年収400万円の40代会社員、年収が高くないので将来の年金は少ないでしょうか? 独身でも「年金だけ」では暮らしていけないですか?
配信日: 2025.02.19


執筆者:正田きよ子(まさだ きよこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
この仕事をしている人なら当然なことだけれど、フツウの人にはわかりづらいこと、
これを知っていたらよりよく暮らせるのになぁ、など、
もっと幸せに生きる選択肢があることを、個人相談、メールマガジンやブログなどを通じてお伝えしています。
【自分で】年金見込み受給額を計算してみよう
年金がいくらもらえるのか、年金見込み受給額は自分で計算ができます。日本年金機構の「ねんきんネット」は年金記録の確認や年金見込み額の試算ができるサイトです。
マイナンバーカードをお持ちの方は、マイナポータルから利用できます。マイナンバーカードをお持ちでない方はアクセスキーが必要で、アクセスキーがない場合は申請して郵送で取得します。
ねんきんネットでは、過去の年金保険料の支払い状況や今後の働き方を想定して年金見込み額が試算できます。いくつかの質問に答えていくだけで精度の高い試算ができるので、利用登録の手間はありますが使ってみることをおすすめします。
マイナンバーカードを持っていなくアクセスキーもないが、今すぐ手軽に年金見込み額が知りたい場合は、厚生労働省の「公的年金シミュレーター」が便利です。ID、パスワードの登録が不要でスムーズに試算ができます。精度は落ちますが、ねんきん定期便がなくても試算できます。
年収400万円の40歳会社員の年金受給額を試算
厚生労働省の「公的シミュレーター」を使って、Aさんの年金受給額を試算してみました。入力した条件は以下のとおりです。
生年月日:1985年1月1日
働き方・暮らし方:会社員・公務員(厚生年金)
期間:23歳~64歳
年収:400万円
上記以外はデフォルトのままで試算すると、65歳からの年金受給見込み額は170万円/年でした。月額にすると約14万円です。
年金だけで暮らせるか? 統計値を確認してみよう
総務省の家計調査によると、令和5年(2023年)65歳以上の男性単身世帯の支出は約15万円/月です。統計では、年金だけだと毎月1万円の赤字になります。
年金だけで暮らすには?
統計値の食料費には、外食や調理食材(お総菜など)の費用が含まれています。働いているときは時間がなくて自炊を敬遠ぎみだったとしても、リタイア後は時間がたくさんあります。食事は自宅で自炊中心に切り替えれば、費用も抑えられ健康維持にもなるはずです。
住居が持ち家か賃貸か、賃貸の場合は賃料が生活費に大きく影響してきます。リタイア後は実家に住む、田舎に移住して家賃を抑えるなども検討してみましょう。
人に何かを頼めば、お金がかかります。時間に余裕ができるリタイア後は、自分でできることは自分でやる、まずは自分でやってみるという心構えを持ちましょう。自分でやると時間がかかるので、お金を払う娯楽に使える時間も減り生活費も圧縮できます。
年金だけで暮らせるかどうかは、年金だけで暮らすと決めるかどうかです。そう決めたなら、住む環境、暮らし方を見直しながら暮らしていくだけ。
暮らしてみてどうしてもお金が足りないのなら、働くという選択肢も残されています。それでも不安だったり、年金だけで暮らすことを決められなかったりするのなら、リタイアするまでまだ20年以上あります。お金の準備をしていきましょう。
出典
日本年金機構 ねんきんネット
厚生労働省 公的年金シミュレーター
総務省 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)
執筆者:正田きよ子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者