配偶者控除と年収はどのように関係しているの? 配偶者の年収が「200万円」を超えたら控除自体が適用されないって本当?
配信日: 2025.03.04

本記事では、配偶者控除の概要や適用条件について解説します。また、配偶者特別控除との違いや制度を上手に利用するコツについても触れます。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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配偶者控除の概要と仕組み
配偶者控除とは、納税者本人が一定の条件を満たす配偶者を扶養している場合に、所得税や住民税の計算で所得から一定額を控除できる制度です。主に、配偶者が働きながらも一定の収入以下である場合に適用され、納税者の税負担を軽減します。
この制度は、共働き家庭や片働き家庭の税制上の負担の公平性を保つために設けられています。具体的には、配偶者の年間収入が103万円以下であること、または「年収130万円未満かつ所得48万円以下」であることが条件です。この基準を超える場合、配偶者控除は適用されなくなりますが、配偶者特別控除が利用できるケースがあります。
いずれも家計における税金の負担を軽減する制度であり、家庭全体の経済状況を改善するための重要な手段です。
なお、配偶者控除は納税者本人の給与収入が1,220万円を超える場合には、適用外となることに注意しましょう。
配偶者特別控除と年収の関係
配偶者特別控除は、配偶者控除の適用外となる年収103万円を超える場合に利用できる控除制度です。具体的には、配偶者の年収が103万円を超え、201万円以下の場合に適用されます。
この制度では、配偶者の年収が増えるにつれて控除額が段階的に減少します。たとえば、配偶者の年収が150万円以下の場合は最大38万円の控除を受けられますが、201万円に近づくほど控除額は減り、最終的にゼロになります。配偶者控除と異なり、働きながら収入を増やしたい配偶者にとっても、一定の税負担軽減を提供する柔軟な制度といえるでしょう。
なお、納税者本人の年収が1220万円を超える場合には、配偶者特別控除も適用されないため注意が必要です。
配偶者控除・特別控除が適用されないケース
配偶者控除や配偶者特別控除は、すべての家庭に適用されるわけではありません。
前述したとおり、納税者本人の給与収入が1,220万円を超えると、どちらも控除の対象外となります。配偶者の年収が201万円を超える場合も控除は適用されません。また、内縁関係や事実婚の場合、配偶者として扱われないため、控除が受けられない点に注意が必要です。
さらに、確定申告や年末調整で必要な手続きや書類が不十分な場合、控除が適用されないことがあります。配偶者控除や特別控除は適用条件が細かく設定されており、誤った申請を防ぐためにも、制度の理解と正確な申告が求められます。
配偶者控除・特別控除を上手に利用するコツ
配偶者控除と特別控除を効果的に利用するためには、家庭の収入状況や働き方を見直し、収入を調整することが重要です。
控除額を最大限にするために、配偶者の年収を103万円以下、または特別控除の範囲(150万円以下など)に抑える方法があります。特別控除を活用すれば、収入を103万円以上に増やしても控除が受けられるため、配偶者が無理なく働く範囲を広げられます。
また、確定申告や年末調整時には、申請手続きや必要書類をきちんとそろえ、ミスなく控除を受ける準備をしましょう。
さらに、配偶者の働き方や控除額を考慮した上で、家庭全体の収支計画を立てることが重要です。必要に応じて税理士や専門家に相談し、最適な働き方や制度の活用法を見つけることで、より効果的に家計をサポートすることができます。
配偶者控除・特別控除を活用して賢く節税
配偶者控除と配偶者特別控除は、家庭の税負担を軽減し、家計の安定を支える重要な制度です。それぞれの控除額や条件を理解し、適切に活用することで、節税効果を最大化できます。
特に、配偶者特別控除は、配偶者の収入増加を妨げずに控除を受けられる柔軟な制度であり、共働き家庭にとって大きな助けとなります。家庭ごとの状況に合わせた働き方や収入調整を計画し、制度を最大限に活用することで、家庭全体の経済的な安定と安心を手に入れましょう。
出典
国税庁 配偶者控除
国税庁 配偶者特別控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー