更新日: 2020.08.21 年金

公的年金制度改正で考えたい! 老後資金を確保するための活用方法って?

公的年金制度改正で考えたい! 老後資金を確保するための活用方法って?
令和2年5月、通常国会で年金制度改正法が可決されました。この改正により、公的年金だけでなく企業型確定拠出年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)なども見直され、超高齢化社会に対応した制度に整えられました。
 
今回の年金制度改正を踏まえ、老後資金を確保するため、年金制度を活用する方法について解説します。
 
福島佳奈美

執筆者:

執筆者:福島佳奈美(ふくしま かなみ)

【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務。子育て中の2006年にCFP資格を取得、FPとして独立。「ライフプランニング」をツールに教育費や保険、住宅ローンなど家計に関する悩みを解決することが得意です。

福島佳奈美

執筆者:

執筆者:福島佳奈美(ふくしま かなみ)

【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務。子育て中の2006年にCFP資格を取得、FPとして独立。「ライフプランニング」をツールに教育費や保険、住宅ローンなど家計に関する悩みを解決することが得意です。

繰り下げ支給が最大75歳までに!

老後資金の基礎となる公的年金ですが、どのくらいもらえるのかは個人によって異なります。まず、土台となる老齢基礎年金ですが、2020年度の満額支給額は年額78万1700円です。満額支給額とは、20歳から60歳まで40年間、国民年金保険料をきちんと払っていた場合に支給される額です。
 
ただし、厚生年金に加入している会社員は厚生年金保険料に国民年金保険料が含まれていると考えて大丈夫ですし、会社員の配偶者である第3号被保険者は、国民年金保険料を払う必要はありません。
 
厚生年金に加入している会社員には上乗せの老齢厚生年金がありますが、自営業やフリーランスの方は年間に約80万円の公的年金だけでは老後の生活資金としては不安です。
 
そこで、公的年金の支給開始時期を65歳から繰り下げて老後の年金額を増やす「繰り下げ支給」という方法があります。現行制度では、70歳まで繰り下げが可能です。1カ月繰り下げると0.7%増額されますので年金支給額を最大42%増やすことが可能です。
 
今回の年金制度改革で、2022年4月1日からは75歳まで繰り下げできることになりましたので、最大で年金額の84%増額も可能になりました。

iDeCoは65歳まで加入可能に!

また、公的年金を補完する役割を果たしている個人型確定拠出年金(iDeCo)も改正されることになりました。現状では、加入可能年齢が20歳以上60歳未満ですが、令和4年5月1日からは65歳まで加入可能になりました。
 
これは、会社員が60歳以降も働くことが普通になり、企業型確定拠出年金も65歳まで加入できることになっていますので、iDeCoも制度を合わせた形になります。
 
これにより、60歳以降も働く会社員や60歳以降も国民年金に任意加入している方は、iDeCoの掛金拠出を続ければ、老後の「じぶん年金」をさらに増やせることになります。

在職老齢年金制度の見直し

公的老齢年金の支給開始年齢は65歳(一部65歳未満でも受取可能な方もいる)ですが、年金支給開始後も働き続けるという方も多くいます。働きながら公的年金を受け取る場合、年金の一部が支給停止される「在職老齢年金制度」があり、それが高齢者の働く意欲を阻害しているといわれてきました。
 
令和2年度の場合、60歳から64歳までなら年金と賃金の合計額が月に28万円を超えると年金が減額されますが、この基準額を65歳以降と同じ47万円まで引き上げることになりました。令和4年4月1日施行です。なお、年金の一部が支給停止となる金額は、毎年見直されます。

年金制度を踏まえた働き方を考える

今回の年金制度改正で、公的年金の受取開始をさらに繰り下げることが可能になったり、働きながら厚生年金に加入してiDeCoの資産を増やしたりできるようになりました。
 
生きがいや収入維持のため、60歳以降も雇用延長、あるいはパートやアルバイトなどの短時間労働等で働きたいという方は大勢います。社会保険に加入しながら働くことで、受け取る老齢厚生年金額を増やすことも可能です。
 
人生100年時代、現役時代に老後資金を計画的に準備することはもちろん重要ですが、60歳からでも老後資金を増やすことは可能です。公的年金の受取を繰り下げるのか、年金を受け取りながら働くのか、選択肢はいろいろあります。
 
どのようなセカンドライフを送るかは、個人の価値観やライフプランによって異なると思われますが、年金制度の内容を理解しておくことは重要です。今後も年金制度や社会保障制度の動きに注意しながら、働き方やライフプランを考えると良いでしょう。
 
執筆者:福島佳奈美
【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー

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