生命保険料控除証明書ってなに? いつ必要になるの?
配信日: 2020.01.20 更新日: 2020.07.05
今回は、税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」について解説したいと思います。
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー
立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。
現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。
生命保険料控除証明書とは?
生命保険料控除は、払い込んだ生命保険料の一定額が、契約者(保険料負担者)の所得から差し引かれる制度です。よって、課税される所得が低くなることにより、所得税や住民税が軽減されます。
「生命保険料控除証明書」とは、保険料を支払ったことを証明する書類のことです。年末調整時や確定申告時に提出しなければなりません。
生命保険料控除証明書っていつ届くの?
生命保険料控除証明書は、加入している保険会社より発送されますが、送られてくる時期は、各保険会社によって異なります。大まかなスケジュールは下記の通りです。
・月払い:10月中旬頃から順次発送
・年払い/半年払い:10月中旬頃から順次発送
・一時払い:10月中旬頃から順次発送(1回のみ)
・前納:契約月の翌月に送付
・団体扱い(給与天引き):契約者に送付なし(勤務先で受け取り)
生命保険料控除申告時に注意しておくべきことは?
●生命保険料控除には、「新」と「旧」があります。
・「新」:契約日が平成24年1月1日以降に締結した生命保険などのうち一定のもの
・「旧」:契約日が平成23年12月31日以前に締結した生命保険などのうち一定のもの
(なお、介護医療保険は、「新」のみ控除対象です。)
●「前納」と「一時払い」の違い
・「前納」:前納期間は、毎年、控除証明書が発行されます。その年に充当した保険料が保険料控除となります。
・「一時払い」:一時払いをしたその年に限り控除証明書が発行されます。支払った保険料全額がその年の保険料控除となります。
●途中解約した場合
その年に解約した場合、その年に支払った保険料は、控除対象となります。申告漏れのないように注意しましょう。
生命保険料控除証明書を紛失した場合は?
生命保険料控除証明書が届くのが、おおむね10月中旬以降です。よって、実際の申告まで保管しておかなければなりません。うっかり紛失してしまった方も安心してください。
探しても見つからない場合は、加入している保険会社へ連絡して再発行してもらいましょう。届くまでに数日かかりますので、期日は余裕を持っておく方がいいでしょう。
まとめ
生命保険料控除の対象となる生命保険契約は、生命保険の受取人がその保険料を負担する者またはその配偶者その他の親族です。契約者が誰であるかは要件とされていません。
例えば、契約者が妻の場合でも夫が保険料を負担している場合は、保険料を支払った夫の生命保険料控除の対象となります。年に1回だけの手続きです。控除漏れがないように気をつけたいものです。
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー