更新日: 2021.01.20 控除

PCR検査の費用は、自費? 保険適用? 医療費控除の対象となる?

執筆者 : 新美昌也

PCR検査の費用は、自費? 保険適用? 医療費控除の対象となる?
新型コロナウイルスの感染拡大の長期化の影響で、コロナ感染に対する不安も増大しています。CMなどでも個人で使える「PCR検査キット」の広告をよく見かけます。
 
陰性証明の取得のためにPCR検査を受ける人も増えています。費用も数千~数万円などさまざまです。
 
これらの費用を支払った場合の取り扱いについて解説します。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

PCR検査の保険適用

PCRは「Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)」の略です。ポリメラーゼは、DNAやRNAのような核酸ポリマーや長鎖を合成する酵素です。
 
PCR検査は特定のウイルスのみが持つ遺伝子を増幅させて、患者が新型コロナウイルスに感染しているかどうかを検査する検査方法です。鼻から綿棒を挿入し粘膜を採取して調べたり、唾液を採取したりして調べます。
 
医師が必要と判断し行った新型コロナウイルス感染症のPCR検査には、保険が適用されます。検査にかかる費用については1回当たり1万8000円(検体の検査実施期間への搬送を伴わない場合は1万3500円)とされ、これに検査判断料が加わります。
 
当該検査費用の1~3割が自己負担分になります。ただし、この部分は検査結果にかかわらず公費扱いですので、患者の費用負担はありません。ただし、初再診料等の診療費は公費の対象にはなりません。
 
「陽性」になった場合、咳や発熱などの症状がある人は感染症指定医療機関に入院します。緊急その他やむを得ない理由があるときは、感染症指定医療機関以外の病院等に入院することもあります。症状のない方などはホテルで療養します。
 
入院治療に要する医療費については、必要な費用を公費で負担します。ただし、世帯員の市町村民税の総所得割額が56万4000円を超える方は、月額2万円を上限として一部負担があります。
 
民間の医療保険に加入している場合、新型コロナウイルス感染症は疾病に該当しますので、新型コロナウイルス感染症の治療を目的とされた入院は、ホテルや自宅での療養でも「入院給付金の支払い対象」となります。医療保険に加入している人は保険会社に確認してみてください。
 

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医療費控除のポイント

医療費は原則、年10万円を超えると超えた分を所得から差し引くことができます。所得が少ない人は10万円を超えなくとも総所得金額等の5%を超えた分を控除できます。ただし、控除額の上限は200万円です。
 
なお、生命保険契約などで支給される入院費給付金や、健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などで補てんされる金額は、医療費から控除する必要があります。一方、傷病手当金や出産手当金は所得を補てんするものなので、医療費から控除する必要はありません。
 
医療控除の対象となる医療費は、医師等による診療や診察のために支払った費用、治療や療養に必要な医薬品の購入費用などです。通院のための交通費なども対象です。原則、人間ドックや健康診断など治療目的ではなく予防目的なものは対象になりません。
 
控除対象となる医療費は、生計を同じくする家族の分も合算できますので、所得の多い人が活用すると節税効果が高く有利です。医療費控除を受けるには、年末調整ではできませんので、確定申告が必要です。
 

PCR検査と医療費控除

医師等の判断によりPCR検査を受けた場合には、上記で見たように治療目的なので検査費用は医療費控除の対象です。ただし、医療費控除の対象となる金額は実際に費用負担した分に限られますので、公費負担部分の金額は医療費控除の対象となりません。
 
一方、単に感染していないことを明らかにするための自己判断によるPCR検査の費用は医療費控除の対象となりません。ただし、自己判断によるPCR検査の結果、「陽性」であることが判明して引き続き治療を行った場合には、その検査費用は医療費控除の対象となります。なぜなら、その検査費用は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができるからです。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。