確定申告の「医療費控除」を申請しようとしたら、「昨年の領収書」が見つかりました。期限後でも申請できるのでしょうか?
配信日: 2025.03.09

本記事では、医療費控除の申告期限について解説します。また、医療費控除の対象となる費用や手続きの流れも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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5年以内であれば医療費控除の申告が可能
医療費控除は、昨年の領収書でも申請可能です。なぜなら、医療費控除は5年前までさかのぼって申告できるためです。
そのため、昨年や一昨年の領収書が後から見つかっても、申告すれば控除の対象となります。手続き方法は、会社員と個人事業主で異なります。
・会社員…還付申告を行います。申告期限は、医療費を支払った年の翌年1月1日から5年間です。還付申告をすることで、払いすぎた税金の一部が還付される可能性があります。
・個人事業主…更正の請求を行います。納めすぎた税金を還付してもらうために、すでに提出した確定申告を訂正する手続きです。期限は法定申告期限から5年以内となります。
このように、還付申告や更正の請求を行えば、5年以内の医療費の領収書を申告できます。
医療費控除の対象となる人と費用
医療費控除は誰でも受けられるわけではなく、すべての医療費が対象になるわけでもありません。事前に医療費控除の対象者や対象となる費用を把握しておくことで、スムーズに手続きが進み、控除額や税金、還付金のシミュレーションもしやすくなります。
本項では、医療費控除の対象となる人と費用について詳しく見ていきましょう。
控除対象となる人
以下の医療費を支払った人は、医療費控除の対象になります。
・納税者が、自身または生計を共にする配偶者や親族のために支払った医療費
・その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費(未払いの医療費は、実際に支払った年の控除対象となる)
これらの要件を満たす場合は、申告することで所得控除を受けられる可能性があります。
控除対象となる費用
医療費控除の対象となる主な費用は、次のとおりです。
・医療機関に支払う医療費
・治療に必要となるリハビリ費用
・治療に必要となる医療器具の購入費用
・治療や療養に必要となる医薬品の費用
・柔道整復師やはり師などの治療目的の施術費用
・出産時の入院費用
・出産費用や診察費用
・義手や義足などの購入費用
・治療目的の歯科矯正費用
他にも、さまざまな費用が医療費控除の対象となります。なお、治療を目的としていない美容関連の費用などは、医療費控除の対象にはならないため注意が必要です。
医療費控除申請の流れ
医療費控除を申請する際の流れは、次のとおりです。
1.医療費控除を受けられるか確認する
2.医療費控除額を計算する
3.医療費控除の明細書と確定申告書を作成する
4.税務署に提出する
医療費控除は、控除対象となる費用が10万円以上(総所得金額が200万円未満の方は「総所得×5%」)の場合に適用されます。通知書や領収書を確認し、自分が医療費控除を受けられるかをチェックしましょう。
医療費控除の明細書は、国税庁のサイトから取得できます。また、医療費の領収書は確定申告後も5年間保管する必要があるため、大切に保管してください。
医療費控除の申告漏れに気づいたら、早めに申請しよう!
医療費控除の申告後に領収書が見つかっても、5年以内に還付申告や更正の請求を行えば、控除の適用を受けることが可能です。しかし、5年という期間があるからといって先延ばしにすると、うっかり忘れてしまうこともあるため、できるだけ早めに手続きを済ませることをおすすめします。
医療費控除を活用することで、税金の一部が還付される可能性があります。手続きに不明点がある場合は、税務署や確定申告会場で確認しましょう。
出典
国税庁 還付申告
国税庁 所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続
国税庁 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 医療費控除の対象となる医療費
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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