昨年の12月に副業を始めて5万円稼ぎました。本業以外で稼いだら「確定申告」は必要なのでしょうか?また、本業の勤務先に申告はすべきですか?
配信日: 2025.02.08

ただし、副業をしているすべての人が、確定申告を行う必要があるとは限りません。昨年度に副業で収入を得た方は、自分に確定申告の必要があるのか確認しましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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副業収入が5万円なら確定申告は不要
国税庁によると、確定申告が必要なのは「給与を1カ所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える」人です。
つまり、昨年度の1月1日から12月31日までの間に副業で得た所得が20万円を超える場合、確定申告をしなければなりません。例えば、昨年の12月に副業を始めて、5万円の収入を得た場合は確定申告が不要です。
ただし、医療費控除やふるさと納税などで確定申告を⾏う方は、副業で得た所得が20万円以下であっても確定申告が必要です。何らかの理由で確定申告をする場合は、あわせて副業収入に関する申告を忘れずに行いましょう。
今年も同じペースで副業収入を得られた場合、翌年度は確定申告が必要になる公算が高いでしょう。毎月5万円の副業収入が12カ月続くと、単純計算で60万円の収入となるためです。
ただし、確定申告が必要になるかどうかは「収入」ではなく「所得」で判断します。つまり、収入から経費(通信費や接待交際費など事業運営に必要な支出)を差し引いた金額が20万円以下なら、確定申告は不要です。
翌年度に確定申告が必要かどうかを判断するためにも、しっかりと事業に関する支出を整理して、確実に帳簿を付ける必要があります。
なお、副業収入を本業の勤務先に申告する必要はありません。副業している事実を知られたくない場合は、確定申告する際に住民税の納付方法について「自分で納付」を選択すれば、知られるリスクを軽減できます。
経費に該当する支出
事業規模の大小に関係なく、事業主である以上は正確な記帳が欠かせません。以下で、どのような支出が経費に該当するのか見てみましょう。
・旅費交通費:取引先へ移動するための交通費・出張旅費や宿泊費など
・通信費:業務で使用する携帯電話・固定電話・切手・はがき代など
・接待交際費:取引先との打合せのための飲⾷代、取引先に対する慶弔⾒舞⾦・お土産代など
・損害保険料:業務で使用する⾞などの保険料(任意・⾃賠責保険) など
・消耗品費:事務用品(営業用カバン・名刺・封筒)の購入費用など
・会議・研修費:打合せ等で使用したレンタルスペース料、会議に伴い支出する費用、業務で使用する書籍・地図、資格試験料など
・⾞両・燃料費:業務で使用する⾞のガソリン代・駐⾞場代、⾃動⾞修理代、⾞検費用など
・事務所経費:事務所の家賃、水道光熱費など
・租税公課:業務で使用する⾞の⾃動⾞税、⾃動⾞取得税、⾃動⾞重量税、組合費など
・広告宣伝費:チラシ代など
・仕入:販売用の商品の購入費用や原材料費
・外注工賃:知⼈に仕事を依頼したときの依頼料など
・修繕費:業務で使用するパソコンの修理費用など
・雑費:上記に当てはまらない費用
例えば、副業でWEBライターやWEBデザイナーをしている方の場合、通信費やパソコンの購入費用は経費に該当します。クライアントとの連絡で使用するチャットツールや一部の業務を外部へ委託したときの費用も、経費計上が可能です。
なお、支出した⾦額に副業に関する部分とそれ以外の部分がある場合は、副業に関する部分が必要経費となります。例えば、自宅で作業している場合の家賃や通信費などは、使用面積・使用時間などで按分して経費となる部分を計算します。
判断に迷う支出がある場合は、税務署で相談するとよいでしょう。申告を誤ると、あとになって税務署から指摘を受ける可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
副業の所得が年間で20万円以下の場合、確定申告は不要です。ただし、医療費控除やふるさと納税などで確定申告を⾏う場合、副業で得た所得が20万円以下でも確定申告をしなければなりません。
また、今年は確定申告が不要でも、副業が順調なら翌年は確定申告をする必要が生じる可能性があります。きちんと帳簿を付けて、事業状況の把握だけでなく確定申告が必要かどうかを正確に判断できるように備えましょう。
出典
国税庁 確定申告が必要な方
国税庁 No.2210 必要経費の知識
国税庁 スマホで確定申告(副業編)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー