更新日: 2024.07.29 年収

年収500万円と年収1000万円、年金にどのような差がある?

年収500万円と年収1000万円、年金にどのような差がある?
年収500万円と年収1000万円、両者の間には額面収入だけで見れば倍の差があります。では、年金においてはどれくらい差が出るのでしょうか。年収500万円と年収1000万円の年金について比較していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

公的年金は国民年金と厚生年金に分けられる

公的年金は国民年金と厚生年金とに分けられます。当然、誰もが両方の年金を受け取れるわけではなく、加入していた年金について受給要件を満たしているかどうかで受け取れる年金が変わります。
 
例えば老齢基礎年金の受給要件を満たし、過去に厚生年金に加入していたという方であれば厚生年金を受給できますし、自営業者で一度も厚生年金に加入したことがないという方は国民年金のみを受給することになります。
 

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年収500万円と年収1000万、年金に差はある?

結論から申し上げると、年収500万円と1000万円では国民年金部分では差がつきませんが、厚生年金部分では差がつくという結果になります。
 
では、国民年金と厚生年金について順に見ていきましょう。
 

国民年金では差がつかないのはなぜ?

国民年金の金額は年収500万円だろうと1000万円だろうと基本的に同じ金額になります。なぜなら、国民年金は年収に関係なく加入期間や納付済み月数によって変化するからです。令和3年度の金額では、40年間加入して保険料を満額納めていればどちらも月額6万5075円となります。年額に換算すると78万900円です。
 

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厚生年金はどれくらい差がつく?

年収によって差がつくのは厚生年金の部分ですが、厚生年金の受給額の計算は非常に複雑です。簡単に仕組みを説明すると、厚生年金は加入期間とその間の平均標準報酬月額(加入していた期間の標準報酬月額の平均のことであり、標準報酬月額は毎年4月から6月の月収によって決定されます)によって異なります。
 
そのため、現在の年収が500万円だろうと1000万円だろうと、過去の平均給与によって平均標準報酬月額も異なるため、一概にどれくらいの差がつくとは言い切れません。
 
参考までに賞与分も月給に換算し、平均月給43万9000円で40年間就業した場合に受け取れる厚生年金は、月額15万5583円程度となります(国民年金分を含む)。
※令和2年度の平均的な収入(賞与含む月額換算)と年金(老齢厚生年金と2人分の満額の老齢基礎年金)の給付水準を基に1人分の金額を算出
 

年金を増やすにはどうすればいい?

今回の考察によって国民年金に加入している方を中心に「じゃあ年金を増やすにはどうしたらいいの?」と疑問に思われることも多いでしょう。年金を増やすには次のような方法があります。
 

1. 学生時代など金銭的事情から猶予・未納となっていた期間の国民年金の保険料を追納する
2. 60歳以降も国民年金に任意加入して保険料を支払う
3. 国民年金のみに加入している方は付加年金や国民年金基金に加入する
4. 年金の受け取り時期を65歳以降に繰り下げ受給をする
5. 60歳以降も働き厚生年金に加入する

 
その他にも、個人年金であるiDeCoを始めたり、個人年金保険に加入するなどして公的年金以外の私的年金を増やすというのも手です。
 

年収によって年金に変化が出るのは厚生年金!

年収によって将来の年金が変化するのは厚生年金です。基本的に厚生年金は現役時代の平均標準報酬月額に比例するため、現役時代の平均月収が高ければ高いほど将来受け取れる厚生年金の金額が増えます。そのため、単に現在の年収だけで将来の年金額を判断することは困難です。
 
なお、国民年金は年収に関係なく、単純に保険料の納付済み期間で将来受け取れる年金額が変化します。年金の受給額など自身の年金について知りたいときは、毎年送られてくるねんきん定期便を確認したり、ねんきんダイヤルへ問い合わせるとよいでしょう。
 
出典
日本年金機構 令和2年4月分からの年金額等について
日本年金機構 電話での年金相談窓口
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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