年金の追納はしたほうが良い? 一体、どれくらいお得になるの?

配信日: 2020.11.19

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年金の追納はしたほうが良い? 一体、どれくらいお得になるの?
国民年金保険の保険料の免除制度や納付猶予制度、学生納付特例制度を利用した場合、「追納」することができます。
 
今回は、保険料の追納をした方が良いのかどうかについて解説します。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

老齢基礎年金の給付額

保険料の追納をした方が良いのかどうかについて知るには、老齢基礎年金の給付額がどのように計算されているかを確認するのが一番分かりやすいです。
 
令和2年4月分からの老齢基礎年金の給付額は、以下のように計算されます。なお、平成21年3月分までは、以下の計算式とは少し異なりますが、今回は解説を割愛します。
 

出典:日本年金機構 「老齢基礎年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)」
 
上記式をご覧いただくと、この式が「年金給付額」×「納付済月数に応じた割合」という形になっていることが分かります。つまり、納付月数が480月(40年×12月)であるとき、満額の78万1700円を受け取れるということです。
 

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老齢基礎年金と免除制度、納付猶予制度、学生納付特例制度との関係

前掲の老齢基礎年金給付額の計算式の中に、「保険料納付済月数」「全額免除月数×4/8」「4分の1納付月数×5/8」「半額納付月数×6/8」「4分の3納付月数×7/8」というものがあります。これらは全て納付月数に関わります。
 
先ほど、「納付月数が480月(40年×12月)であるとき、満額の78万1700円を受け取れるということです」と述べましたが、これは「保険料納付済月数」、つまり免除制度や猶予制度などを利用せずに480月納付した場合をいいます。
 
では、「全額免除月数×4/8」「4分の1納付月数×5/8」「半額納付月数×6/8」「4分の3納付月数×7/8」は何かといえば、免除制度を利用した場合に、これらのものが関係してきます。
 
免除制度によって免除される額は、全額免除、4分の3免除(4分の1納付)、半額免除(半額納付)、4分の1免除(4分の3納付)の4種類があり、それぞれが前掲の計算式に関わってきます。
 
つまり、免除制度を利用した場合、老齢基礎年金給付額の計算式に算入することはできても、満額給付を受けることはできないということになります。
 
一方、納付猶予制度と学生納付特例制度については、その適用期間を老齢基礎年金給付額の計算式に算入することはできません。
 

追納のメリットと注意点

追納のメリットは、いうまでもなく、老齢基礎年金の受給額を満額にできるもしくは満額に近づけることが可能ということです。国民年金保険料の追納が可能な月数と金額については、「ねんきんネット」から確認することができます。
 
免除制度、納付猶予制度、学生納付特例制度を利用した場合、10年以内であればさかのぼって納付(追納)することができます。
 
ただし、免除制度、納付猶予制度、学生納付特例制度の適用を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降は、当時の保険料に一定の金額を加算して納付しなければいけません。また、老齢基礎年金を受給することができる方は、追納することはできません。
 

まとめ

年金の追納は、した方が良いです。理由は、免除制度、納付猶予制度、学生納付特例制度を利用した場合、老齢基礎年金を満額受け取ることができませんが、追納をすることにより満額もしくは満額に近い額を受け取ることができるようになるからです。
 
タイトルにある「どれくらいお得」かは、厳密に「○○円お得」とは答えられません。それは、場合によって異なるからです。追納額も、いつの保険料を追納するかによって異なります。
 
ただ、国民年金は国民年金「保険」であり、長生きに備えるための保険です。語弊があるかもしれませんが、国民年金保険は長生きをすれば得をするように設計をされています。長寿化している昨今、老後の備えを少しでも万全にしておくのは望ましいことではないでしょうか。
 
出典
日本年金機構 「老齢基礎年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)」
日本年金機構 「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
日本年金機構 「国民年金保険料の学生納付特例制度」
日本年金機構 「国民年金保険料の追納制度」
日本年金機構 「追納等可能月数と金額の確認」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー


 

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