2019.02.23 税金

医療費が多くかかった年は、是非!確定申告を。還付が受けられるかも

会社員は基本的に年末調整を受けるため、所得税の確定申告は不要です。ただ、医療費が多かった年は申告すれば還付を受けられます。近年大きな改正があったこの医療費控除について、確認します。
 

医療費控除について

医療費が多くかかった年は税金が還付されることを知っている人は多いと思いますが、医療費控除については意外と誤解が多いのも事実です。まずは医療費控除の基本的なポイントをおさらいしておきます。
 
1.還付される額は払った所得税の範囲内
医療費控除で還付される額は自分が支払った所得税の範囲内となります。そのため所得税を納めていない人は、どれだけ医療費がかかっていても還付されません。
 
2.その年中に支払った医療費に限られる
控除の対象となるのは、あくまでその年中に支払った医療費に限られます。例えば、平成30年12月に入院しても、平成31年1月に支払った分は平成30年分の医療費控除の対象にはなりませんので注意が必要です。
 
3.誰のために支払った医療費か
本人のほか、生計を一にする親族分の医療費が対象となります。その際、扶養控除の対象であるか否かは問われません。
 
4.「治療または療養に必要」な費用であること
医療費控除は、支払った費用があくまで「治療または療養に必要」であることが明らかでなければならず、薬局で薬を買ったとしてもすべてが医療費控除の対象となるわけではありません。また健康診断の費用や診断書作成にかかる料金も控除の対象とはなりませんので注意が必要です。
 
5.病院に通うための交通費は控除の対象
病院に通うための交通費は医療費控除の対象となります。例えば病院までの電車・バスなどの交通費は認められます。タクシーについては、急病やけがのときは認められます。
 
なお、自動車で通院する場合のガソリン代や駐車料は認められないこととなっています。少し理不尽な気もしますが、通院は電車やバスを利用するようにしましょう。
 

医療費控除の近年の改正(平成29年分以降)

医療費控除は平成29年の制度改正により、主に以下の点が変更されました。
 
1.医療費の領収書の提出が不要に
控除を受ける場合、証明書類として以前は医療費の領収書を提出する必要がありましたが、平成29年分以降は提出不要となりました。ただし確定申告期限の翌日から5年が経過する日までは領収書を保管しておく必要があります。また、平成31年分までは従来通り領収書を提出する方法も認められております。
 
2.医療費通知(お知らせ)の添付が認められることに
以前は認められなかった健康保険組合等が発行する「医療費通知(お知らせ)」が証明書類として認められるようになりました。これを添付することにより、その通知書に記載された医療費の合計額を明細書に記載するだけですみ、内容を詳細に記入する必要がなくなりました。
 
ただし、医療費通知の期間が暦年ではなく中途半端な期間となっていたり、受診しても審査中の費用は記載されてない場合があります。医療費通知を利用する場合は内容をよく確認するべきでしょう。
 
3.セルフメディケーション税制の創設
平成29年分の確定申告から、セルフメディケーション税制が創設されました。これは従来の医療費控除かどちらかを選択適用できる制度です。従来の医療費控除は、医療費の総額から原則として10万円を引いた金額が控除の対象となります。
 
これに対してセルフメディケーション税制とは、1万2000円以上の医薬品を購入した場合に、その超えた金額が控除の対象となるという制度です。金額的なハードルがぐっと下がった感じですね。年間の医療費が10万円まではいかないものの、市販薬を多く買う方などは適用を検討してみてはいかがでしょうか。
 
ただし、健康診断を受けたりするなど一定の取り組みを行う必要があります。
 
以上、簡単ではありますが医療費控除の基本的な部分と近年の改正について確認しました。会社員が確定申告をする機会はあまりありませんが、医療費が多い年は申告してみることをおすすめします。
 
執筆者:宮路幸人(みやじ ゆきひと)
税理士・AFP その他宅建、マンション管理士資格保有
 
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宮路幸人

執筆者:宮路幸人(みやじ ゆきひと)

税理士・AFP その他宅建、マンション管理士資格保有

不動産・相続に強みがあります。会計事務所勤務が長く実務経験が豊富です。フットワ-クが軽くお客様のニーズに応えるよう日々努力しております。また離島支援活動も積極的に行っております。



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