり、【図表2】の計算式を使います。
 
先ほどの、年金が10万円、給与が30万円、賞与なしであれば、【図表2】の計算式に当てはめると、合計が47万円以下ですので在職老齢年金制度ではカットはされず、年金は全額支給されることになります。
 
28万円基準から47万円基準に変われば、受けられる年金も増えます。金額しだいでは、年金の全額と給与の両方を受け取ることも十分可能となり、生活に少し余裕が生まれることにもなるでしょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

関連記事

65歳以降も働く場合、ある程度給与があっても年金は全額受けられる?在職老齢年金制度をおさらい
2020年の年金改革で、得をするのはだれ?
年金を受け取りながら働くと、支給額が減る? 在職老齢年金制度とは
 



▲PAGETOP