公開日: 2020.02.15 税金

災害や空き巣被害に遭った場合に受けられる<雑損控除>をご存じですか?

執筆者 : 飯田道子

災害や空き巣被害に遭ってしまった場合、心が傷つくことはもちろんのこと、実質的な金銭的被害を避けることはできません。
 
日々、決められた支払いや生活を立て直すためのお金がドンドン出ていくので、不安が増すばかりなのではないでしょうか。
 
そんなピンチに陥ったときに役立つのが、雑損控除です。今回は、どのようなケースで雑損控除が適用されるのか、どのようにすれば適用されるのかを知っておきましょう。
 
飯田道子

執筆者:

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

詳細はこちら
飯田道子

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執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

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そもそも雑損控除ってなに?

基本的には、災害や空き巣に遭遇した際に適用される税制であり、所得控除のなかのひとつです。
ただ、どんなときにでも無条件に適用されるわけではありません。法律で定められた資産および損害原因が決められたケースのときのみ、受けることのできる控除なのです。
 
■資産要件
損害を受けた資産が、次のいずれにも当てはまることが条件です。
 
(1)資産の所有者が次のいずれかであること
●納税者
●納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が38万円以下(令和2年分以降は48万円以下)の者
 
また、ビジネスを行っているような人の場合では、棚卸資産や事業用固定資産等に該当している場合は控除の対象となりません。その他、生活に通常必要でない資産も適用されません。
 
「生活に通常必要でない資産」ってなに?と思うかもしれませんが、具体的には別荘や趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で保有する不動産やゴルフ会員権などです。
 
また、指輪などのアクセサリー等の貴金属や書画、骨董等、1個または1組の価額が30万円超のものなどは、通常の生活では必要でない動産とみなされ、適用されません。
 
■損害の原因
適用となる損害にも一定の決まりがあります。
 
具体的には、
・震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
・火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
・害虫などの生物による異常な災害
・盗難、横領
などです。
 
ただし、詐欺や恐喝で損害が生じた場合には、雑損控除は受けられません。

控除される金額はどれくらい?

損害が大きければ大きいほど、できるだけ多くの金額を所得から控除してほしいと思うのですが、控除できる金額にも限度があります。
 
控除額は、
1、(差引損失額※1)−(総所得金額等)× 10%
2、(差引損失額のうち災害関連支出※2の金額)- 5万円
上記1と2のいずれか多いほうの金額となります。
 
※1/差引損失額=損害金額+災害等に関連するやむを得ない支出-保険金などの補てん金
※2/災害により滅失した住宅や家財などを取壊または除去するために支出した金額など
 
例えば、総所得金額が500万円で差引損失額が400万円、災害関連支出が400万円の場合で計算すると
1400万円-500万円×10%=350万円
2400万円-5万円=395万円
となり、このケースでは、2で計算したほうが控除額は多くなります。
 
実際には損失額が大きくて、その年の所得金額から控除しきれないことも多くあります。このような場合では、翌年以後、3年を限度に損失を繰り越すことが認められていますので、翌年以降の所得金額から控除できます。
 
また、雑損控除は他の所得控除よりも先に控除することになっています。損失額が大きい場合には、他の所得控除は受けられないことがあります。

雑損控除を受けるためにはどうする?

雑損控除を受けるためには、確定申告をしなければなりません。災害に関する事項を記載し、災害等に関連したやむを得ない支出の金額が記された領収証等を添付、もしくは提示しなくてはなりません。
 
給与所得の場合、源泉徴収票の添付もしくは提示が不要なのですが、確定申告書を作成する際には源泉徴収票が必要です。分からない場合は自分で判断せず、税務署等へ相談してください。
 
また、所得金額の合計額が1000万円以下の人が災害にあった場合は、雑損控除とは別に、その年の災害減免法による所得税の軽減免税が受けられます。より有利な方法を選ぶと良いでしょう。
 
執筆者:飯田道子
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

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