「不用品を売ったら25万円だった」という会社員の友人。給料以外で20万円を超えると「確定申告」が必要だったと思うのですが、不用品なら不要なのでしょうか?

配信日: 2025.03.04

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「不用品を売ったら25万円だった」という会社員の友人。給料以外で20万円を超えると「確定申告」が必要だったと思うのですが、不用品なら不要なのでしょうか?
友人が「メルカリで不用品を売ったら25万円になった」と聞くと、うらやましく思う人もいるでしょう。一方で、「本業以外の収入が20万円を超えた場合は確定申告が必要」だと聞いたことがあり、大丈夫なのかと疑問に思う人もいるはずです。
 
結論からいうと、メルカリやヤフオクなどのネットフリマ・オークションサイトで「不用品を売っただけ」であれば、売り上げが20万円を超えても確定申告は必要ありません。とはいえ、確定申告が必要になるケースがあるので注意が必要です。
 
本記事では、不用品を売った場合に確定申告が不要となる理由、反対に確定申告が必要になるケースについて解説します。
浜崎遥翔

執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

不用品の売買なら確定申告が不要となる理由

ネットフリマやオークションの売買で確定申告が必要となるケースは、「譲渡所得」として課税される取引をした場合、もしくは「雑所得・事業所得」として課税される取引をした場合です。これらを見ていきましょう。
 

生活必需品には譲渡所得はかからない

通常、資産を売却すると譲渡所得として課税の対象となります。しかし、使わなくなった衣類や家電、家具、本などを売るだけなら、譲渡所得は発生しません。
 
これは、生活用動産の売却は非課税とされているためです。ネットフリマやオークションで不用品を売った場合、その多くは生活必需品の売却に該当します。
 
ただし、1個または1組30万円以上の貴金属や美術品などは例外です。生活用動産とはみなされず、資産の譲渡として扱われるため、譲渡所得の課税対象となります。
 
とはいえ、譲渡所得が発生する場合でも、売れた金額の全額が課税対象となるわけではありません。取得費(購入時の価格)や譲渡費用(売却にかかった手数料など)を差し引いた利益部分のみが課税対象となります。
 
さらに、譲渡所得には年間50万円の特別控除が適用されるため、取得費を差し引いた利益が50万円以下であれば、結果的に課税されることはありません。
 
そのため、仮に30万円以上の貴金属や美術品を売却したとしても、購入時の価格が高ければその分取得費として差し引かれるため、最終的に課税所得がゼロ、または特別控除内に収まることがほとんどだと考えられます。結果として、確定申告が必要となるケースはかなり限られます。
 

営利目的でなければ雑所得や事業所得にならない

ネットフリマやオークションにて営利目的で継続的に売買を行っている場合は、雑所得や事業所得とみなされる可能性があります。例えば、次のようなケースです。
 

●転売目的で商品を仕入れ、販売している(例:安く仕入れた服や家電をフリマアプリで販売)
●ハンドメイド作品を制作・販売している(例:アクセサリーや手作り雑貨をフリマアプリで販売)

サラリーマンなど本業で給与収入がある人は、雑所得や事業所得などそのほかの所得金額が20万円を超えると確定申告をしなければなりません。
 
なお、所得金額とは売り上げではなく利益です。売り上げから仕入れや材料費、手数料を引いた金額が課税対象となります。例えば、メルカリで25万円の売り上げがあっても、仕入れに15万円かかっていれば所得は10万円となり、確定申告の対象にはなりません。
 
反対に自分が使っていた不用品を売るだけなら営利目的には当たらず、20万円以上の売り上げになっても確定申告は不要です。
 

不用品の売買なら確定申告不要だが注意は必要

ネットフリマやオークションで不用品を売るだけなら、基本的に確定申告は不要です。ただし、生活必需品であっても30万円以上の貴金属や美術品は譲渡所得に、営利目的での売却の場合は雑所得または事業所得になるため確定申告が必要な場合があります。
 
通常の取引なら課税されることはありませんが、大きな売り上げが出たときは、課税される取引に該当していないか、しっかり判断することが大切です。
 

出典

国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
国税庁 確定申告が必要な方
国税庁 No.1500 雑所得
国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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